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月刊想造楽工vol.32【特別編】『ニューモアでの1年間のインターンを終えて』

今回は特別編の月刊想造楽工です!
ニューモアで1年間インターンをしてくれていたひえだくんにこの1年間の思い出を綴ってもらいました。
ひえだくんは山梨県甲府から八王子の事務所までわざわざ通ってくれて(!)、真面目でどこか(どこかというか、なんというか・・・笑)抜けている愛すべき青年です。
いつもまっすぐにニューモアの仕事に取り組んでくれて、私たちにもたくさんの気付きと学びをくれました。
そんなひえだくんのnote、ぜひご一読ください。

想造楽工との出会い

今までの人生から、人それぞれが持つ「らしさ」を大切に生きていけるような世界ができたら良いなと思っていた。でもそれってどうしたらよいのだろう、とモヤモヤしていた頃である。

2023年3月に参加した、ふくしデザインゼミが主催のトークイベントで、デザイナー3名(ニューモア代表のよりこさん含む)による「ふくし×デザイン」がテーマのセッションを聞いた。

トークイベントの様子

その中で、よりこさんの「それぞれにやわらかな自然光が当たるように」という言葉を聞き、ここだ!と思い、湧き上がっていく感情ままに、トークイベント終了後「卒論のテーマが決まりました!」と感想を伝えた。自分と想造楽工との出会いはそんな感じだった。ちなみに、卒論のテーマは最終的に「自由へのデザイン」とした。

ニューモアでの毎日

初めての出勤。その日は八王子市内の商業施設の吹き抜け装飾づくり。
ケーキやろうそくのパネルの色を塗った。全体の中の一部分であったが、学園祭前の準備のような、そんなワクワクとした気持ちで、メンバーと話しながら楽しく塗り塗りした。
お昼ごはんはふるさと山梨にない貴重なバーガーキング。
ニューモアと、そのお隣の事務所、ノマの皆さんと談笑しながら食事をした。自然とどうでもよいような話で盛り上がれるタイプの人たちであった。
この場所に行くのが楽しみになっていった。
あと、バーガーキングはめちゃくちゃ美味しかった。

塗り塗りした子たち
巨大な吹き抜けに

ニューモアでのお仕事は、学園祭の前みたいなワクワク感が共にあり、こんなに楽しくものづくり(片付けも含めて)しながらもお仕事なのだなと、うきうきしながら過ごしている。
でもその裏では実は班長よりこさんのさりげない采配があり、人の持ち味、得意を何気なく見抜き、役割をふり、「この人だからできる」を生み出している。このさりげなさ、素敵です。ニューモアは楽しく、自分のペースで各々に会う働き方ができるところであった。
(ニューモアの働く上でのモットーは以下の記事をお読みください)

想造楽工の日の思い出

月に一度の「想造楽工の日」も参加した。「想造楽工の日」とは東京都八王子市内の就労継続支援B型事業所しあわせのたねの皆さんと一緒に絵の制作をする日である。
(想造楽工の仕組みは以下の記事から)

気付いたら自分はムードメーカー渡邉さんの指示のもと、ペンを走らせる役割になっていた。

ムードメーカー渡邉さんと班長よりこさん

渡邉さんは幼稚園に関するものが好きである。そのため幼稚園バスや運動会など、たくさんの幼稚園に関わるものを、渡邉さんの指示に従い、描いた。
すると渡邉さんは「いいね~!」と言って絵を褒めてくれた。
嬉しい。

ただ、息抜きに別の絵が描きたくなり、少し落書きすると渡邉さんに「だめ~!」と言われる。だめか、と再び幼稚園を描く。「いいね~!」と褒めてくれる。別のものを描きたくなり描く。「だめ~!」と言われる。

そんなことを繰り返していた。自分はこの流れと楽しげな雰囲気がツボになりついついやってしまったのが、渡邉さんがどう思っていたかは分からない。きっと楽しかったはずだと信じたい。

想造楽工の日を体験して、皆さんが描く絵はもちろんのこと、みんなで描くその時間も素敵なものであった。

渡邉さんは、「八王子おやこ小学校」でもイベントをリードする「エプロンズ」としても活躍していた。こちらも素敵な空間であったようである。(自分は準備をお手伝いしたものの、参加できず)

あちこちへの旅

ニューモアのお仕事は八王子にとどまらず、様々な場所に出向いていった。新潟県十日町の美術館でのイベントではワークショップと物販を担当した。

ワークショップの様子

絵の具を染み込ませたスポンジで、湧き上がる思いのままに、ポンポンとビニールシートに塗っていくことのお手伝いをした。自分もやってみたのだが、童心を出しながら黙々とポンポンしていくのは非常に楽しかった。

夜には数年前からニューモアがお世話になっているという古民家ゲストハウスやまねこにて宿泊。人柄が素敵なオーナーご夫婦がスイカをごちそうしてくれるなどして、お話しながら楽しく過ごした。

素敵なオーナーご夫妻

ゲストハウスに溢れる9匹のねこたちを前に、ねこのかわいさに目覚めた。だが、鼻水が止まらなくなり、軽度の猫アレルギーであることも発覚した。

ゲストハウスのねこたち
朝起きるとねこたちに囲まれていた

自分の描いたお気に入りの絵をTシャツにしていることに気付いてもらえた。

着ていたお気に入りのTシャツ Zoo Only Zo

いろいろあった1泊2日のとても楽しき旅だった。

イベントの合間にSAP体験
数年前の想造楽工によるネコペイント(原画:ほほえみ工舎)

東北、福島県葛尾村にも行った。トレーラーハウスのペイント制作。村の12人の小学生たちが描いた素敵な絵を、パートナー施設の就労継続支援B型事業所ガーデンタイム(群馬県前橋市)の皆さんの絵とコラボさせながら、班長よりこさんが持ち味を大切にデザイン。その絵を、移動式のトレーラーコンテナに描いていった。極寒の中、時には雪も味わいながら、チームで塗り塗りしていった。

最後の方には雪がしんしんと
チーム総出で塗り塗り

完成したトレーラーハウスは、それはとてもとても素敵にかわいく仕上がった。

完成したものがこちら
写真撮影も
みんなで記念撮影

新幹線の荷台に置き忘れた自分の荷物が福島を過ぎ、仙台に向かうなどのハプニングもあったが、これもまた愉快で楽しい旅であった。帰りの4人での車は、極寒の中での仕事を終えた疲労と達成感で、どんな話をしてもみんなが笑う異空間であった。

何かを共にする過程でこそ、人の役割は生まれる。その過程において、それぞれの持ち味を生かした、その人だからこそできることで協働をすることで、つくるひとたちも、依頼をした人も、それを見る人たちも、ハッピーになっていく。そんなことをインターンの日々から学んだ。

その他にも、メンバーの卒業制作展をみんなでワイワイと見に入ったり、池袋のパン屋さんのリノベーションをしたり、いろいろな仕事をしたり、何気ない日々を過ごした。
班長よりこさんをはじめ、その周りにいる人々はみんな素敵な人ばかりであった。実はまだ関わりの薄い人もいるので、一緒に何かをしながらかかわりたいなあと思うのだが、いつになるかは分からない。


パン屋のリノベーション
卒業制作を見にみんなでプチトリップ
事務所でプロダクト会議
夏のお楽しみ会
よりこさんによるひえだの似顔絵
どこかのサービスエリアで

私は、出会った日からちょうど1年の3月。地元での就職に伴いインターンを終了する。でも、いつかまた同じチームでお仕事ができたら良いなと、ひっそりと考えながら生きていこうと思っている。

想造楽工での毎日は、何かイベントのように楽しくて、でもそれは日常の中で決して浮きすぎず、全てが日常の中にあった。

私が無理に溶け込もうと頑張らず、いても良いと感じながら(そんなことはあまり頭になく、という方がしっくりくるかもしれない)お仕事ができる。ここは、そんなあたたかな空間と、仲間たちがいるところであった。この1年辛いこともあったが、ここは変わらずに自分があたたまれる場所でいてくれた。
ありがたい。

最後に

想造楽工の皆さまへ。
大学生活、いろいろと中途半端で終わってしまったな、という実感があり悔いが残っているのですが、それでもこの場所に出会えて、共に時間を過ごせたことを、とても嬉しく誇りに思います。
ありがとうございます。
この先の人生のいつか、必ずやまた同じチームで協働をしたいなと、心に思い、生きていきますので、そのときはよろしくお願いします。
また、ふらっと八王子にいくと思いますので、これまた別によろしくお願いします。
おみやげにシャインマスカットとかを持っていきます。

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p.s そんなひえだくんのイラストがもっと見たいという方は、ぜひこちらのInstagramをご覧くださいね♡