・日曜日。朝9時。家事を終えて散歩へ飛び出した。

・今日は歩こう。午前中だけで1万歩を目指そう。

・新中野という街は、散歩に行こう、と思ったときに多数の魅力的な選択肢を提示してくれる。

・新中野住民の生活の中心に位置する「杉山公園」を原点において考えると、北に行けば中野、東に行けば新宿、南には笹塚/下北、西に行けば荻窪。

・いずれも魅力的な街であり、いつも迷う。

・そんななか、今日は、南西に進路を取り、方南町へ向かってあるき出した。

・まずは、歩数を稼ぐため一旦方南町の外れの方まで。

・済美山公園。いい感じの規模の運動公園。

・ここまでですでに5,000歩を稼いだ。いいペースだ。

・公園のベンチで軽く朝ご飯を済ませ、時計を見るとそろそろ10時。ブックオフが開店する時間だ。

・新宿などの都心に通う人々のベッドタウンとしてのイメージが強い方南町。

・あまりポップカルチャーに縁のない場所のように思えるが、実は、ブックオフと、後述するトレファク（古着屋）があるので、近年、僕のようなリユース野郎にとってはかなり魅力的な街になってきている。

・そんなこんなでブックオフ方南町店に到着。

・ちょっと光の加減で見にくくなってしまったが、立て看板に注目いただきたい。

・【活字単行本 30%オフ】

・ブックオフ方南町店は結構な頻度で独自のセールをやっている。

・30%オフはアツい。110円の本も30%オフ。

・実は、最近本を積みすぎているのでしばらく買うのはやめよう、と思っていたところだったが、その決意はいとも簡単にこの立て看板に砕かれた。

・そそくさと2階の単行本コーナーへ向かった。

・すると、スマホ片手にたくさんの買い物かごへ大量の本を放り込んでいるエージェントがいた。

・2人いた。

・動きで分かる。せどり職人の方々だ。

・それはそうだろう。ただでさえお得なブックオフの本が、30%オフとなると、せどりの利幅も大幅に上がる。

・単純計算で30%上がる。

・この方たちにとっても、独自のセールを展開するブックオフ方南町店は魅力的な店なのだと思う。

・日頃からセール情報のアンテナを高く張っているにちがいない。

・昔はせどり職人のマナーの問題でブックオフも対応に苦慮した歴史があるようだが、現状はとくにそういった問題は見受けられなかった。

・マナーよく、とにかくたくさん買っている。

・ご苦労さまです、と心のなかで挨拶し、会計関連の本を2冊、お得価格で購入して店をあとにした。

・充実した時間だった。

・時計は11時。家にはお昼には帰るといってあるので、そろそろトレファクに向かわなければ、ということでトレファク方南町店に到着。

・前述の通り、あまり若者カルチャーが盛んではない方南町において、トレファクの存在はかなり穴場である。

・ここは結構店内も広くて扱い点数が多く、ディグり甲斐のあるお店だ。

・ただ、今日は「いい感じの革靴がないだろうか」という明確な目標を持っていた。

・靴コーナーもけっこう見ごたえがある。

・革靴と言っても、カジュアルシーンで気軽に履けるようなものが欲しい。

・じっくり探していると、目的に合った状態のよい靴が見つかった。

・『PADRONE（パドローネ）』のいい感じの革靴。

・パドローネのことは知らなかったので、後で調べたところ、伊勢丹などに入っている日本のブランドとのこと。

・古着屋さんで服や靴を探す場合、そういった出自は実際にはどうでもよく、フィーリングが合えばOKだけど、後で調べてみていい感じのブランドだとさらに愛が深まる。

・問題は価格だ。

・それなりに元がいいワケだから、せんべろ古着（千円ぐらいの古着の総称）とはいかないだろう。

・値札をみると、4,980円。

・普段なら手が出ないが、ここに20%オフのシールがオンされていた。

・悩む。

・何度か履いてみたが、履き心地的にも問題はない。

・なにより、目的だった「カジュアルに気軽に合わせられる革靴」にピッタリフィットしている。

・ブーツではないけど、ソールがプレーンタイプなので、見た目的にはレッドウィングのブーツみたいに映る。

・20%オフ、約4,000円か。。

・買いだ。

・久しぶりに古着屋さんで単品4,000円ぐらいの買い物をした。

・でも、かなり活躍する予感がするのでヨシ。

・そんなこんなで、帰宅。

・午前中だけでもうすでに充実度が100%を超えている。

・今日、あとは息をしているだけでも良いだろう。

・なのに、これに加えて午後はまた図書館に行く予定だ。

・それをもって、今日の充実度は200%を超える見通しになる。

・しかし、それぐらいやっても決してやりすぎではない。

・なぜならまた明日から仕事が始まる。

・そのためには、500%ぐらいの充実度チャージが週末のうちに必要だ。

（end）