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2022年のNEWPEACEを振り返って、次の未来に思うこと

2022年も間も無く終わろうとしています。
多くの人が今年あった出来事を振り返りながら、次の1年の目標や抱負を考える年の瀬、NEWPEACEも、企業としてどのような1年であったかを振り返りつつ、来年、さらにその先の未来の成長を考える機会にしたい思います!

"IMPACT" を合言葉に始まった2022年

2022年4月、NEWPEACEのCIをアップデート

NEWPEACEは2022年、自社のリブランディングで幕を開けました(リリース)。
2022年を“第二創業期”として位置付け、ミッション、ビジョンに始まるコーポレート・アイデンティティを刷新、さらに恵比寿から目黒への新オフィスへの移転も実施しました。
自らの企業としてのステージをさらに引き上げていくことを目指して、新しい環境の中に身をおく、というチャレンジから始まった2022年。

そんなチャレンジにおける合言葉は “IMPACT”。コーポレート・アイデンティも変わり、新しい環境や体制、まさに変化する環境に身を置くメンバーには不安や戸惑いもあったと思います。そんな中で、代表の高木が社内のメンバーに対して掲げた合言葉は “IMPACT”でした。

NEWPEACEのミッションは「価値観を仕事にする」こと。そのためには、未来への意志を掲げるだけでなく、自分たちが世の中を巻き込み、社会を”常識”から開放することのできる「影響力」をもった存在でなければならないということ。

これまでのNEWPEACEは、ブランド開発を行う事業部と、社会課題を軸に事業に取り組む各チームが、独立したカンパニーのような形で存在していました。しかし、それはお互いがそれぞれの価値観に基づいて、ただ好きなこと、やりたいことを行っていたらいい、ということではなく、そうした価値観に基づく仕事がより社会にとって意味のある形で存在するためには、NEWPEACE内で横軸のつながりを持ちながらもっと協働していく必要がある、ということ。それこそが、次のNEWPEACEのステージで行っていかなければならないことであり、まさに “IMPACT”を生み出すのに必要なことなのだ、と。

NEWPEACEの新しいミッションである「価値観を仕事にする」を、まずは自分たちが体現できる存在になるために、会社としての力をつけ、成長する必要がある、それが第二創業期なのだ、と。

新しい変化に不安になりそうになりつつも、それぞれに意志を持つメンバーが集まっているからこそ、この “IMPACT”という合言葉をもとに、全員が「価値観を仕事にする」の体現に向けて、そしてNEWPEACEの成長に向けて頑張っていこう、と気持ち新たにチャレンジに向き合いました。

目黒の新オフィス。社内のコミュニティ活性化とカルチャー作りの観点から、工夫や改善が日々行われ、働きやすく交流の生まれるオフィスに進化を遂げている。目指すは「公園のようなオフィス」。

全力邁進する中でみつけたKEYWORDは “コミュニティ”

 “comcom Analytics β版” をローンチ

NEWPEACEのメンバーがそんな ”IMPACT” を与える存在に成長するべく日々取り組む中で、目に見える形で世の中に出たものの一つに、comcomが開発する “comcom Analytics”の β版があります(リリース)。

comcomでは、コミュニティを分析・モニタリングできるダッシュボード「comcom Analytics」の開発のほか、コミュニティ立ち上げや運営のサポートを行う「コミュマネLAB」のコミュニティを展開している。

コミュニケーションの場がオフラインからオンラインに移行する流れがコロナ禍を経て急速に進んだことで、これまでゲームなどに限定的であったオンラインのコミュニティは、アーティストやスポーツのファンコミュニティなどにも広がり、あらゆるコンテンツがオンラインベースで形成されるようになってきました。

このような流れにおいて、今後コミュニティはオンライン上に立ち上げ、運用するものという前提が必然になってくると考えられますが、comcom Analyticsはその前提にかかるコストを減らすことに貢献します。つまり、コミュニティの状態をデータで可視化することでオンラインコミュニティの運営者をサポートし、コミュニティの健全な成長をサポートします。

comcom Analyticsのダッシュボード画面

オフラインのみならず、DiscordやSlack上で形成されるオンラインコミュニティにおいても、コミュニティマネージャーに注目が集まり、需要が高まっています。comcom Analyticsは、12月21日時点で600以上のコミュニティに導入されています。少人数のコミュニティだけでなく、数千〜数万人のメンバーを抱えるコミュニティ(ポケモンユナイトの有志マッチングサーバーや、世界的なTPSバトルロイヤルサーバー、国内有名NFTプロジェクト)に導入されており、コミュニティ運営を支えるツールとして存在感を強めています。

アメリカで開発されたコミュニティツールDiscord。2015年の登場以来、Web3 / DAOのプロジェクトなど、さまざまなシーンで活用されるなど、爆発的にユーザー数を増やしている。

2022年 新しい潮流の中でNEWPEACEの価値を捉える

コミュニティが様々な場所で新しい意味を持つものになってきているらしい、そんな世の中の兆しを感じる中で、NEWPEACEにおいても自社が行う事業の中で意識的に同じ意志や価値観で結びつく人たちの集団を創る、育てる、ということに取り組んだ1年でした。2022年に取り組んだNEWPEACEの事業を「コミュニティ」というキーワードで整理して振り返ってみたいと思います。

Case1:×地域

富山県では、2021年2月から新しい富山の更なる発展に向けて県内外の富山にゆかりある外部委員を招き「富山県成長戦略会議」を発足し、新時代の成長戦略のキーワードを、「真の幸せ(ウェルビーイング)」とし、議論を重ねてきた。

comcom Analyticsの事例が示すように、オンライン上活動が盛んになっている今日においても、オフラインのコミュニティの持つ役割は依然として重要です。

特に、人口流出、過疎化が問題となっている地域においては、観光や交流という機会を用いていかに外部の人たちとの関係人口を築いていくかが必要となってきており、そうした人々を受け入れる場所として、さらに、つながりを築く場所として地域コミュニティが存在することが必須です。

しかしながら、実際には、そうした課題感を有している人はいるものの、地域の中で存在が可視化されていなかったり、仲間を得られずに孤軍奮闘しているような状態の人たちも多かったりと、地域の活性化のために動いている力が分散されてしまっているような現状をNEWPEACEはこれまで多く目にしてきました。

NEWPEACEでは、これまでに富山県の成長戦略立案をはじめとして、長野県、長野市、鹿島市や福岡市など、多くの地方自治体のビジョン開発やブランディング支援に携わってきましたが、そうした取組みにおいて最も重視して取り組んできたことこそ、地域で意志のある人たちをつなぎ、ビジョン達成に向かう力をより大きなものにしていくことでした。

地域のことは自治体が担うもの、と考えるのではなく、個人や民間企業など、そこに携わる人たちを巻き込み、ビジョンに共感して行動を共にする仲間にしていくこと。
行政の力だけでは解決できないことも多様なリソースを掛け合わせることで解決することができるとNEWPEACEは考えています。

例えば、高木が委員を務める富山県の成長戦略に関するプロジェクトでは、2021年の第1回につづき、今年も第2回目となる富山成長戦略カンファレンス「しあわせる。富山」の開催を支援しました。県内外を巻き込む継続的な相互コミュニケーションを創出する場として展開しているこのカンファレンスは、富山県の成長に携わる産学官のアクター同士をつなぐことに加え、解決すべき課題をコミュニティの中で共有し議論することを通じて、連帯の意識を向上し、解決へのアクションを加速化させることを目指しています(リリース)。

第2回「しあわせる。富山」カンファレンス中、瑞泉寺 本堂(南砺市井波)で開催されたスペシャルセッション「憧れを実現する、女性の地方ライフスタイルを考える」の様子(2022年10月)。学生目線、ママ目線、働き手目線など多様な視点から、ウェルビーイングなライフスタイルを送るために必要なことを話し合った。

Case2:×企業

NEWPEACEではこれまで、企業の「Visioning」実現のため、ミッション、ビジョンの形成から、それらを企業や世の中に浸透させるためのコミュニケーション施策の立案、実行まで一気通貫型のブランド開発に携わってきましたが、そうした企業と世の中をつなぐブランド開発の文脈においても「コミュニティ」がかなり重要な役割を果たすようになっています。

<連帯することで解決する企業の課題①:#しかたなくない プロジェクト(×スマルナ)>

2021年12月に始動した #しかたなくないプロジェクトは、その活動を始めてから1年が経ちました。仲間を集めるところから始動したプロジェクトでしたが、#しかたなくないマガジンの配布や、第1弾実証アクション「性共育プロジェクト」の発足を経て、#しかたなくないのコンセプトに賛同する個人や企業を徐々に増やし、連帯の輪を拡げていきました(note)。

2021年12月のプロジェクト始動時。渋谷109の前で、マガジン創刊号の無料配布を行った。

そもそも、#しかたなくないプロジェクトは、オンラインピルのサービスを普及したいが社会の理解が追いついておらず広まらない、という企業の課題を解決する方法のアイデアのひとつとして生まれました。

自社サービスの課題解決を自社のプロモートの枠組の中だけで考えるのではなく、他の個人や企業を巻き込み、一つの大きなコミュニティを作ることで世の中の価値観を変え、社会を動かすことに繋げる、というアプローチのプロジェクト。ある種壮大なプロジェクトですが、NEWPEACEはパートナーと一緒に丁寧にコミュニティを育てることを大切にしながら、#しかたなくない に共感する人たちの輪を着実に広げています。その結果、今年のSIWではTinderや東京ガールズコレクションとコラボするなど、社会に影響力を持つ存在へと進化しつつあるように感じます(Tinderとのコラボ東京ガールズコレクションとのコラボ)。

今年11月のSIW(SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA)にて、性共育プロジェクトから生まれたアイデアから「LOVE GROWS」プログラムをトライアル実施。マッチングアプリTinder監修の元、愛や性、リレーションシップを学び合う学生向け企画としてワークショップを開催した。

<連帯することで解決する企業の課題②:UNKNOWN HARAJUKU(×東急不動産)>

「まだ知らない原宿へ」というコンセプトの下に始動したUNKNOWN HARAJUKUプロジェクトも、原宿カルチャーの実験場としてその存在感を強めています。

元々は原宿交差点の新たな商業施設のオープンに向けてハードだけではなくソフトも作っていこうと始まったプロジェクト。このUNKNOWN HARAJUKUの取組みでは、NEWPEACE×東急不動産でタッグを組み、原宿の路地裏の民家一軒を有効活用しています。
新しいカルチャーを生み出す場所となるよう、ジャンルや知名度、価値観などのボーダーを超えたクリエイターたちをつなぎ、育てるような、まさにコミュニティマネージャーをNEWPEACEが担っています(Instagram)。

UNKNOWN HARAJUKU。様々なアーティストやクリエイターが集まり、新しい化学反応を生み出している。

Case3:×社会課題 

2020年10月に創刊し、世の中の当たり前に“違和感”を問いかけることをコンセプトに、”違和感”を抱く人たちに寄り添うインディペンデントマガジンとしてチャレンジし続けているIWAKANも、2022年には4号と5号の発売を迎えました。

【IWAKAN4号】特集 多様性?/ 【IWAKAN5号】特集 (不)自然

IWAKANはその雑誌自体が、ジェンダー、セクシュアリティ、男女二元論などに違和感を抱く様々な人たちの ”コミュニティ”の役割を果たしており、一冊の中で全く異なる見解やアプローチを持つ人々の視点が集めながら、テーマに対する議論と対話を生み出しています。

その一方で、発売のタイミングで企画されるイベントや国際女性デーに合わせた「女声展」の開催など、誌面だけに留まらず、雑誌に関わってくれた研究者やアーティストの方々と読者とのオフラインでの接点も数多く設けてきました。今年の7月には、3日間にわたって名古屋でIWAKAN FESTIVALを開催するなど、ジェンダー問題や性差別について議論し、探求し、新しい考え方を発見する機会を創り出しながら、REING時代から築いてきたジェンダーに関心のある人たちのつながりを大事に築いています。

7月に開催したIWAKAN FESTIVALでのトークセッションの様子。

VOGUEやGINZAなどの雑誌でもIWAKANが取り上げられたり、10月には、第12回TOKYO ART BOOK FAIRに初出展を果たしたり、年明けにも東京現代美術館でアーティストとのコラボレーション企画が予定されているなど、影響力の大きいメディアやパートナーとの協働が増えてきており、世の中のジェンダーの関心の高まりに対して、IWAKANへの注目が大きくなっているのを感じる2022年でした。

10月、初出展となったTOKYO ART BOOK FAIRの出展ブースにて、IWAKAN編集チーム

刻一刻と変化する世界の中で、体現していくNEWPEACEのミッション

社外の人との交流を通して新しい視点やImpactある仕事の創出につなげることを目的に、月に1~2回NEWPEACEオフィスで開催されるMIX DINNERの様子。

NEWPEACEが取り組んできた2022年の事業を振り返ってみました。NEWPEACEはこれまでにも6curryなど、コミュニティをテーマにした事業に取り組んできましたが、2022年はあらゆる事業において、意志や価値観を共にする人たちを集め、つなぎ、社会にとって影響力のある集団へと変えていくことにNEWPEACEの役割と重要性が高まっているのをより強く感じる年でした。

これまで地域や土地と結びつきがある集団の意味で捉えられることの多かったコミュニティという存在ですが、オンライン/オフラインに関係なく、世の中が抱える課題を解決するアプローチの手段として効果的であることがNEWPEACEの中に知見として蓄積されつつあります。また、そうした得た知見を、comcom Analyticsというサービスに還元することを通して、これからのコミュニティ社会を支えるインフラツールの改善、開発にも繋がっています。

2023年は、まさに、この生まれつつあるNEWPEACEのサービス間の “循環” をさらに活性化させることに力を入れていきたいと思います。
まだ誰も「コミュニティ」の正解を持っていない世界の中で、これまでNEWPEACEが行ってきた事業から得た知見は、私たちにとって大きなアドバンテージであり、強みです。この強みを活かしながら、NEWPEACE内の相乗効果によって生まれる “Impact”を最大化させるために、まずはそれぞれの事業の質を高めることをより意識して取り組んでいきたいと思います。

2023年も、その先も「価値観を仕事にする」社会を実現していくために、NEWPEACEは正解のない領域にチャレンジして行きたいと思います!

2022年もありがとうございました!(2022年NEWPEACE忘年会にて)

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