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説明文の授業はこれを教えて!

国語って勉強の仕方がわからない。
国語で学んだことってなんだ?

こういう子供の多いこと多いこと…
国語は他の教科のように覚えることが少ないですからね。
義務教育の国語で覚えることって漢字や文法のことがほとんどで、実際に読解には関係ないことが多いです。
国語が嫌われる理由ってこういうところなんだと思います。

数学は公式を覚えれば問題が解ける。
英語は単語や文法を覚えれば読める。
社会や理科は暗記すれば問題が解ける。

国語は漢字や文法を覚えても問題が解けるようになりません。
他の教科では知識をもとにして思考しますが、国語は知識と思考がつながらない。
または、読解や表現のための知識・技能を身に付けていない。
これが国語がわからない原因ではないかと考えました。

ということで私は、授業では知識や技能を教えることに力を入れることにしています。
たとえば説明文の授業では、
【説明文の形】
を教え込みます。


【説明文の形】は二瓶弘行先生の実践を真似したものなので、気になる方はそちらも調べてみてください。

説明文には読者に伝わりやすい形があります。次の説明文を見てみましょう。

学校の勉強(説明文の例)

①学校では様々なことを勉強します。
②例えば国語です。国語では日本語を使い、相手に伝えたり相手を理解したりする力を身に付けます。国語が得意になると日本語でのコミュニケーションが上手になります。
③例えば算数です。算数では数字を使い、さまざまな計算方法を身に付けます。算数が得意になると計算が速くなります。
④例えば体育です。体育では自分の体を使い、さまざまな体の動かし方を身に付けます。体育が得意になると体を動かすことが上手になります。
⑤学校ではさまざまなことを勉強します。それぞれの教科で将来役に立つことを身に付けることができます。だからどの教科も頑張りましょう。

このような説明文がもっともわかりやすい形だと教えます。
わかりやすい形であるためには次のような条件があります。

1、序論(はじめ)・本論(なか)・結論(おわり)が明確

序論・本論・結論がわかりやすいということは、話題・根拠・主張がわかりやすいということです。
生徒には、このまとまりを見分けるために、以下の「序論の役割」と「結論の役割」を説明します。
序論の役割
①話題の提示・説明
②全体を貫く問いの投げ掛け
③はじめのまとめ
結論の役割
①筆者の主張・提案
②全体を貫く問いの答え
③おわりのまとめ

先ほどの説明文では、一段落目で「学校では様々なことを勉強します。」と書いていました。これが、序論の役割①話題の提示です。今回は「(学校の)勉強」について説明していくのだということがわかります。
もっと詳しい説明文になれば、
「学校と家庭の勉強の違いとは……」(話題の提示・説明)
「では、学校ではどのような勉強を……」(全体を貫く問いの投げ掛け)
「学校で勉強するとさまざまなことを身に付けることができます。」(はじめのまとめ)
というように、文や段落が足されていきます。文や段落を足すのは「説得力を高める」「読者を引き付ける」「読むのに必要な情報を先に提示する」などの意味があります。

また、今回の結論では、
「それぞれの教科で将来役に立つことを身に付けることができます。」(おわりのまとめ)
「だからどの教科も頑張りましょう。」(筆者の主張・提案)
が盛り込まれていました。

序論では、話題を確認することができます。そのため、序論を理解しないまま読むと話題を適切にとらえられていない場合があります。
結論では、筆者の主張・提案が述べられています。その説明文を通してもっとも述べたいことです。これをとらえられなければ、説明文を読み取れたとは言えないでしょう。

2、本論(なか)の分け方が明確

本論は序論や結論のようにきまった役割がありません。しいて言えば、「説明をして、説得力を持たせること」でしょうか。
しかし、本論には序論や結論と違う特徴があります。
それは、細かく分けられるということです。上の説明文では、
2段落:国語の話
3段落:算数の話
4段落:体育の話
というように分けられます。本論はこのように内容を細かく分けることができることがほとんどです。
細かく分けることで「結論の根拠となる記述はどこか」「根拠がいくつあるのか」、問いがある場合は「序論の『全体を貫く問い』か細かい本論の中の1つの問いにすぎないのか」などを判断することができます。

また、今回の説明文では本論の中でも形を似せて書きました。
3文構成で、教科名、内容や身に付くこと、メリットという感じで書いてみました。
このように次に何が書かれているか予測できたり、何が言いたいのかを前に書かれていることから予測できたりすると、非常に分かりやすい文章になります。

説明文の形を理解すると

説明文には分かりやすい形があります。
一読して、「分かりやすい」と思うなら、どこが同じなのか、なぜ分かりやすいのかを考えるといいです。
「分かりにくい」と思うなら、どこが違うのか、なぜ分かりにくいのかを考えるといいでしょう。
文章が長くなればなるほど、分かりやすさを考えていく中で、「段落の役割」や「接続語」、序論や本論の役割、各論のつながりなどが気になってくると思います。

説明文には筆者が無駄だと思うものは書いてありません。
読者が無駄だと思ったなら、なぜ筆者はこれを書いたのかなども考えてみるといいでしょう。

それらの思考の手がかりとなるのが、説明文の形だと私は考えます。

説明文って何を教えたらいいかわからない。
文章の内容理解だけで終わってしまう。

そんな悩みを抱えている人は、説明文の形の意識を子供に定着させることから始めてみてください。
分かりやすい形の大原則は
①序論・本論・結論が明確
②本論の分け方が明確
です。

やってみてもっと詳しく知りたいことがあれば気軽にお聞きください!
言語化することは、私の勉強にもなりますので!

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