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人の墓の上に平気で座っていたフランスの若者たち

 パリに住んでいたころ、セルジュ・ゲンスブールが死んだ。モンパルナス墓地に埋められるというニュースを聞いて埋葬の日に訪れてみたら、若者のファンが大勢詰めかけていた。

 ファンのみんなはセルジュの墓石に花を添えたり、ラジカセで彼の音楽を流したり、取材にやってきたメディアのインタビューに答えたりしていたが、ほかにすることはない。何百人というファンが集まってきているので、1人がセルジュの墓石の前に長々といられるものでもなく、しかしすぐに帰りたくもないので、おのずと他人の墓石の前を行ったり来たりして、そのうち疲れて座り込むことになる。

 こちらも疲れてどこかに座りたかったが、日本人なので見ず知らずの他人の墓石に腰掛けるのは気が引ける。ウロウロしていたら、一人の女の子が「ここに座れば」と声を掛けてくれ、思わずその言葉に甘えてしまった。

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 写真は当時のポジをスキャンしたもの。

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