チュニジア フランス人カップルとベルギー人カップル-2

 マルティニーク島から来た背の高い黒人のジル、フランス人カップル、ベルギー人カップルとの旅行も最終日、ホテルの中庭で午後をダラダラと過ごしていた。中庭の隅には共同のシャワー&トイレが掘っ立て小屋のように立っていて、誰かが入ればみんなが分かってしまう位置にある。

 ダラダラとした会話の最中、なぜそのタイミングでシャワーを浴びようと思ったのか覚えていないが、とにかくみんなが話をしている最中、シャワーを浴びることにした。造りはボロボロだがシャワー自体は熱いお湯が勢い良く出て、充分に満足。

 そんなとき、隣のトイレに誰かが入ってきた。隔たりはベニヤ1枚、性別も分かるほどに気配が伝わってくる。フランス人だろうかベルギー人だろうか、とにかくどちらかの彼女だ。衣ずれの音も、便器に腰掛ける音も、用を足す音も伝わってきて、ドキドキしてしまう。

「ねえ、お湯の加減はどう? ちゃんと出る?」

ベルギー人の彼女がベニヤ越しに声を掛けてきた。そのころはまだまだ若かったので、そのぐらいの気配で悶々としてしまった。

 翌朝は一足早くホテルをチェックアウトする自分に合わせて、みんなが早起きして一緒に朝食を取ってくれることになった。当時、フランス人は「冷たい」という評価が一般的だったが、提案はフランス人の彼女だった。

 朝、レストランにはそのフランス人の彼女が先に来ていた。「眠くないですか」と声を掛けたら、

「眠いわよ。昨夜は彼がね、寝かせてくれなかったの」。

もちろん、そういう意味で寝れなかったのだ。そのころはまだまだ若かったので、そのぐらいの会話で悶々としてしまった。

「あんたのために早起きして眠くないかって意味なら大丈夫」。

フランス人の彼女は優しかった。

写真は全て当時の紙焼きをスキャンしたもの。

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masayuki saito

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