ビートルズとファッション

ビートルズが大好きです。

 1979年生まれの私ですが、どっぷり彼らの世界に引き寄せられたのは11才でしたね。横浜に住んでて、かっこいいものを探してると、まあ、テレビはTVK(テレビ神奈川)を見る訳で、伊藤正則さんの番組なんかを食い入る様に見てたんですね。

で、そこからの、ジョンレノン。

 いわゆる教科書の中のビートルズ世代なんですが、私、伊藤正則さんからのジョンレノン。あるいは、オジーオズボーンからの、ジョンレノン。そういう底からの出会いだったんです。危ない連中が崇めるジョンレノン。10代になり、悪を嘱望する多感な時期でした。これって、CKBの横山剣さんが、クールス時代に山下達郎の尖り具合に驚いたって話とちかいですね。

 前置きはこのくらいにしておいて。

 ビートルズとファッション。これってあまり語られてない様に思うんです。こんだけさんざん商売にされてるザ・ビートルズなんですが、アパレルだってもっとフィーチャーしていいんじゃないかと思うんですが。横浜市民の一人として、そう思うんです。お遊び程度のTシャツなんかじゃなくね?彼らを崇めるファッションスタイル、そんなライフスタイルがそろそろくるんじゃないかな〜。原宿の名店ゲット・バックにあった空気感が私は大好きでした。まさに、あのノリですよ。初期のビートルズスーツとか、映画ヘルプのミリタリーとか、かなりの再現具合でレプリカ服が揃ってました。コスプレですが、満足感が半端ない。「オレ、ジョンだ〜!」みたいな。まあ所詮トラッドに浸ってた時もさ、「オレアメリカ人〜!」って言ってただけだし、そんなもんだよね。今言う、大人の良質なほにゃららなんてクソっくらえってはなし。失言申し訳ありません。

1962〜

じゃあ、オレの思うビートルズファッションについて語ります。初期のスタイルはまさにスーツですよね。白黒画像なんかだとだいたいスーツでしょ。あの時のヴィジュアルはマネージャーのゲイの男性がイニシアチブをとってたそうだよ。本に書いてあった。ジョンがお気に入りだったみたいなんだけど、まあ、マネージャー好みのジェントルな装いですよね。デビュー前だと革ジャンにリーゼントな訳で、やっぱりスーツの方がいいですよね。タイトなフィッティングですし、そこにサイドゴアブーツって素敵ですよね。

キーワードは「ゲイ好みファッション」です。

1964〜

 アルバム3枚出す頃にはもう、一大ムーブメントを巻き起こしていた彼らです。途中からは徐々にマネージャーに任せっきりでもなくなる訳。カラーのイメージが定着し始めるのがその頃かな?ストレスの影響か、随分太ってしまった時もある。今のアパレル視点でいけば、完全にアウトって時期もあるでしょう。でも、ここで注目すべきは彼らお金もあるし、もう、なんでも帰るし、でも急がし過ぎて大変で。ノームコア。みたいな感覚?どうでもいい。みたいなノリ?で、ツアーもやめちゃう訳ですよね。ひきこもり。4枚めのアルバムくらい頃がまさにそういう時期。ボブデュランにマリファナ習ったのはその少し前か。

キーワードは「ノームコア」でしょうか。

1966〜 

で、ひきこもってドラッグいっぱい覚えてラリってって時期がしばらく続く。それをサイケと呼ぶ訳ですが、サイケデリックになるにはドラッグが必要な訳で、違法ドラッグの影響を多分に受けたスタイルなんです。それをハイと呼ぶ訳ですよね。危険なドラッグによる害を訴えるのであれば、今発売中のブルーレイディスクthe Beatles 1+なんか発売停止しないと本来いけないんじゃないでしょうか。Strawberry fields foreverのフィルムが正気に思えますか?撮影者もふくめ、全員ラリってるんじゃないでしょうか。私はあの映像を中学時代に見て、ドラッグの力を思い知りました。まあ、その後アンソロジーシリーズでジョージが「LSDなんかやるもんじゃない」みたいなこと言ってましたが。で、時期にジョンが丸眼鏡かけ始めるんですよね。あれは最初ミミおばさんの眼鏡だったみたいよ。アルガー製で、イギリスって昔は国が眼鏡も支給してたんだって。私も原宿ゲットバックで鑑定書付きの同時代のヤツをゲットしましたよ。最初かけたとき「うわダサっ!」って思ったものです。めちゃ高かったし。今だと、サヴィルロー名義で同じ眼鏡が売られてますね。お求め易い価格で売ってますよ。この眼鏡位から、今のファッションでもいける要素がでてきますね。

「キーワードは危険ドラッグ」

1968〜

 ホワイトアルバムってしってます?正式なタイトルはthe Beatlesですが。あれこそ、めちゃめちゃいけてるファッションじゃないかな。ジョンはポートレイト写真でデニムジャケットに黄色のTシャツ。ロン毛。さっきのノームコア時代にも近いものがあるんですが、ここで違うのは時代です。群雄割拠の時代、周りのやつらがぶいぶいし始めていた。クラプトン然り。ストーンズもそう。ブリティッシュインベイジョンが成熟した文化を形成するにまで至ったというべきか。なので、ポカーン、アイドル、イエーイみたいなさっき書いたノームコア時代とは全く違う、深く、研ぎすまされた感じがする。この頃にヨーコも登場しますしね。やった!日本!ジョンとヨーコでヌードになっちゃうし。あれはノームコアではありません。ストーンズ主催のロックンロールサーカス出演時のジョンのデニムセットアップ。しびれるな〜。あれはラングラーだっけな?で黒Tシャツ。色落ちといい、着こなしといい、かっこいい。パンツなんかもどこのか分かりませんが、ハイウェストですごい野暮ったいですけど、でも全部かっこいい訳です。他の出演者達のファッションを突き抜けて、ジョンがかっこいい。そう思ってる人は多いはず。まあ、こうなっちゃうと、人間が大事ってなっちゃいますが、それが結論でもないわけで、あのステージであの服を選ぶジョンのセンス。また、着こなし。やっぱりファッションだと思う。

キーワード「デニムセットアップ」

1969

 ビートルズがビートルズであった時代はここまでで、後は消化試合みたいな感もありますが、そこからがまた、情の行き違い。ヒューマンドラマなんです。ポールが叫ぶ「ゲットバック!」でも4人の心は引き裂かれ。よそからの影響で尖っていた時代から身内での闘争へ。ストレスは比ではない。バンドである必然性はあるのか、ないのか。ドラマだ。そのなかで、ジョンとポールのハーモニーに泣く。映画レットイットビーは何故か公式リリースがされませんが、かっこ良すぎ。ラストアルバム、アビーロードは4人全てかっこいいですね。ジャケットであれだけパロディーが作られるだけの事はある。そこには映り込んでいるその人たち。その背後のドラマ。多大なる情報が一つに収まった奇跡の一枚なんじゃなかろうか。スティーヴジョブスだってあこがれたはずさ。

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