佐賀県のタブレット導入の混乱原因

ブログ 佐賀県ITC利活用教育の現場報告 によると、導入の混乱の原因と混乱内容は以下である。

1. タプレットの性能が悪い
2. 独自に開発したシステムSEI-Netがしょぼい(名前からしてしょぼい)
3. デジタル教科書のインストールにトラブルが多発した
4. 先生に対する利用研修の日程変更が多かった

 採用すべきだった方法は、以下となる。
1. iPadを導入する
2. Evernote、Google Drive、Googleカレンダー等の世界レベルのサービス(原則、無料)を駆使する
3. Kindle版等のデジタル教科書を制作する
4. 研修内容をホームページ等に掲載し(先生のみが閲覧できるようにするかどうかはお好みで)、各先生の都合の良い時に学習できるようにする

上記問題は導入責任者がITに詳しくないということによって引き起こされている。iPadと日本製タプレットに大きな性能差があるのは、業界の常識である。新規に作ったシステムにバグが大量に存在するというのも常識であり、新規システムにバグがないようにするのは現在のシステム開発では神業である。ただトップベンダーはバグを急速に減らす技術に長けていることで、新規システムやシステム更新を乗り越えている。

想像するに、目新しさを売りにしたい人々がベンダーに丸投げして勢いのみで導入したということが最大の混乱の原因だろう。

しかしそれ以上に深刻な問題は、タブレットであろうと、電子黒板であろうと、それらの道具を現在の教育の補助道具として利用しようとしていることである。インターネットにつないだデバイスを学校で活用するということは、どういう意味があるのか。

それは、世界や日本で最も優れた知識、モノ、人に簡単に触れ続けられるということである。最も美しい建物やイノベーティブな商品を簡単に検索で見つけることができる。凄い人の日常を簡単に見ることができる。更にはコメントを送ることでちょっかいを出すことができる。

つまりインターネットを活用することで、指導要領に縛られた教育から、世界を覗き見る教育に進化できるのである。そのためには、指導要領の教育をいかに短時間で終わらせて、世界を覗き見る教育のための時間を確保するかが重要である。つまり、先生が一人で話をする時間を減らして、生徒に勝手に世界を覗き見させる時間を増やすことが、インターネット教育の前提なのである。

この1点を実現することなしには、タブレットであろうと何であろうと、それらはただのおもちゃになってしまうのである。

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