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ブランド人が絶対に知っておきたい「SNSにおける人間心理7つの法則」

*この記事は、購読者以外も半分読めます。

どうも、トムです。

このマガジンを購読してくださっている方は、誰しも多かれ少なかれ「ブランド人」だと思います。TwitterやFacebookなどのソーシャルが登場したことで、タレントと一般人の間にあった溝が取っ払われました。

そのため、テレビ業界でプロのタレントマネージャーがやっている「タレントのブランド管理術」が、実は今誰しも身につけなきゃいけない、と常々思うのです。

僕は職業柄、さまざまな有名人の栄枯盛衰のサイクルを観察しています。また一般的な同業者よりもガッツリ、物書きとしてネットに住んできたため、色々な関連書を読み、考えてきました。

そこで学んできた「人気者が知っておきたい人間心理」を解説しましょう。

①有名人のマネージャーから学ぶ「人気者ビジネス」

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僕も日頃テレビに出ている有名人の事務所窓口の方々とよく連絡を取っていますが、彼らは「プロだなぁ・・・」と感じるんです。

マネージャーの仕事は、基本的には企業の広報やPR担当と同じです。企業が商品をブランディングするように、マネージャーはタレントをブランディングしています。タレントの印象を上げ権威が高まる方向に行動し、受ける仕事をスクリーニングし、メディアに嫌われないように要求を通し、タレントができるだけ長く稼げるように戦略を立てています

そもそも論で考えると、ブランドビジネスはざっくり言っちゃえば「印象の付加価値を高める商売」のことです。

時計の本来の機能は、時間が見れて丈夫なことですが、ここに「オーデマピケ」という名前が載ることで、50万円や100万円請求できる。単なる素材や機能以上に高いお値段が付きます。

そして宣伝広告費に大きな予算を投じ、硬派なメディアへの露出を継続しCMを打ち続けることで、このブランドを消費者の頭の中に維持し続ける。そして、この企業活動のおかげで買った人は「オーデマピケを持っている」という社会的ステータスを維持し続けられます。

よく翻訳案件に、「○○(ブランド名)の創業者逝去にあたり、創業者の創設秘話と商品のビジュアルストーリー本、初版5000部本社が事前買取」などというものが紛れてきますが、これはブランドマネージャーが伝説を作って今後もそのブランドの商品を売り続けようとしているのです。

ただ、ブランドビジネスを個人に適応すると、問題が生じます。それは、ものすごく「浮き沈みが激しい」ということです。有名人の付加価値は「人気」です。失礼ながら、僕はベッキーと一般人の女の子に違いは感じません。

そして「人気」ほど不安定なものはないです。個人の価値は、まさに”水物”で必ず旬な時期があります。なぜなら、大衆はいつでも飽きっぽいから。特に今みたいに有名人がポンポン生まれてくる時代には、選択肢はいくらでもあります。だから今の人気は、ジェットコースターのように「急に上がって急に下がる」というグラフを描きます。

僕の業界の話でいえば、上がり時には本は多少ペラペラでも飛ぶように売れますが、下がった後には良書でもなかなか売れません。これは良い悪いとかではなく、そういうものなのです。人気者ビジネスも投資みたいなもので、買い時と売り時があります。しかも描くグラフはだいたい決まっているので、株よりも先読みしやすいです。

他の例で行けば、タレントは人気絶頂の売り出し時には、CM案件もそれはそれは高い値段で取れるんでしょうね(だから、この時期のマネージャーの一番大切な仕事は、可能な限り稼ぎきること)。しかし、その後は・・・。さっき例に出したベッキーなどは、スキャンダルで一体いくらぶんの案件ロスしたんだよ・・・って話ですよ。

人気のサイクルにおいて、タレントがタレント生命を終えやすい時期は、「下り坂の中腹」です。これまで何もしなくても上がっていた人気が維持できず、焦りから露出パフォーマンスやマネタイズ面で、無茶をする場合が多いですね。

人気商売するなら、稼ぎ切ることだと思います。僕は脇から見てますけど、羨ましさ半分、自分じゃ絶対やれないなーとも常々思いますよ。

②本のトレンドから学ぶ「嫉妬を生むメカニズム」

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有名人が潰れるのは、多くの場合「嫉妬」です。

いや、実際にはスキャンダルや文春砲が芸人生命を終わらせるんですが、そのスキャンダルは誰かの「嫉妬」が運んできます。だから、ブランド人になる人は、「嫉み」という感情が生まれるメカニズムを理解しないといけないと、傍から見ていて痛烈に思います

ここで一言重要な点をお伝えすると、現代になって私たちは嫉妬を感じやすくなっているということ。今社会全体に妬みの感情が蔓延しています。別に僕は社会学者でも、心理学者でもないですが、本の世界にいるとこのことを確信します。

僕は大学生の時、恥ずかしながら自己啓発本オタクだったので(笑)、昔から本を読んでますが、最近のトレンドの変化を一言で表すと「格差コンテンツ」です。どういうことか?

SNSは人種のるつぼ。全国各地の人がネットを軸につながれるようになったことで、色々な社会的ステータスや価値観の人が混在するようになってきました。そこで我々は、本来組織や地域社会で働いていたら、絶対に目にすることのなかった「キラキラした人種」を目にするようになっています。

「この青山のレストラン5万円するよね?」「R25で取材されたんだ」「20代で年商3億円のベンチャー?」「この人優秀でフリーだからアメリカを旅行しながら働けるのか」「IT企業って花形でいいな」「出版の声かかったってマジ?」「株で利益1000万円ってすごい」「大手商社だからバリバリお金動かしてるんだろな」みたいな。SNSだと当たり前のように目にします。

これまでの地域社会なら「普通~ちょっと優秀な人」でも十分人生に満足できたんですけど、各分野の「トップで優秀な人」がゴロゴロと隣合わせになっていて、我々のほとんどは自信を持てなくなっているんです

ずっと不況で若い人にお金いってないですよね。厚労省が出している平成30年の『民間給与実態統計調査』を見ると、25~29歳で年収450万円以上は1.1%。これを見ると日本の若い人がいかに貧乏になってるかっていうのが分かります。

こういう色々な背景からも、「格差」が見えるコンテンツが物凄くウケます。特に日本人は「一億総中流」と言わんがごとく、横並び意識が強いから、生まれてきている違和感が面白いんでしょうね。

皆なんだかんだ歯がゆい思いをしながらも、言語化されていないそのコンプレックスを刺激されたい。それも「生まれつき親がTV局の役員で資産家」など社会的ステータスの違いが露骨に見えるのではなく、「こいつがいけるなら・・・」くらいの感じで見せる。その絶妙なバランス感覚を持っている人が伸びてますね。

そして、枕言葉のようなセールストーク(=格差を見せる)が終わった後、その「溝」を埋めるノウハウを教えてほしいんだと思います。

最近の売れ筋本は情報メディアというより、どんどん「人への投資ビジネス」みたいになってます。ハッキリ言えば、買いどきに買って売りどきに売り捌く。人の人気のサイクルに乗っかる。

③Amazonレビューから学ぶ「共感の落とし穴」

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ところで僕は、本を買うときにAmazonレビューを見ないようにしてます。関係者としてAmazonレビューがいかにいい加減なものか知っているからです(時には身をもって笑)。

有名人系の本の場合、星5レビューを書いているのはファン。彼らは盲目です。そして星1レビューを書いているのは同業者。「その人が潰れると都合の良い誰か」あるいは「かつて恨みを買った誰か」です。

こういうの見てると思うのが、「共感」って諸刃の剣だなぁってことです。

かつてはタレントが「権威」で売れました。「共感」の対極に位置する感情です。実績を引っ提げて、出版社に原稿を持ち込み、彼/彼女にリスペクトを持つ人が買う。初期のホリエモンとかは、こういう売り方してました。

でも、今有名になる人って「権威」を出さないんですよ。なぜなら今は、ブログよりSNSがタレントが人気を獲得する起点になってて、SNSでは「実績」の類義語は「マウント」です。

横並びの関係では、人が自分たちの並ぶラインより前に出ることを嫌います。Twitterで仲良くしてたアイツ、急に出版して有名になって、大手メディアで取材を受け始めた。有名人とつるみだし、最近では誘っても遊んでくれなくなった。オレが色々仲良くしてやってたに、結局オレらより金と薄っぺらい人脈を取ったな・・・。

最近のAmazonレビューってそういう感情の吐き溜めどころなんですよ。ここだから言いますが、興味がある方は某広告系の人の本のレビューを見ると分かりやすいです(笑)。

今ソーシャル広告やインフルエンサーマーケブームで、ITベンチャーや中小企業の社長も、最近はみんなこぞってフォロワーを増やしてます。この流れで、出版社も伸びてきた人や会社の獲得競争になってますが、これは個人的には嫌な予感しかしません。

共感で得たフォロワーは自分が伸びていこうとすると、足を引っ張る存在になる。かつて自分と同じ目線で、同じ釜の飯を食っていた人間の嫉妬は根強いです。

今後いっそうAmazonレビューは信用できなくなりそうですね~(苦笑)。

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