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おすすめビジネス書(No.71-80)

お金の流れで読む日本と世界の未来

「投資の神様」とも呼ばれ、リーマンショックやトランプ投票を1年前から予言していたジム・ロジャーズは、今回のコロナショックも1年前に当てたことになってしまいましたね・・・。

歴史は他にもさまざまなことを教えてくれる。たとえば、「四~八年の周期で大きな経済問題が起こる」ということもその一つだ。今後一~二年のうちに私が生きてきた中で最悪の経済危機が起きると予想している。
(2019年1月15日刊行)

本書は世に数多ある「経済未来予測煽り本」の一つですが、ジム・ロジャーズの本が面白いのは「歴史」という切り口に徹しているところです。よく楽天とかマネックスの寄稿記事にあるような、証券アナリストが各種経済指標からマーケットを語るものではなく、「人間の心の動きと行動」というメガネから見た世界が、至るところで描かれています。

特に作家マークトウェインの引用で「歴史は韻を踏む」と本書にも書いてありますが、歴史は単に「繰り返す」のではなく、その時代その時代の特徴をまといながら、少しずつ形を変えて反復していく、ということ。この言葉は、ロジャースの考え方をシンプルに表しているのが分かりますね。

もし私がいま10歳の日本人ならば、自分自身にAK-47(自動小銃)を購入するか、もしくはこの国を去ることを選ぶだろう。

僕がここ最近感じるのは、日本礼賛番組の人気が衰え始めて、この先「お先真っ暗」だと大手メディアでも言われるようになったということ。本書では日本が「どうお先真っ暗なのか」生々しく書きながら、残されている活路を提案しています。

・日本は犯罪大国になる
・インバウンド・農業・教育ビジネスはまだ伸びる
・価格競争に走るな(大英帝国が滅びた理由)
・次の「買い」は韓国と北朝鮮
・世界経済の危機から自分の資産を守る方法
・ロジャーズ流の情報収集法

コロナの今こそ知りたい情報が盛りだくさんで、長期的な人生プランを考える上でとても示唆がありますね。僕のレビュー力じゃ紹介するのが阻まれたんですが、時宜にかなっているため最初に紹介しました。「必読書」です。

デジタル・ミニマリスト

最近では『エッセンシャル思考』やら『ヤバい集中力』やらが、めちゃくちゃ売れてて、「生産性」が売れ筋なんです。

何故かっていうのを考えると、コンテンツが増えてるからだと思います。僕がiPhone初めて買ったのは、2011年。でも当時ってアプリトップにいくつか入れとけば満足したんですよ。メモ、音楽、Dropbox、ブラウザみたいな。

でも今ってデバイス飽和してるじゃないですか、みんな。PCも、スマホも、お気に入りバーも、キュレーションサイトも。だから時代が求めているファンクションは「整理」なのです。世の中が「混沌」になればなるほど、「秩序」の価値は上がります。広がりすぎたモノ余りサービス余り情報余りの時代に、不況と相まって「収縮」という方向のバックラッシュが起きているのだと個人的には思います。

この本『デジタルミニマリスト』は、そういうとこ狙ってるんでしょうね。僕これ刊行5カ月前から某大手エージェントに英語の原著PDF見せてもらってたんですけど、「売れるかなぁ」と思ったら売れませんでした(権利買わなくてよかった…)。

デジタル片付けの3プロセス、SNSとの付き合い方、生産性を下げないメールの捌き方、スローメディアの活用、などなど今の我々に響きそうな良い内容書いてあるんですけど、・・・・・・いかんせん長かった。この手の本って「忙しい人」が対象読者だから、もっと頁抑えて、字組緩くして、口コミ生まれやすくしたら、もっと売れたんですかね~?

文句言ってますけど、とはいえ肝心の内容は、僕は響きましたね。Twitterランドで時間を無駄にしている自覚はありますからw お勧めの本です。

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