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ヒットトレンドをつかむためのOLE理論

こんにちは、トムです。

今回は、「トレンドを正しくつかんで、市場を動かす文章を書く方法」について、僕が考えてきたことをお伝えします。

本を作る身としていつも思うのですが、売れる本を生み出す上でとても大事なのは「タイミング」です。2020年の現在、最近になって『10年後に食える仕事食えない仕事』というAI失職危機系の本が出てましたが、いまいち売れてません。

ところが、囲碁AIであるアルファGOが人間のプロを打ち負かしたことで話題になった2017年に時を遡っていけば、「10年後70%の人がAIで仕事を失う!?」みたいな煽り文句をオビに出すやいなや、中身がペラペラな自己啓発書も飛ぶように売れました。この差は、タイミングなのです

タイミングに乗れば、メディアが勝手に取り上げてくれるし、タイミングに乗れば、人々の頭の中の興味関心を刺激し、共感を得ることができます。

確かに「内容さえ良ければ売れる」という側面もあります。ただし、売れるための必要条件として「内容の質」が占めるウェイトは、そこまで大きくないと思うのですよね。実際のところは、「時宜を掴む」ということのほうがずっと大切です。

・・・ではいったい、「時宜」とは何なのか?

トレンドというのは数年サイクルでグルグルと回っています。そして、そのトレンドの中心部にある発生源には、いつの時代もトレンドを仕掛けるオピニオンリーダーが存在します。例えば、ここ5年間、メディア業界で最も強力なオピニオンリーダーは、堀江さんだったと思います。

・電話はオワコン
・これからは遊びの時代だ
・多動は価値
・ITが未来を作る

こういった主張は、5年前こそ斬新に思えましたが、今や聞き飽きたようにも聞こえませんでしょうか。

2010年頃、電車の中吊り広告で、こんなメッセージを見ました。「桜の木は何十年も地面の中に埋まった後に芽を出す。どんな綺麗な花を咲かせた人も、長い期間の下積みがあるんだ。若いうちの苦労は前向きにとらえよう」といったもの。・・・こんな広告を、SNS社会の今出したら、絶対に炎上しません?w

このように、世論にも大きな流れがあり、その流れには逆らうことはできません。繰り返しますが、ベストセラーにおいては、タイミングが大事です。そのためには、オピニオンリーダーが仕掛けたトレンドに、意味なく逆張りするのではなく、たった今世間や大衆を動かしているエネルギーを利用し、うまく乗る。こうすることで、自分が頑張ってメッセージを届けられる範囲を大きく超え、メディアを動かし、売れる本・記事になるのです。

そういった基本原理を踏まえると、2つのことが大事になってきます。

①トレンド(世間は今どこに向かっているか)を見極めること。
②トレンドを踏まえ、投げるメッセージをどう調理していくか。

①トレンドを見極めるというのは、業界によってさまざまでしょう。ですから、私のような素人が皆様に一概に申し上げることはできません。

しかし②、すなわち、「トレンドを踏まえて、自分の主張をどう料理していくか」については、一編集として考えてきたことがあります。

それが今からお伝えするOLE理論(Opinion→Localize→Edit)です。ビジネス書の市場のトレンドは、3ステージをぐるぐる回っていると僕は考えています。この枠組み・考え方を知ると、自分の主張したい意見がどのステージに位置付けられ、どのように流せばヒットするかが分かります

OLE理論(情報価値の推移)

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