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36歳からの大工さん見習い日記

36歳からの大工さん見習い日記

来月で36歳になる。
かくかくしかじかで大工さんを始める。
36歳から、一から大工さん。

なんか良いでしょ。笑

あんまりする人も少ないでしょうし、大工さんってやってみたい人も案外いるんじゃないかなと思うので手記を残していこうと思います。

経験なしでも36歳から大工さんはできる?


僕は別にこれまで何か職人の仕事をしていたわけじゃないので、本当に36歳からの初めての職人さんでございます。
そんなやつが大工さんなんて出来るのか?

どうやら未経験OKのところも多いみたいです。

ケースバイケースでしょうが。
大工さんって、今、人手不足ですからね。
別に30代後半でも、ちゃんとやる気があって、挨拶できるとか、時間守れるとか、一般常識的なことができれば、見習いとして働かせてもらえるところも多いようです。

あとは工場プレカットって言って、今の木材って工場で刻まれてから現場に来ますし、電動工具も、便利になって、昔ほどは身に付ける技術も少なくなっているようです。
昔は一人前になるのに十年とかかかったようですが。
今は三年もあれば独立しちゃう人もいるようです。

とはいえ、高いところで作業することもありますし、やっぱり難しい部分も多いのは事実でしょう。

どうして大工さんになることにしたの?


一口に言うと何となくカッコイイからです。笑

36歳になった僕は、生きたいように生きようと思ったわけです。
どうせ生きるならカッコイイことやってる方が良い、って。

一応、ちゃんとした理由もあります。

僕の場合は前が住宅の営業職だったのですが。営業は離れても、 家を作るという仕事自体はとても好きだったので、直接作るっていうことをしたくなったからです。

それに、木に触れて、家を作る人生。
なんとなく良いでしょ。

営業みたいに家のプランを考えたりするのも楽しいけれど、直接木に触れて自分で家が作れるようになるって、良いなぁ、と。

年とったせいだか、木に触れるのが良いなーなんて思うようになったわけです。

それに家って良いものです。
大きくて長く使われる。
人に長く使われるものって良いなと思います。

あとは、大工さんをすることで、もっと良い家を作れるようになるんじゃないかと思うわけです。
営業の仕事だけしてると、細かいところなんかがどうしても分からない。

例えば、玄関に綺麗な丸い柱と一枚板のベンチなんかあると素敵じゃないですか。
ベンチの下に靴を置いとけるし、触り心地の良い柱だったら、日々そこに手をかけてベンチに腰掛け靴を履く。
ただ、案外そういうのが、営業だけしかしてないと出来そうで出来ない。
大工さんとして直接木に触れて仕事していけば、そういうのも幅が広がるんじゃないかな、と。

あとは、一般的には家を建てるときって、営業さんと打ち合わせして、工事は別の大工さんが建てるわけですが。
打ち合わせしてくれた人が直接大工さんとして建ててくれるって、お客さん的には嬉しいんじゃないかなって思うんです。

まあ、そんなことできるようになるのは、独立してあれこれ出来るようになってからなので、随分と先の未来でしょうけど。

大工さん以外の職人は、家具職人も考えました。
それこそ、玄関のベンチなんかは家具職人のジャンルですし。
でも、残念ながら職人の作るきちんとした家具は需要が少ないです。ニトリが代表的ですが、工場で安く、お値段以上が主流ですから。
もちろん、旭川家具みたいに手作業で職人が作る家具もあるけど、少数派です。

大工さんって、作るものが大きいから、なかなか工場とかで作るのが難しい。
改めて考えると、手作業で職人が作るのが当たり前なのって、もう家と料理くらいじゃないでしょうか。

まあ、あとは単純に体動かして外で働きたかっただけっていうのもあります。
ネクタイ締めるような仕事は、嫌になっちゃったし、工場で働くのもピンと来なかったし、延々とパソコンに向かって一日過ごすのも嫌だったり。
外で体動かす仕事って、ご飯が美味しく感じられるし、夜もぐっすり眠れます。

あとは、自分の気に入った格好で仕事出来るっていうのも良いですよね。
この前、作業着を見に行ったんですけど、結構ウキウキしたんですよ。
作業着って言っても、工場なんかのおとなしいやつじゃなくて、ディッキーズとかのちょっとカッコイイやつ。コレ着て仕事してたら、なんかウキウキするよなー、って。
これ、営業時代にはなかったです。営業のための服とかって見てても、全くウキウキしない。
僕の個人的な好みかもしれませんけど。
それでも、営業の服って、お客さんから好感を持たれそうな、要は相手に気に入られるための服を探します。
作業着は完全に自分の好みで良い。
自分が好きな服を着れるって良いです。

朝早く家を出て、一日体を動かして、途中、お茶休憩して、六時には終わって、七時過ぎには家で家族みんなでご飯を食べる。

それに棟梁が良い人で、こういう大工さんになれたら良いなって思ったのも大きいです。

要は、自分が生きたいように生きようと思って、大工さんになることにしたわけです。

ハードル1  職人さんの世界って厳しい、怖い?


とはいえ、36歳からいきなり職人さんをするっていうのは結構ハードルがあります。
夢とロマンだけでやるには、いろいろ難しい。

まず、職人さんの世界は基本的に厳しいです。

他の仕事なんかと違って、職人さんの世界というのは大体のところが個人事業主です。
普通の会社みたいにマニュアルが決まっていたり、社員研修がありません。

見て盗め。
だから、見習い。
昔はこのスタイルしかなかったようです。
今もそのスタイルのところもあるでしょう。

この辺はどういう大工さんの元で働かせてもらうかによってもかなり変わるでしょう。

僕が働かせてもらうところは、見て覚えろじゃなくて、きちんと教えるからその辺は安心してと言ってもらっています。
ありがたい。

とは言え、やはり職人の仕事はマニュアルもないし、口で伝えにくい部分も多いでしょうから、そこは頑張っていかなくちゃいけません。

あとは職人さんは基本的に怖い人も多いです。
体育会系というか、まあ、それこそガテン系です。
僕は全くガテンじゃないので、ガテンガテンしてるところは正直つらい。

働かせてもらうところの大工さんたちはみんな良い人なので安心です。

結局は、職人さんをするにしても、サラリーマンするにしても、
どういう人の元で働かせてもらうか、教えてもらうかっていうのが大事です。

ハードル2 お金のこと


お金については実は1番悩みました。
当たり前ですが、見習いだから給料は安いです。
それこそ、高卒の子と同じです。
そりゃ、しばらくは全く戦力にならないどころか、教える手間なんか考えるとマイナス、むしろ授業料払っても良いくらいでしょう。

36歳。妻も子どももいるので、お金のことは悩みました。

一人前になっても、大工さんってそんなに儲かるかというと、案外そんなこともない。
その辺は住宅会社の営業をしていたので分かります。

しかも、怪我のリスクなんかもある。

そんなわけで、日本全国的に大工さんっていうのは人手不足です。

老後二千万円問題を考えなくて良い?


ただ、収入の面に関しては、僕はちょっと別の見方をすることにしました。

目先の年収じゃなくて、生涯年収で考えよう、と。

大工さんには定年退職がありません。
元気で体が動く限りは働けます。

つまり、普通だと老後二千万円問題があるけど、老後も働けるので、その問題がない。
老後で体力が落ちてしんどくなったとしても、仕事量を抑えて年収二百万円ほどでも十年働けば二千万円というわけです。

怪我には気を付けないといけませんが、日々規則正しく生活して、体を動かしているから、健康にも良さそう。
元気に自分の技術に誇りを持って働き続けられる老後。

ね、良いでしょ。笑

実際に、知ってる大工さんでも結構おじいちゃんの大工さんも多いです。
ちなみに大工さんは若いなり手がいなくて、高齢化の問題もあります。

そう考えていくと、老後に定年退職ながなくて長く働けるというのはかなり強いわけです。

さらにサラリーマンじゃなくて、職人さんというのは個人事業主だからある程度自分で仕事量をコントロールすることも出来ます。
もちろん、住宅会社なんかから仕事をもらうことになるわけだから、完全に自由になるわけではありません。
それでも、腕と経験があれば、その辺はやっぱり強いでしょう。

とはいえ、やっぱり当面の収入は正直つらいところもあります。
そこは妻に頭を下げて稼いでもらうことにしました。笑

でも、給料が安いとは言ったって、夫婦が二人で働けば、贅沢さえしなければ問題なく生きていけますから。
みんな貯金がしたいから、収入が高い方が良いと思うのですが、その点は定年退職がないというところでカバーしよう、と。
そして、定年退職しなくても、楽しく続けられる、誇りを持ってやっていける仕事。

見方を変えると、お金についても悪くないわけです。

まあ、年金とか保険とか、有給とか、いろいろサラリーマンの方が良いことも多いのも事実ではあります。

男はバリバリ働いて稼がなくちゃいけない?
別にそんなことはなくて、妻に頭を下げてお願いするって大事なことだなと、思います。

YouTubeとLINEの時代で一次産業は強くなる?


さらに、大工さんが自分で直接営業やマーケティング出来れば、大工さんっていうのは強いと思います。

今の時代、YouTubeとLINEを使いこなせれば、集客、マーケティングは出来ます。
別に莫大な広告費とかも必要ないです。
特に文章がそれなりに書ける人なら、構成や人への伝え方なんかは分かるでしょうから、案外この辺りは難しくありません。

さらにAIの進歩もあるので、10年もすれば、ある程度のことは自動化出来るでしょう。

コンテンツを作って、配信して、AIで受付や簡単な質問、家の大体の金額のことや、住宅ローンについての質問なんかに答えるところまで組めれば、あとは本当に家を建てたい人だけ直接の打ち合わせの予約をしてもらえば、家は作っていけるわけです。
大工さんの仕事をしながら、日曜に打ち合わせのある日もある。
ちょっとハードワークな時もありそうですが。
まあ、どうしてもしんどい時は断っても良いでしょうし、大工仲間に応援を頼んでも良いでしょう。

これは大工さんに限らず、農業なんかの一次産業など全般的に言えると思います。
LINEとYouTubeとAIがあれば、直売ってかなりしやすいと思います。

一般的には大工さんは、工務店だったり住宅会社なんかから下請けみたいな形で仕事をもらうのですが、住宅会社だったり工務店っていうのは結構な利益を持っていきます。
僕も営業時代はちょっと良い暮らしさせてもらいました。

昔はそういう中間マージンって必要な部分でしたが、徐々にそういうのって、なくなっていくんじゃないかと思います。

ああ、うそです。
集客なんかのマーケティングから営業、設計、工事、全部出来る人は少ないから、やっぱりそういうのは増えないかなと思います。
普通は営業から大工さんになる人はいませんから。
ちなみに、大工さんから営業になる人はたまにいるんですけどね。

でも、部分的には中間の仕事って徐々に減っていくんじゃないかなと僕は思っています。

良い面も多いとはいえ、やっぱり大変そうだけどがんばります

はい。今回はとりあえずの初心でした。
大工さん見習い日記、ちょくちょく書いていこうと思います。

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