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【ブッダ】ことば 『感興のことば(ウダーナヴァルガ)』

感興のことば(ウダーナヴァルガ)

第8章 ことば

 いつわりを語る人は地獄に堕ちる。また
 この世で自分が言ったのとは異なった行ないをなす人も地獄に堕ちる。
 この両者は死後にひとしくなると説かれている、
 ――来世ではともに下劣な業をもった人々なのであるから。

 人が生れたときには、実に口の中に斧が生じている。
 ひとは悪口を語って、その斧によって自分自身を斬るのである。

 毀るべき人々を誉め、また誉むべき人々を毀る者
 ――かれは口によって悪運をかさね、
 その悪運のゆえに幸せを受けることができない。

 この世で賭博に負けて財を失う人でも、その不運は僅かなものである。
 しかしこの世で
 完全に達した人々(聖者たち)に対して悪意をいだく人の罪(不運)は、
 まことに重いのである。
 悪口をいい、また悪意をいだいて聖者を毀る者は、
 十万のニラルブダ地獄と三十六と五千のアルブダ地獄とにおもむく。

 悪い心のある人々は実に嘘を言う。
 つねに地獄(の苦しみ)を増して、おのれを傷ける。
 欠点の無い力のある人は、心の混濁を除いて、(すべてを)忍ぶ。

 愚かにも、悪しき見解にしたがって、
 真理に従って生きる真人・聖者たちの教を罵るならば、
 その人には悪い報いが熟する。
 ――棘のある芦はのびて節が熟すると
 自分自身が滅びてしまうようなものである。

 善いことばを口に出せ。
 悪いことばを口に出すな。
 善いことばを口に出したほうが良い。
 悪いことばを口に出すと、悩みをもたらす。

 すでに(他人が)悪いことばを発したならば、
 (言い返すために)それをさらに口にするな。
 (同じような悪口を)口にするならば悩まされる。
 聖者はこのように悪いことばを発することはない。
 愚かな者どもが(悪いことばを)発するからである。

10 口をつつしみ、ゆっくりと語り、
 心が浮わつかないで、事がらと真理とを説く修行僧
 ――かれの説くところはやさしく甘美である。

11 善い教えは最上のものである、と聖者は説く。
 (これが第一である)。
 理法を語れ。理法にかなわぬことを語るな。
 これが第二である。
 好ましいことばを語れ。好ましからぬことばを語るな。
 これが第三である。
 真実を語れ、虚偽を語るな。
 これが第四である。

12 自分を苦しめず、また他人を害しないようなことばのみを語れ。
 これこそ実に善く説かれたことばなのである。

13 好ましいことばのみを語れ。
 そのことばは人々に歓び迎えられる。
 つねに好ましいことばのみを語っているならば、
 それによって(ひとの)悪(意)を身に受けることがない。

14 真実のことばは不滅であるはずである。
 実に真実のことばは最上である。
 かれらは、真実すなわちことがらと理法の上に安立したことばを語る。

15 安らぎに達するために、苦しみを終滅させるために、
 仏の説きたまうたおだやかなことばは、
 実に善く説かれたことばである。

  以上第8章 ことば


こちらの内容は、

『ブッダの 真理のことば 感興のことば』

発行所 株式会社岩波書店
訳者 中村 元
1978年1月17日 第1刷発行

を引用させて頂いています。




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