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('77) The Jam / In The City

ロンドン・パンクが呻りを上げた1977年、ピストルズやクラッシュらに続いてポール・ウェラー率いるザ・ジャムは登場した。

当時まだ19歳にも満たないポール・ウェラーを中心とした彼らの初期衝動と、早くも漂う風格。パンクのエネルギーを借りながら、ザ・フー譲りのモッズ精神とモータウン直系の艶やかさとスウィートさがあり、良質なブリティッシュ・ロックの継承者となりえるだけのセンスと実力を持っていたことがわかる。

パンク・スタイルだらけの当時、細身のスーツでびしっと決めていたジャムだが、そのモッズとしての洒脱さと洗練された知性は後の英国ロックへの影響も大きかった。彼らの中でも最もパンク的なこのデビュー作でさえ、伝統の普遍のメロディが宿り、UKロックの王道を貫いている。


ポール・ウェラーはもちろん大好きだけど、パンク時代の初期ジャムも最高。

ってか、’77年のロンドン・パンク革命において、いわゆるパンクスって、ピストルズとダムドくらいなのかな(異論はあるだろうが)。ジャムはモッズだし、クラッシュはもっと多様性があるし(姿勢は一番パンクだと思うけど)、ストラングラーズはニューウェーヴのはしりだし、ポリスに至ってはパンクのフリして乗っかっただけだし、、、。でも、70年代を通じて肥大化していった旧態依然としたロックに対するカウンター/アンチテーゼとして、それぞれが自分たちの信じる音楽を追求したことこそが革命だったのだろう。

その中でも”英国”を前提としたジャムがいちばんピュアにブリティッシュ・ロックを鳴らしていたのは当然か。蒼さの中に確固たる信念と才能が光る。

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