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Elvis Costello and the Attractions / Armed Forces (1979)

エルヴィス・コステロのサード・アルバムは、バック・バンドのジ・アトラクションズと組んで2作目のアルバム。プロデューサーはニック・ロウ。
アメリカの音楽市場を意識し、前作までの”遅れてきた”パンク路線から、キャッチーでラジオ・フレンドリーなポップ・ロック路線へとシフトし、意図通りに初の全米チャート10位を達成(全英は2位)。

スティーヴ・ナイーヴのキーボードが印象的なバンド・サウンドはニュー・ウェイヴの時代とも共鳴しつつ、コステロ印の捻りの効いたメロディが生む瑞々しいポップさと弾けるリズム、皮肉めいた辛辣な詞(アルバム・カヴァーの猛々しい象の群れは集団の抑圧の息苦しさへの皮肉を象徴している)がわかりやすい形で開花。
ポップなシンガー・ソングライターとして新章を刻んだ、これぞコステロの真骨頂といえる傑作。

1979年、パンクからニュー・ウェイヴへと時流が移る中、ブリティッシュ・ロックの真髄を捉えた本作は、時代やジャンルに左右されない普遍の価値を宿している。


諧謔的で気品と気骨溢れる英国庶民のヒーロー、エルヴィス・コステロの初期の最高傑作(の一つ)。
アメリカ盤ではオミットされた"Sunday's Best"をはじめ、キンクスから受け継ぎブラーへと引き継いだ英国音楽の”粋”が嬉しい。そしてメロディの素晴らしさもさらに嬉しい。大好物です。

仕事始めという名の社会復帰へのリハビリを経て、3連休で再び休暇へと舞い戻ってきた。
今年もまた音楽語りをだらだらと垂れ流そう。
雪が降りしきる分厚い雲の合間から日光が差し込んでくる。

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