12万字分の「人気ビジネス系記事」を分析してわかった、6つのタイトル傾向とインサイト

どうも、あべんがるです。

実は学生時代にサッカー系キュレーションメディアで記事を書いていたこともあり、ビジネス系ライティングに挑戦したいなと思っておりました。テーマやターゲットはなんとなく決まっているのですが、せっかく書くからには読んでもらえるようになりたい!
ということで、以前から高須賀さんの影響で読んでいたBook&Appsさんの記事を50記事分読み、「読まれるビジネス系記事の傾向」なるものを分析してみました。彼を知り己を知れば百戦殆うからず。

▼読者は「何」を求めてビジネス記事を読むのか?

定量的な分析もしたのですが(タイトルの長さとか本文に含まれるブロックの数とか…)個人的に一番面白いなあと感じたところに、今回はフォーカスすることにします。

そもそも、何を求めて記事を読むのよ?

まとめサイトやソシャゲではなく、わざわざ貴重な時間を割いて記事を読むからには、なんらかの知りたい情報があるはず…!内容はおそらく人それぞれ変わってくるとして、今回はその構造に注目してみました。
自分もビジネス系の記事は比較的よく読むほうなのですが、内省してみたところで、「う~ん、なんか目下の仕事の悩みを解決してくれそうな記事は開いちゃうなぁ」「あと共感しちゃうタイトルは、割と開くな」レベルの実感しかえられなかったので、やっぱり頼るべきはデータです。

ということで、
タイトルに含まれる疑問詞タイトルと本文の関係を中心に分析したところ、ビジネス系記事(およびそのタイトル)は、だいたい以下の6つの類型に分類できることが判明。わお。

・タイトル結論型
・AとBの違い型
・what型
・how型
・why型
・コンテンツ自体が強すぎ型

次項から、一個一個の類型について書いていきます。

■タイトル結論型

まずは例をあげましょう。


知識レベルに格差がありすぎると「普通に話しているだけ」なのに相手にとっては「バカにされている」ように感じる
部下に仕事をきっちり遂行させる上司は、精神論ではなく、方法論に時間を使う。


こういった系統のタイトルの記事を、「タイトル結論型」と名付けることにしました。読んで字のごとく、タイトルで結論が出てしまっている、あるいは情報の欠如がなく、完結してしまっています。

このタイトルを目にしたときの読者の反応は2タイプありそうだなと個人的に考えていて、1つ目は「うんうんわかるわかる僕もそう思ってたんだ」という共感型自分の持っている考えを確認・補強するために記事を読むと思われます。
2つ目は、「で?」というSo what型。あまりにタイトルの情報の完結性が高すぎる故に、逆にさらなる情報を求めたくなり、思わず記事をクリックしてしまう結果になりそう。僕もたまにあります。

■AとBの違い型

これはみなさん、いろんなところで見たことがあるのでは。

「努力する人」と「努力できない人」の6つの大きなちがい
任せるのが上手な上司と、任せるのがへたな上司。何が違うのか。

こういったたぐいのやつです。全50記事のうち25%近くが、このパターンのタイトルでした。
とはいえ、純粋に「ちがい」が気になるだけの人は少ない気がしていて、この手のタイトルに惹かれる人は以下のどちらかに分類できるのではないかなと。

①自分は「任せるのがへたな上司」だという意識があり、それを改善するために手がかりを求めている
②「やっぱ自分は努力する人だわ~」と自尊心を満たしたい、あるいはマウンティングに使いたい

※上の記事タイトルを例に。

「ちがい」を強調するようなタイトルにしておくことで、両タイプの読者の注意を引くことができる、というのがAとBの違い型のメリットでしょう。
たとえば、「努力する人」になるための3つの方法とは?というタイトルでは②タイプの人には刺さらないだろうし、任せるのがうまい上司とは、方法論を提示できる上司であるといったタイトルでは①のタイプの人ははあまり読まないのではないかと。



次から紹介する3タイプは似ていて、「タイトルで欠如している情報を本文を読むことで手に入れることができる」という構造になっています。一時期まとめブログで流行った、〇〇した結果wwwwというタイトルを思い浮かべていただければわかるでしょうか。
課題を抱えている系読者に向けた記事には最適のタイトルとなります。僕もよく、課題に感じているリーダー論やマネジメント周りのの記事にはお世話になってます。

■what型

尊敬する上司に教えてもらった、「仕事を任されたら何をすべきか」8箇条
「今すぐやる」を可能にする考え方と技術について。
タイトルに「何」という言葉が含まれているものもあれば、〇〇についてとテーマを掲げるパターンもありますが、いずれにせよ読者のインサイトは「それは何?」です。全体の25%を占めるテッパンパターン。

■how型

50歳以上しか採用しない会社の社長が言った、「人生の変え方」
書籍では比較的多いタイトルですが、記事タイトルとしてはあまり見受けられませんでした(2/50記事!)ここまで書いてて思いましたが、これはwhat型の亜種ともとらえられますね。(「人生の変え方」→「それは何?」)

■why型

転職の多い人を採用したいという経営者。一体なぜだろうか。
なぜ「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」のほうが圧倒的に重要なのか、ようやくわかった。
数としてはwhat型と同数見受けられたものの、いざ書くとなるとなかなか難易度が高そうなのが、このwhy型。というのも、「みんなが疑問に思っていることへの解答」or「一見常識に反しているが、興味深い疑問」のどちらかを持っていないと、成りたたないタイトルだから!
「なぜ弁当はカロリーが高いのか?」「朝の電車が混むのはなぜ?」
といったタイトルの記事は、いかに本文の内容が優れていようとCTRが低いことが予想されますな。

■コンテンツ自体が強すぎ型

アフリカの村で70万円盗まれたら、いつの間にかあたり一帯がバブルにわいていた。
夏休みの宿題進捗管理をIT化したら子供が凄くやる気出した話

こんなの、絶対読むじゃん。
まさにタイトル一本釣りなのが、この類型(勿論、内容も面白いですよ!) とにかく面白いものを求めている、コンテンツに飢えた現代人向けのタイトルですが、他の人にマネできないような体験・経験を持っている猛者のみが許される、ある意味最強の類型です。理屈を超えて、本能に読ませたいと思わせたら勝ち。

さて、いかがだったでしょうか?
実際に記事を書く、という観点からすると、AとBの違い型・what型のどちらかが書きやすいかもしれませんね。というわけでこの記事のタイトルもwhat型にしてあるわけです。

少しでもライティングに興味のあるみなさまの参考になっていれば、これほど嬉しいことはありません。


P.S.
「スキする人」と「スキしない人」一体何が違うのか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?