とんでもない。小説だった。
子供を殺された先生の復讐、
それにまつわる関係者の語り
開かされていく事実。

その中で、日本の社会構造における問題。
子供が親の所有物になって、子供は親にどんどんと個性を殺され、縛られって言って、歪んだ感情生み出していくのがリアルだった。

母親が自分のことを優しい優しいと言うが、特段優しいことをしているわけではないことに違和感を感じ、惨めに思うようになって行く姿は、過去の自分とも当てはまるところがあった。
結局私は実の母とは全く絶縁状態になっており、
殺しはせずとも憎む事は最終的には非常に多かった。

今は友達がどんどん親になっていくのを傍で見ているためか、子供の教育について考えることがある。(いないのに)
苦労して育てたんだから、親の理想に近づくように仕向けたくなるのもわかるが、
子供たちの考え、個性ややりたいことは尊重すべきなんだなぁと難しい問題ではあるが感じた。

日本の社会は受験戦争や新卒一括採用で人生の大半が決まると言われてる。
いわゆるレールというものがあり、子供たちを絶対にそのレールの上で幸せに安全に過ごしてほしいと言う願いを直接的に理想をあてがってしまう。
そりゃそう。第一に幸せになって欲しいもの。
でも子供たちが自分で考える余地を作りながら道を示していく形ができることならそれが理想なんだなと思う。
失敗を繰り返して自分のことを知りながら生きていくことが人生じゃない？

近年自分で考えることができない若い子が多い。
自分で考えることをよく思わない環境のせいだと思う。社会に放り出されてから若い子たちが自分で考えることができなくなって困ったり、
大人達との会話が成り立たないと感じる瞬間がある。

社会に放り出されるまでこういうことをしなさい。
こうなってはダメだ。
これが理想だと言うことを掲げられ、個性を封印して、それに頑張ってきたのに、
いきなり社会に放り出されて、自分で考えろと言われてもできるわけがないよなと思う。

自分の好きなものがわからないと言う若い子もいるらしい。
本当に好きなものを言うと、親に強制されたり、周りの人間たちに何を言われるかわからないかために、本当の気持ちを封印して、周りに合わせて過ごしているとそうなるんじゃないかなと感じる

ここ最近自分がモヤモヤ考えている社会問題、日本に蔓延る社会問題について、猟奇的な復讐と言うストーリーの中に散りばめられていて、とても考えさせられる。そして没入できる作品であった。