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起業家が知るべき、株式投資型クラウドファンディングの課題とは?

前回は、株式投資型クラウドファンディングに参入するイークラウドを創業した経緯や、株式投資型クラウドファンディングに向いている事業についてまとめさせて頂きました。

今回は、資金調達手段の中でも株式投資型クラウドファンディング特有の課題について整理し、イークラウドがどのように課題にアプローチしているのかまとめました。

初めての方へ:
株式投資型クラウドファンディングとは、インターネットを通じて、多くの方から少額ずつ資金を集めるための手段です。日本の法律では、起業家は1社あたり年間1億円未満の調達、投資家は1社につき50万円を上限として出資することができます。

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■1億円を調達≒50万円×株主200人

株式投資型クラウドファンディングで、最大額となる1億円を資金調達しようとした際には、1人当たり50万円上限で出資してもらった場合でも200人が株主となります(厳密には1億円未満の調達が可能ですので、このケースでは199人が上限となりますが、ここでは簡便にするために200人として今回のモデルケースとします。)。

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仮に時価総額を増資前(Pre Value)で4億円、増資後(Post Value)で5億円の時価総額で20%を株式投資型クラウドファンディングで割り当てて増資した場合、1人ひとりの株主のシェアは50万円/5億円=0.1%となります。株主の人数は増えますが、1人ひとりは少数株主ということになります。

株式投資型クラウドファンディングに限らず、非上場企業において株主が増えると、対処すべき課題が3つ発生します。ここでは、これらの課題とその対処方法について説明します。

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■課題1.上場審査上で問題になる株主が紛れ込む?

株主が増えると、その中に上場審査等に影響する属性の株主が紛れ込むリスクがあがります。大手の金融機関は慎重に株主の確認を行います。その結果、株主が多い案件では意図せず株主が審査で問題になり、融資や増資を断られる事例が実際に発生しています。

イークラウドでは民間の専門業者との連携に加え、大和証券グループと連携して株主の属性確認をしっかりと行っており、株主に紛れ込むリスクへの対応を行い、この課題への解決策をご提供できるように準備しております。

■課題2.会社運営上の手続きが煩雑になるリスク

会社を運営する上で、年に1回は株主総会(定時株主総会)を開催する必要があります。また、株主の権利に影響を及ぼす重要な事項については、臨時で株主総会を開催し、定時株主総会を待たずに株主合意の下に会社を前に進める必要性もでてきます。会社法の原則は実際の総会の開催、書面を原則としており、電子招集や決議などは少数株主を保護するために例外的な手続きとされています。

イークラウドではプラットフォーマーとして、少数株主の権利を守りつつ、会社経営者も支援するために、オンラインの仕組みを提供し、この課題を解決することとしております。

■課題3.株主間契約が締結できないリスク

会社法、定款で定める以外の会社経営に関する条件は株主間の契約で取り決められることがあります。ベンチャーキャピタルの投資実務では、少数株主であるベンチャーキャピタルが取締役を派遣をしたり、重要事項に対する拒否権を持つことがあります。また、企業買収(M&A)の意向が発生した場合に備え、100%の株式を買収したいという買い手が多いことに配慮して、一定の条件を満たしていれば全員が強制的に売却することとし、一部の株主が売却を拒否して破談にすることができないなどの取り決めをすることがあります。

株式投資型クラウドファンディングで、200人の一般投資家が株主になることを想定していますが、経営者や今後の出資者が株主間契約を締結したいとなった場合、200人の株主を一つの契約書にまとめて株主間契約を締結するのは実務上不可能に近くおすすめできません。

イークラウドでは、プラットフォームを通じで株主になっていただく過程で、電子契約を締結することで株主間の合意を担保する仕組みを検討しており、この課題を解決することとしております。

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■まとめ

上記で解説したとおり、株式投資型クラウドファンディングはモデルケースでは、200名が株主になることから明確な課題がありますが、イークラウドは株式投資型クラウドファンディングのエコシステムの関係者と知恵を絞って課題に対する解決策を考案してきました。

株式投資型クラウドファンディングはまだまだ黎明期の資金調達方法です。これからも、ベンチャー企業の成長を目指し、同業者やエコシステムの関係者と知恵を絞って業界のスタンダードとなるような解決策を考案して行きたいと思います

株式投資型クラウドファンディングを活用した資金調達についてもっと詳しく聞きたい起業家(起業準備中)の方は、Twitter問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。イークラウドでは一緒に働く仲間も募集しています。

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