お正月休みは「BL1人駅伝」と称して
ひたすら漫画に没頭していた。


TVのお正月番組は、地震関連の特番に切り替わっていたし、
電子書籍サイトはここぞとばかりに年末年始の値引きクーポンを出していて「今読まずにいつ読むねん」状態。

楽しみにしていた新作や、完結するまで待って一気に読みたかった作品、買ったつもりでいたけど何処にいったか分からなくなった名作、、、などなど。

作品がアタリだった時は、作者買いでどんどん買い足していく。
悪い癖だが、お正月なのでヨシとした。

で、テレビを消して全集中。腐ノ型。(古)

第1区間から一気に飛ばす。

楽しい。
楽しすぎる。

仕事でもこんなに集中したことはない。

気がつけば、約７時間半読みっぱなしだった。

ちょっと休憩しよか。

何の気なしにSNSを開いた。

「な、ん、や、こ、れ」

溢れかえる怪しい震災情報。

わかりやすい嘘にそれっぽい嘘、たまにちょこっと事実、そんでもってまた嘘。

過去から得た教訓を完全に忘れきったかの様なデマと、語気強めなチクチク言葉。

痴呆か？

あん時のこともう忘れたんか？

勝手に覗いといて勝手に憂鬱になるのもどうかと思うが、BLに浸かって最高にホカホカしてたのに、
すっかり冷めてしまった。

◆

私たちは「年中どこかが被災地」と言われている日本人で、言葉は悪いが天災のプロだ。

勿論なりたくてなった訳じゃない。


地震に津波、台風、大雨、土砂崩れ。
天災ではないけど、たまにミサイルも飛んでくる。

加えて今回は飛行機事故だ。

しかも正月に。

自然災害が故に怒りの矛先が見当たらないことにも腹が立つが、とりあえず「空気読めや正月やぞ！」と言いたくなる。

（飛行機事故はもしかしたら人災なのかも知れんが、そもそも地震がなければこんな事にはなっていない）

しかし、物理的にも精神的にもノウハウを持った
プロであるはずの私たちが、何故またSNS上では「こんなこと」になってるのだろう？

やるべきことは分かっているはずなのに。

うんざりしながらタイムラインを眺めていたら、
とあるBL漫画家さんの言葉に目が止まった。

「こんな時にエンタメ産業の人間にできることは少ないが、こんな時のための産業でもあると思う。
粛々とできる支援をして、面白い漫画を描くよ。」

宣戦布告だ。

そう思った。

天災くん、そっちが空気読まへんのなら、
こっちもやらしてもらうやで。

ほんまは絶対そんな意味で書かれたのではないと思うが、10万イイネ押したくなった。

それくらい、気概を感じたのだ。

よく見てみると、他にも被災地にお見舞いの言葉を添えながら「普段通りエンタメを楽しもう！」と
イラストや漫画をあげている作家さんが沢山いた。

東日本大震災の時とは比較にならないタイミングの早さだ。

作中の約８割がドスケベシーンな作家さんも、
正月からの売上を寄付に回すと宣言していた。

ドスケベなのに。

好きな作家さん達の綺麗で優しい絵を見ていると、さっきまでのモヤモヤした気分がほぐれていくのが分かる。

単純といえば単純だが、デマを流したりする輩がいる一方で「少しでも気が紛れるように」と、
出来る範囲でサポートしてくれる人達がいる。
その事が嬉しくて、気持ちが軽くなった。

過去の天災で、やれ不謹慎だの非常識だの言われてきたエンタメ産業。
なにも、はしゃげと言っているわけではない。

寄付をする、憂う、寄り添う、祈る。

いま外野の人間にできることは、
これくらいしかない。

一緒になって落ち込んでいては、
それすら難しいだろう。

SNSではデマが横行したり、以前と同じことが繰り返されているように見えた。

でも、あの頃自粛することしか術を知らなかった私たちは、確実にまたプロとして腕を上げている。

ひとつずつ、少しずつ、進化しているのだ。

なので、ワシは普段通りに飯を食って働いて、
出来る範囲で寄付を続ける。

気分が落ち込んだらエンタメの力を借り、
過去から学び知恵をつけ、健全でまっとうな精神で被災地を思う。

これが、今年の抱負だ。

◆

すでに履修済みかとは思いますが、せっかくなので「とあるBL漫画家さん」の作品をご紹介させてください♡（以下敬称略）

「はじめて、はじめました」　暮田マキネ
＊商業番外編も出てます。

諸般の事情で電子から引き上げた作品もありますが、どれも「可愛い」が溢れてニヤニヤが止まりません！表情筋が餅になります。

「冥婚の花嫁」　 五梅 えるこ　

ドスケベ作品はこちら。
ワシはこれで泣きました。ドスケベなのに（再）

「猫、愛を知る」　阿部あかね

何度も読んでるくせに「BL駅伝」花の２区に配した作品。昨年ワシの「オス(雄)カー賞」を受賞した詩郎を、ただただ見て欲しくて貼りました。続編「猫、恋に焦がれる」もたまらんです。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

この度の地震で被災された方々にお見舞い申しあげます。一刻も早く暖かい場所で、ご家族揃って安心して過ごせますよう祈っています。