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楽しいひなまつり♪言い伝えを信じてしまったばかりに冷めた気持ちになったオルゴールの調べ

ひなまつりの想い出です。
我が家にあったのはガラスのショーケースに入った
お内裏様とお雛様だけの飾りびなでした。
たしか、祖母が買ってくれたのだと思います。
大きさは長さ1m×高さ30㎝×奥行30㎝くらいのものでした。

豪華な着物を着た
スッとした表情の
薄ーい顔立ちのお雛様です。

ガラスケースの下の方にオルゴールを奏でるための
金色のつまみが付いています

そのつまみを回すと…

「♪明かりをつけましょぼんぼりにー…♪」

と、ひなまつりの曲が流れてくるのでした。


毎年、和室の床の間に飾るのは母の役目でした
子どもの頃はそのオルゴールの調べと一緒に
可愛らしく
楽しく
歌っていました(きっと)

しかし、大人になるにつれ
歌うこともなく
「あっ、ひな人形だ…」
と冷めた気持ちになりました

理由は、
ひな人形の片づけが遅れると、婚期も遅れる
という有名な言い伝えがあるからです

そんなの関係ねー
と思っていても妙に気になってしまいました

せっかく母が飾ってくれたひな人形を
少しは鑑賞しようかと
和室の床の間に行き、オルゴールのつまみを回します

最初は勢いよく奏でるひなまつりの曲ですが
オルゴールですからだんだんとスピードが遅くなり
スローバラードを通り越して
失恋ソングのようになってしまいます

仕事から帰宅後、真っ暗な和室に
ぼんぼりにだけポツンと明かりがつき
失恋ソングのような超スローなひなまつりが聞こえてくる

物悲しい情景でした…

これも昔の人の知恵だと知ったのはしばらく経ってからです
厄を引き受けてくれるお人形を大切にしましょうね!
ということなんですよね

そのうち母もひな人形を飾らなくなってしまいました
誰もそのことに触れなくなってしまいました

えっ?今、あのひな人形はどこに行ったのかしら?

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