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ラッフルズホテルで見かけた彼女みたいに、ほほ笑みながら本を読みたい

私が素敵なお店でお茶をしながら本を読むのが好きなのは
シンガポールのラッフルズホテルのカフェで
ほほ笑みながら本を読んでいる女性に憧れたからです。

むかしむかしのお話です。

◇   ◇    ◇

私は、海外旅行に行ったことが転機となり
海外旅行の仕事をすることになりました。

私の仕事は普段はカウンターに座り
来店客にパッケージツアーを販売していました。

私がいた販売部門とは別に営業部門がありました。
営業の人は自分が担当した団体旅行の
添乗員をするまでが仕事でした。

ところが繁忙期になるとあっちもこっちもの
添乗は難しかったのです。

そこで、カウンター勤務の私に仕事がまわってくることになります。

特に、湿度が高いシンガポールは
「汗かき上司」にとっては苦手な国でした(笑)

「シンガポールに添乗行かない?」と添乗の話を持ち掛けられると
「喜んで!」と即答したことを覚えています。

◇   ◇    ◇

ラッフルズホテルに泊まったことはありません。
ですが、一度は行ってみたい場所でした。

添乗業務はそのツアーの内容にもよりますが
「自由行動の日」があるのはラッキーDayです。
オプショナルツアーに参加するお客様を早朝に
「いってらっしゃーい!」と送り出すと
後は添乗員もある程度、自由時間があったのです。

私はラッフルズホテルの建物や内装を楽しんだり
ホテルの中のお土産やさんで買い物をしました。
そして、最後にホテルのカフェで休憩することにしたのです。

店内はそれほど混んでなく、すんなり席に通されました。
席について注文を終えると、私の視界に入ってきたのは
20代くらいの髪の長い女性が一人で本を読んでいる姿でした。
私よりも少しお姉さんといった感じです。

白っぽいワンピースを着てほほ笑みながら本を読む姿は
上品さと可愛らしさが同居している素敵な光景でした。
柔和、品、清潔感、知的、無邪気、こんな形容詞がぴったりきます。

私は彼女に魅了されてしまいました。
ものすごく楽しそうに本を読んでいる光景は
こちらも気分が良くなるのです。

私もあんな風にほほ笑みながらカフェで本読みたい
というか
本を読もう!と決心したのでした。

◇   ◇    ◇

あれから○○年
最近ではそのことをすっかり忘れていました。

時々、いろいろなところでお茶しながら本を読みますが
しかめっ面や眉間にしわを寄せながら本を読んでいたかもしれない
と反省します。

また今日から改心しよう
彼女みたいにほほ笑みながら本を読みたい

そして、ラッフルズホテルにまた行ってみたい。

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