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トゥーンバ オーストラリア

東海岸南下編(5)
どこだよそれ。イギリスな田舎町。フレンドリーな人とやばい人の差が激しい。


1日目

来たぜ大都会

 Brisbane。英語だとブリズベンに近い発音だと思うけど、日本語だとブリスベンになるんよな。紛らわしすぎる。
 
 バスの隣の席に誰も座ってなかったので、かなり窮屈ではあったが横になれたのでありがたい。昨日、寝る前に歯磨きもせず、甘い飲み物を飲んだせいかなんだか奥歯が痛いような気がする。まあとりあえず気にしない。根性。

 午前5時。バスの窓の外に街並みがうっすら見える。「うわ、もう着いたのかよ、もうちょい寝たいんやけど」できるだけ移動時間は短い方が良いが、早朝に着くのは正直しんどい。川沿いには高層ビル群が並び、高架道路がその合間を縫っている光景が目に入る。これまで見てきたオーストラリアとは異世界すぎる。ビジネス街に入り、道路の両脇にはビルが聳り立つ。「間も無くブリスベン、忘れ物ないように降りる準備をしてください」とアナウンスが流れる。

 バスターミナルは、ローマストリート駅というブリスベンのメイン駅の真裏。ホームが幾重にも並び、電車が次々と行き交う様子が目に入る。電車の音やホームアナウンスといった駅って感じの音が懐かしい。外の空気はかなり冷たく、日本の11月の早朝を思い出すようなキリッとした爽快な冷え込み。

ケアンズだと29℃とかだったのに(涙)
ローマストリート駅① ホームのデカさと忙しなさが都会っぽい
ローマストリート駅② 
ローマストリート駅③ 駅構内を通って大通りへ

 トゥーンバ行きのバスは午前7時発なので2時間ほど待たないといけない。そもそもトゥーンバに行くか、それとも今日はブリスベンに留まるか、まだ煮え切らない。
 
 駅の出口、道路を渡った反対側に開いてるカフェがあるので、そこでとりあえずコーヒーでも飲みながら考えることにした。朝5時から開いてるらしい。オーストラリアのカフェは、早朝から開いているところが多い。その代わり昼はほとんどが午後2時くらいには閉まる。作業したい時とかカフェ行きたいんだが、夕方以降開いてるところがほぼないのは結構きつい。大都会はあるかもしれないが、中規模の都市とかだと絶望的だ。まあカフェに行かなければ節約になるし、何より朝早くから行動しとけっていうオーストラリアの思召やと思おう・・・。

 暖かいコーヒーが身体に沁みるわ。こんな朝早い時間でも結構人がいる。仕事の前の一杯って感じ。新聞を小脇に抱えたおじさんや、スーツをかっちり着たビジネスマン、バックパックを背負った若いバックパッカーなど色んな人たちがやってくる。特に、スーツを着ている人たちをこれまでほとんど見かけなかったので、オーストラリアではスーツなんて着ないのかと思っていたが、そんなことはなかった。一つを知って全部知った気になるのは怖いなと思う。一斑全豹というらしい。(もちろんこんな言葉は知らなかった。ググってみたら出てきただけ(笑))
 
 通りも明るくなるにつれ、だんだんと賑やかになってくる。コーヒーを淹れる音や客の雑談、外の車やテレビから流れる音、そんなのが一緒くたになったBGMが謎に心地良い(笑)。なんとなく夜行バスや18切符で日本を移動していた頃が思い出されてエモい。

あったかい
なんとなく大学時代にしていたような旅を思い出す

 そんなこんなで、結局トゥーンバに向かうことに決めた。駅構内を抜けバスターミナルに戻ろう。ブリズベンを廻ってみたい気持ちはあったが、どうせまた来るやろうし、さっさと先に仕事と住居を安定させろやっていう自分への喝の意味を込めての決定だった。(実際はバスの中で寝れるし、トゥーンバはホステルないからホテルの個室で優雅に過ごせるから。) 

旅って感じがするなあ
このタイプのエスカレーター、日本ではあんま見かけないよね
朝焼けに輝くブリズベン

天空の城Toowoomba

 トゥーンバはローマ字で書くとToowoomba。o多すぎる。トゥーウゥーンバ?どんな風に発音するのか分からずこんな感じで言ってたけど、tooのooからwooまで合体する感じでサラッとトゥーンバって発音して良いみたい。oがooって感じで繋がってるこういう感じの地名はオーストラリアによくあるけど、結構好きやな(笑)。

 くっそ眠いが一番前の席だし、オーストラリアの景色なんて普段見れるものでもないので、起きて景色でも眺めとくことに。Brisbane近郊は写真みたいな高速道路を進んでいく。これまでの田舎一般道とは違う。さすが都会。ちなみに市内へ向かう反対車線は大渋滞していた。数日前にBrisbaneの人口が増えまくって公共設備やらが不十分的なニュースを見たが納得だ。みんな一軒家を持ちたがるだろうから、市域はより広がりやすいだろうし、それに伴って車で通勤するから道路もパンクするわ。

日本の高速とほぼ同じ

 Brisbaneを出てIpswich、GattonそしてToowoombaに至る。最初のバス停であるIpswichは駅周辺だったからか、なんとなく日本の大都市近郊の町の雰囲気があった。通勤を急ぐ人たちや電車が通りすぎていくのが見える。ただ、石造りの西洋建築が多く歴史はありそうな感じ。それが普通なんだろうけど(笑)。
 
 ちなみにバスに乗っている間、乗客の1人が水がどうしても欲しいと言って、コンビニで一回停車した。脱水しそうみたいなことを言って他ので、緊急事態っちゃ緊急事態だが、割と融通がきくなと思った。何かあるときは、言葉に出して言ってみるものだな。

立ち寄ったセブン

 立派な高速道路も終わり再び大草原を突っ走る一般道へ。Queensland北部の熱帯感溢れる雰囲気とは違う。ところどころ牛が放牧されてて、のどかでええな。ここはアメリカ中西部ですって言われても気づかんやろうな。

大草原のクソ長道路

 そうこうしてるうちに、Gattonへ到着。これまで地名はなるべくカタカナで書いてたけど正しいカタカナ表記がわからないのでローマ字表記に変更します(笑)。
ここがかの有名なファームタウンGattonか!のどかな田舎町って感じ。駅前の通りがメインストリートなんだろう、可愛らしい商店が並んでいる。田舎にも関わらず通りには結構アジア人がいる。みんなワーホリなんだろうか?ただここで生活するなら車がないとかなり不便だろうなと思う。

Gatton駅

 GattonまでくればToowoombaはもうすぐだ。このまま大草原を進んでいくのかと思っていたら、いきなり山になり結構な坂道を登り始めた。Googlemapで見てたら平坦なんかと思っていたが、GattonとToowoombaの間には山があるだと!?!?絶景かな。だだっ広い平原が来た道に広がっているのが見える。確か鉄道も走っているはずだが、この山道を鉄道が越えられるのか!?

山の向こう側に街があるんか!??

 と思っていると、上り坂にも関わらずポツポツ家が見え始め、Welcome to Toowoombaの看板が見えた。まじか。Toowoombaって山の上にあるのかよ。ある意味期待を裏切られた。そして山の上にある街なんて、くっそしょうもないんじゃないかという不安に駆られた(笑)。

この写真じゃほぼ見えないけどWelcome to Toowoombaの看板。Garden Cityなんだって!

 ワオ。意外と街はしっかりしてるっていうかめちゃくちゃ歴史感溢れる町じゃねーか。石造りの建物が至る所に並んでて、イギリスにでもワープしてきたんかって錯覚する。バス停もバス停じゃなくてしっかりターミナルになってやがる。これぞ天空の城市(しろ)Toowoombaだな。Toowoombaは本当にあったんだ。父さんは嘘つきなんかじゃなかったんだ。(ここからラプ○タの名言が散見されますが無視して下さい)

バスターミナル Toowoombaは本当にあったんだ!

 確かにGarden Cityの名に恥じない花々が我々を出迎えてくれた。某天空の城に到着したシーンも確かこんな感じでロボットが花を持ってで出迎えてくれたよな・・・。

心優しきロボットはいないが、花が出迎えてくれた

 とりあえず荷物を下ろしたいので今日泊まるホテルへ向かおう!ホステルじゃなくてホテルやでい(ここ重要)!まあホテルって言っても豪華なやつじゃなくてオーストラリア版安い旅館orビジホみたなやつだろうが、いつもホステルだったので胸が高鳴る。やっとゆっくり過ごせる。やっぱ夜行で移動した後はゆっくり休まないとな。
 OMG。パブ形式のホテルなんやが、人がおらん・・・。これじゃ荷物も下ろせねー。午後2時のチェックインの時間まで待たないといけない。ちなみに現在午前9時半。

 しょうがないので、荷物を持ったままToowoombaの中枢を彷徨うことになった。諸君にToowoombaの力を見せてあげよう。建物のイギリス感がすごい。何より空気がめちゃめちゃ澄み切ってる感じ。完全なる秋。Rockhamptonで感じたような、日中クソ暑いけど、夜冷え込むから秋を感じるっていうレベルじゃなくて、普通に日中でも爽やかな風が通り抜けていく感じ。 

中心街① 澄み切った秋空
中心街②
壁画アートがすごい。というかほんまどの街にもあるな。

フレンドリーな修羅の国

 通りを歩いてると、なんか喚きながら歩いてくる人がいた。やばい系の人だ。Fu○k何ちゃらとか叫びながら、よく見るとゴミを拾いながらゴミ箱に投げ入れてる。なんなんや・・・。いい人なんかやばい人なんかわからん。まあ人って色んな側面があるもんね。
 
 そいつに続いてきたおっちゃんが「おー無事Toowoombaについたんか。これからOakeyまで行くんか?」と話しかけてきた。!?!?!?誰や。と思ったら、Brisbaneで間違いて乗りそうになった別会社のToowoomba行きバスの運転手だった。よく覚えてくれてたな。そして「あれ、俺Oakeyまで行くって言ったっけ?」(笑)。
 
 Subwayを発見。腹減ったし安いのでサンドイッチでも食おう。時間の割に意外と列ができていたので並ぶ。前に並んでたダンディーなおっちゃんと目が合う。なぜかウインクされる。この後も街中で気さくに話しかけてくる人がいたし、夜に立ち寄った酒屋のおっちゃんと雑談したりと、Toowoombaは結構フレンドリーな人が多い印象。
 
 と同時にヤバい人も結構多そうな感じだ。カフェを見つけたので入ろうかなと思ったら、丁度反対側から男が叫びながらカフェに向かって行き、中の店員が咄嗟にドアを閉め、その男がドアに蹴りを入れる場面を目撃した。当然私はカフェを何事もないかのようにスルーした(笑)。Garden Cityとか言っちゃってる割には、なかなか治安はそんなに良くなさそうな感じがする(笑)。
 
 まあ2日しかいなかったわけだし、断定はできないけどね。Toowoomba住みの人がいたら教えて下さい。リアルな情報待ってます。

中心街③
中心街④ こんな山の上まで線路が走ってるんやな
中心街⑤
中心街⑥

ガーデンシティー

 ガーデンシティーって響き、どっかのマンションみたいだな。いざそのガーデンにでも行ってみることにするか。
 見えてきた。くっそ広い芝生が気持ちいくらいに広がってる。ここでやっと腰を落ち着ける。庭園はさすが街のシンボルともあってかなり広い。芝生エリアから花が咲き誇るエリア、珍しい木々が生えてるエリア、噴水やら大砲やらモニュメントやら色々ある。いいね、Toowoomba!(薄っすい感想ですみません)。

重すぎ ガーデン①
気持ちいい芝生と青空 ガーデン②
秋を感じる
バオバブ的な?
くっそ広い
紅葉
落ち葉
椿的な?違ったらすみません
バラ?違ったらすみません
英国庭園的な?
意外といいね
それともその大砲で私と勝負するかね

ひたすら住宅街

 ガーデンで時間は潰したものの、2時までまだまだ時間がある。なんかするしかない。ガーデンの周りには閑静な住宅街が広がっていて、少し上り坂になっている。坂を登り切ったら街が一望できるんじゃないか?と思い周りを散策してみた。
 道の脇にも木々が広がっていて、花に囲まれた家が多い。本当に雰囲気は良い。一軒一軒が大きくて、日本だったら間違いなく豪邸。クイーンズランドっぽい白い家々が連なっている。ちなみに同じクイーンズランドでもこれまで通ってきた東海岸の町に多かった高床式ではないのが特徴かなと思う。そりゃ山の上だし洪水の心配はないもんな。

住宅街へ繰り出す
こんなん西部劇でしかみたことなかったわ
緑が多い町だわ
こんだけ敷地が広いといいやろな
勝手にベストガーデンシティーハウス

 坂道がだんだん急になってきた。キツすぎる。登り切ったところに公園みたいなのがあったので、またそこでタバコを吸いながら適当に時間を潰す。なんだか勿体無い時間の使い方だなとは思うが、一応ベストを尽くしているつもり。

この荷物にこの坂はきついっすわ
西部劇井戸再び現る
時間を潰す
いや、庭広すぎやろ。

 ちなみに苦労して登った坂の上からの景色はこんな感じ。・・・。まあ、まあええんやないかな・・・?こんな感じの一直線坂道も結構珍しいよね?

坂の上には絶景?が待っていた

怠惰の極み

 そろそろいい感じなので街の中心地に戻る。ちなみに街の中心のことを皆は英語でなんて言ってます?CBD?City?City centre? ちなみに僕はcity centreを一番使ってるけど気がするけど、どれがベストかいまだに悩んでます(笑)。

やっと中心街に帰ってきたぜ

 ホテルは受付はなくて、電話で話してセルフでチェックインする方式だった。久々の1人部屋や。夜まで適当に部屋でスマホを見て、腹が減ったら外に行って飯と酒を買って部屋で食うという究極に怠惰な時間を過ごした。本当はパブにでも行きたかったが、見つけきれなかった。ケアンズって本当飲食店多かったなと思う。ちなみに、街中にGrand CentralというNY感ましましのショピングモールがあった。普通に規模もでかいし、ちょいオシャレな感じやった。

1人部屋サイコー
飛行機。空港が近くにあるのか?
Grand Central。名前がイカつい
これまで見てきたオーストラリアのショッピングモールの中では一番綺麗かつオサレ
Grand Central内部。飲食店フロア。気のせいかもしれないが、一人客だとちょい入りずらい。

 部屋ではテレビを付けてた。オーストラリアに来てからちゃんとテレビを見た事がなかったが、丁度Britain's got talentをやっていて、今までネットでしか見た事がなかったのでちょっと感動した。それだけ。

Australia’s Got talentは無いんかな?

2日目

放浪生活序章

 いよいよ2日目。もちろん俺はしっかりシェアハウス内見の段取りやらしてるよな??いや、やってないんやそれが。ほんまクソすぎる。今思えば、職場の近くのシェアハウスはそこしか無いんやから、内見もクソもない、そこに住みますって契約しとけばよかったやんと思う。もちろん内見は大事なんだが、選択肢ねえんだから。
 
 1日で結局何も決めきれてない。意味もなくほっつき歩いてる暇なんかなかったんだよ。延泊するか?空きはなさそうだ。他のホテルは1泊100ドル近くする。論外。足はバスターミナルへ向く。スマホでBrisbane行きの予約をとる。バスターミナル近くのカフェのコーヒーを飲みながら、「そや、近いし安いホステルもあるしGold Coastで数日滞在してからまた戻ってくるか」
 
 バスは昨日山道を下って行く。何事も予定と自律が大事よ。とりあえずオーストラリア東海岸南下編は目的地に到着したので一旦終了。Toowoombaに腰を落ち着ける日々は来るのか?結局周りと自分の欲に流され、日本への一時帰国まで、ただ単にクイーンズランド南部を放浪するだけの日々が待ってるとは思ってもなかったた。ケアンズ沈没生活からクイーンズランド南部放浪生活へアップグレード(笑)。

土から離れては生きられないのよっ。ちなみにこれが地理で習ったグレートディバイディング山脈だったらしい。

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