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眠りの果実

眠りに落ちるか夢うつつ
その境目には猫がいる

猫はいつもの腕枕
目ヤニを取ると
剥きたての果実のような艶やかさ

そうしてその大きな頭を
私の手首へ鼻を擦り寄せ
くらくらするよと猫撫で声

微かに睫毛を動かして
またもう少しまどろもうよと
片方の桜耳を撫でさせる

猫は眠りに長けていて
その本質を両眼に隠し
とろとろとした琥珀色のあくびを
寝床に撒き散らしては

私たちはそれに包まれ
月が気付く前に
漆黒の夜へと旅立った






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