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令和5年度東京工業大学学校推薦選抜+総合型選抜のアンケート

皆様、こんにちは
東工大に総合型選抜にて入学した、工学院所属のRivと申します。
この度、東京工業大学の総合型/学校推薦選抜の開示、受験に関するアンケートを行い、その結果を発表しようと思いまして、当記事を執筆しました。
今後総合型選抜や学校推薦選抜を受けようと思っている受験生に参考にしていただけると嬉しいです。


1.総合型選抜/学校推薦選抜について

1.概要

アンケートの結果以前に「そもそも総合型って何?」「どうせ実績あるやつしか使えないんだろ」といった声もありそうなので、総合型選抜に関する説明から始めます。

こちらが僕が受けた年度の総合型受験に関する大学のホームページです。
弊学の総合型の入試は、ほとんどの院が院ごとに募集しており、環境社会理工学院だけ系ごとに募集しています。

総合型、推薦入試が一般選抜と大きく異なる点として、
・学院(系)ごとに、試験の内容が大きく異なる
・スケジュールが前倒し
といったことが挙げられます。

また、自分の周囲や、予備校で見せていただいたデータをみてみると、実績を載せることが求められてない学院(ex.工学院、物質理工学院)などは、そんなに〇〇オリンピックで優勝した、みたいな素晴らしい実績を必ずしも持ち合わせてるわけではなかったりします。

2.入試内容

先ほど貼ったリンクからアクセスした先に掲載されてる募集要項も併せて確認してください

(i).出願の流れ
総合型選抜の出願作業は基本的に(そして原始的な)紙ベースで行います
出願に必要なものは大雑把に言えば取り寄せる願書一式、共通テストの成績請求表、写真の3種類に分けられます
この中で色々記入作業があるのが願書一式になると思います。

①願書は8月以降にテレメールなどで大学から取り寄せる必要があるので、あまりギリギリに取り寄せを行わないようにしましょう
また、僕は申請してから2日後ぐらいに届いたはずです

②志望理由書の記入が必要になります
基本的に自分がその学院(または系)に行きたい理由を800字以内で記入することとなります。原稿用紙みたいにマス目が入っているわけではないので、一旦下書きをPCなどに残しておくことをお勧めします。
また、生命理工学院の方は、活動や実績のようなアピールを行う場との記載があるのでそれに従いましょう。

その他の資料は、大体記入欄に名前や住所などを記載して同封の封筒に入れるくらいなのでそこまで面倒な作業ではないと思います。
但し、情報理工学院に出願する方は、自分の活動、実績を記載する活動実績報告書を、指定の書体で記入する必要があります。

また、理学院の方は、志望理由書ではなく、自身の研究内容の要約と、所定の推薦書を出願時に提出する必要があります。

その後、郵便局などに書類を出して出願するのですが、出願期間が3日間と非常に短く、かつ年内にありますので、日程を忘れないようにしましょう。
なお、出願人数は、期間が終わってからすぐに大学のHPから確認できます

(ii)第一段階選抜
いわゆる足切りってやつです、そして前期試験とは異なり、かなりの数の受験者がこれで足を切られます。
以下が一段階選抜の規定です

引用:総合型選抜(工,物質理工,情報理工,生命理工,環境・社会理工学院)募集要項

因みに、大学が開示してる入試資料によると、共通テストで足切りする場合、大体2.0倍まで切られてる印象です

なお、足切りの結果発表は"17:00頃"と記載されてましたが、実際は当日の2時間先の19時になるまで足切り結果は発表されませんでした(この件は割と今でも恨んでたりする)
この選抜に関しては、あまり発表予定時刻と同時に確認することに息巻かないほうがいいんじゃないのかなと思います、当時の僕はそんな感じで2時間ほど無駄に過ごす羽目になりました。

(iii)第二段階選抜
大体足切り発表後2週間後に大学(大岡山キャンパス)に行って試験を受けに行きます。
試験内容は以下の通りです

(引用:総合型選抜(工,物質理工,情報理工,生命理工,環境・社会理工学院)募集要項)

大体志望学院に関連した内容の筆記+面接、実技の試験になっています
一部の院の過去問が大学のHPに上がってたり、最近は赤本が出版されてるので、過去問を入手できるなら1年分ぐらいは過去問をやってみることをおすすめします

また、入試の性質上学院ごとに集合場所が変わるので気を付けて下さい
以下試験の時間割です

(引用:総合型選抜(工,物質理工,情報理工,生命理工,環境・社会理工学院)募集要項)

朝の開始時刻は前期試験と同じ9:30ですが、20分ぐらいは前につくように大学から指示されてたはずです、そもそも総合型であろうと入試当日は余裕もって会場に着いたほうがいいです
また、面接の時間の扱いは学院によって変わってきます
一例(というか僕が把握している範囲)だと、工学院は正味の試験時間が20分弱ぐらいだったが、試験終了後も16:30まで待機させられましたし、情報理工学院は、グループごとに集合時間、終了時間が変わったはずです

3.受験するメリット/デメリット(主観)

メリット
・単純に受ける回数が増える、またこの入試で不本意な院に行くことがない
・受かれば相対的に早く受験生活が終わる
・前期試験の会場慣れにもなる
デメリット
・足切りが前期試験に比べて厳しめ
・入試時期が私立の入試と被るので、人によっては私大対策の負担がより大きくなる
・総合型が終わってからのメンタル管理が大変になる
(ex.総合型の結果発表、落ちていた場合前期入試など)

2.アンケート概要

・手法:Goole Formにて質問を作成、自分のtwitter垢のツイートを用いて宣伝
  また、大学の知り合いに声をかけるなどしてformの存在を拡散
  なお、荒らし回避のために受験番号を記載していただいた
  (このデータは破棄済み)
・集計期間:5/13 ~ 6/7
・質問内容:以下の通り  
(a)全学院共通
・どこの学院を受けましたか
・フリースペース
(b)工学院、物質理工学院、環境社会理工学院、生命理工学院について
・回答者の合格結果
・共通テスト、総合型選抜の開示結果
(c)理学院、情報理工学院について
・出願時に記載した実績などの記入(任意)

なお、情報理工学院の点数も記入していただいたが、合格者は100点、不合格者は50点で固定のことなので、集計結果としては含まないものとする

3.集計結果

本アンケートにおいて計35名、但し有効回答数33名の回答を得られた
理:2 工:13 物質:4 情理:5 環社A:5 環社B:3 生命:1 無効:2

回答者数の内訳

以降、サンプル数が少なすぎると判断した生命理工、環境社会Cの院ごとの個別の集計結果は記載しません

1:(院共通)前期試験は東工大に出願しましたか

ほとんどの人が前期試験も東工大に出願する傾向にあります、但し、生命理工を出願してる場合、生物選択のはずなのでこの大学の一般選抜の出願が厳しいことには注意です

2:(工学院、物質理工、環境社会理工、生命理工)回答者の合格結果


3:(工学院、物質理工学院、環境社会理工学院の方)入試結果、共通テストの開示得点(得点調整後)、二次試験の開示得点について

これについて、回答から得られた結果からわかる平均点や最高点、最低点などを記載します

(アンケートから集計された値から得られた結果(拡大推奨))

以上の結果より、共通テストは少なくとも8割+αは取らないと足切りの突破に関して安心できないという結果が得られました。
また、100点満点の試験ということを考慮すると、ある程度合格者最低点と合格者最高点の間に幅がみられることがわかりました
点数と受けてる当人たちの感覚は、後述のフリースペースを見ることも推奨します。

4:(情報理工学院の方向け)入試結果を教えてください

5:(情報理工学院の方向け)やったこと(実績)について可能な範囲でご記入ください

・Microsoft Imagine Cup 2022アジア教育部門優勝
・機械学習コンペで3位
・調査書に記載のため確認はできないが、情報オリンピック本選Aランク、パソコン甲子園新人賞・本選入賞*3,情報科学の達人二期生、SupercomputingContest準優勝
・(レポート)APIO銀、(志望理由書)パソコン甲子園 モバイル部門本選 内申書には他にも色々載ってると思います
・JMO優秀賞/JOI本選/AtCoder黄

6:(理学院の方向け)入試結果を教えてください

7:(理学院の方向け)やったこと(実績)について可能な範囲でご記入ください

・数学の群論に関する研究をしてました。その研究について、シンポジウムにて研究内容を発表、MIMS、JSECなどに論文を出しました(すべて落選)
テレビに出演し研究内容を発表しました
・物理の研究など

8:回答者によるフリースペース(任意記述欄)

(理学院は記載なし)
(工学院)
・前期で受かって良かった。
・面接で大崩壊して落ちました。前期で受かったのでヨシ!!
・筆記は簡単だった、面接は激難だった
・面接できなくても筆記の方が多分比重重いから大丈夫
・筆記は割とできたのにこの点数なので面接の比重が高いor過程記述の採点が厳しいの可能性はかなり高いと思います
・面接死んで落ちたとしか思わなかった。
・面接死んで落ちたとしか思わなかった。
・アンケート頑張って下さい
・筆記は最後ができなかったがそれ以外は割とできた感触あり。面接は3番までしか説明できず、面接官から「あぁ…」と言う声が漏れたような気がする。が、追加質問で「それでは(4)を解いてみてください」と言われた際は考えていたので即答。⑸まだ何とか辿り着けました。
・工学院総合型は共テさえ抜ければヌルゲー

(物質理工学院)
・例年より簡単なのに出来悪くて落ちたと思った。面接の時テンパって半反応式にナトリウムイオンを入れてしまった
・筆記の第3問は最初の方しか手応えなかったが、面接は志望理由までいけたからそこそこできたと思われる。

(情報理工学院)
・理論的なことの質問はあまりないと体験記では読んだが、勾配降下アルゴリズムの一種であるAdamについて解説するよう問われた。私は一般の方の受験勉強も行っておりその間機械学習には触れておらず、具体的な数式は忘れてしまっていたため感覚的な説明をするに留まってしまった。色々忙しいとは思うが、自分がやった分野について少し面接前に復習しておくのも良いかもしれない
・活動実績報告書は早めに着手するとよい。個人の感覚としては、活動実績報告書の内容は専門的、研究に近い形であるほど有利だと感じた。ただし、スパコンは特別枠のようなものがあるかもしれない。志望理由書はそんなに頑張らなくても多分大丈夫。けれど、面接でも軽く質問されるのでそれなりに芯のある内容にしておくといい。面接での質問は、5割ほど活動実績報告書の内容について、3割ほど今までの経験などについて、2割ほど東工大に入ってからについてであった。5人の面接官のうち2人は俯きがちで表情が読めなかったが、残りの3人は明るい雰囲気で面接を回してくれたのでそんなにビビらなくても大丈夫。
・情理総合型の人へ: 書類は絶対夏から書こう!!(1敗) 面接は、想定質問を列挙しておくと精神的に楽
・情理は面接だけらしいので、出願できそうな人はするだけ得だと思う

(環境社会理工学院)
A
・二次解き終わって回収してる時、周りの人がデッサン上手すぎて本当に落ちたと思いましたが、何だかわかんないけど受かりました。デッサンスキルに自信が無くても、立体に歪みがないように頑張って書けば評価してくれるのかもしれません…!頑張ってください!!
・絵が上手くなくても受かります

B
・面接は1人に対し7人の教授から志望理由について質問攻めにされます。10分くらいで終わります。志望理由の芯をしっかり持っていた方が良いと思います。筆記は対策の仕方はいまだにわかりません。A 1用紙配られた時は流石にビビりました。チャンスを増やすくらいの気持ちで挑まないと、一般の勉強に力が入らずそわそわして一週間過ごすことになりますので、期待は禁物です。

(生命理工学院)
・生命理工学院に関してはありきたりな答えより、論理的かつ独創的な回答が高得点をもらえる感触があった

4.編集後記

以上がアンケートの結果でした。
個人的には、共通テストの情報とフリースペースの内容がなんだかんだ参考になるのではないのかと思います。

このアンケートを取った理由は、特に自分が興味があったわけでなく無論なんかの授業でプレゼンしろと言われたわけでもなく、(僕が体験記を書いたことを知った人などから)総合型の情報がなくて困ってたから全体の集計もしてほしい、と言われたのが大きいです。
なので、実際にに受けた人間としての感覚も含めた総合型の紹介、アンケートの集計発表を行っています。
僕の実際の感覚として、総合型選抜を受ける際に、多少肌感覚のような前情報があるだけでも過剰に脳内でのハードルを上げないで済むので試験中の精神衛生はある程度マシに保てるとは思ってます。(無論、試験中にある程度何とかすることが前提ですが)なので、受験者が当日にある程度健全な精神衛生を保って受けられるようにこの投稿を利用してくれると個人的には嬉しいです。

(因みにフリースペースに自分の意見は記載してないので)最後に総合型について個人的に感じたアドバイスを2点ほど残しておきます。

1.本番での1つの失敗に悲観しすぎない

これはフリースペースにて受験者の悲痛な叫びメッセージとして述べてる人が多かったですが、実際会場で当人の想像通りに立ち回り切れた人間なんてたぶん存在しないので、そしてそれでも合格することはあるので、とにかく切り替えられるようにするのが大事なんじゃないのかなと思います。

2.なるべく総合型に労力を割きすぎない

ここまで総合型について語っといて何言ってんだと思うかもしれませんが、別に1分もかけずに出願準備しろという意味ではありません。
総合型の出願準備で志望理由書を書いたり、事務作業や、人によっては過去問を解いたりすると思うのですが、前期試験対策の阻害にはならない程度に対策を要領よく行えというのが趣旨です。
総合型が終わると、1週間前後で(僕の場合は早稲田理工+)前期試験がやってきます。結局前期試験の対策を怠ってしまうと、総合型受験時に多少なりともプレッシャーを感じたうえで前期試験も不安が残るという共倒れ状態になるので、とにかくそれを回避するために前期試験の対策はしっかり行いましょう。
また、総合型が終わると、多少引きづってしまうことがあります。それ自体が、総合型に対策を割いているとより引きづりやすくなるので、あまり時間かけないでコスパよく受かってやったぜ、ぐらいのスタンスでいるべきなのかなと思います。

以上で僕のメッセージは終わりです。
この記事の作成には、総合型受験者のアンケート回答、form作成の協力といった多数の方々の助けがあって初めて可能となりました。
ご協力いただき、ありがとうございました。

また、以下に今年度の総合型受験に関する個人の体験記のリンクを載せておきます。(さりげなくステマしていくスタイル)

加えて、以下に別の方が行った2023年度の"前期試験の"開示調査のリンクを張っておきます

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
この記事を見た24B以降の総合型選抜を受けようと思ってる方と大学同期の23Bの他の総合型受けた人も、ぜひ今後体験記を残してくれることを期待しています。

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