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傍らに名参謀

今話題のシンガーソングライター、TOMOOさん。
幼少期からピアノを弾き始め、大学進学後に本格的に音楽活動開始。2021年8月発表の“Ginger”という楽曲で注目を集める。
昨年9月には、メジャー1stアルバムとなる“TWO MOON”をリリース。
リード曲の“Super Ball“をはじめ、ラジオやSNSでも注目されるの“Grapefruit Moon“など、間違いなく令和を彩る一枚となっている。



その魅力は、独創的な歌詞の世界観だったり(不器用に生きづらさを抱えて日々過ごしてる人ほど刺さるはずだ)、絶妙なメロディーセンス、唯一無二の歌声と歌唱のバランス感覚、挙げ出したらキリがない。
しかし、今回は敢えてメジャー1stアルバムにおいて、先述の二曲と“窓”という楽曲のアレンジャー兼サウンドプロデューサーを務めた小西遼氏について触れていきたい。

小西遼氏は、作編曲家であり、サックス奏者であり、アレンジャーやプロデューサーでもある。
"CRCK/LCKS"ではリーダーとしてバンドを牽引し、表現集団"象眠舎"では主宰として構想を練り、時に楽器や指揮棒も持つ。

コロナ禍においては、リモート音楽制作プロジェクト"TELE-PLAY"プロデューサーとしても活躍した。

また常⽥⼤希氏率いるmillenium paradeや、昨年春に惜しまれつつ解散したbonobosなどのサポートメンバーとしてもマルチな才能を発揮。

彼の音楽は、とてつもなく豊かで、エネルギーに満ちている。
間奏は飛ばして聴く人も少なくないという現代に、TikTokサイズにおさまるキャッチーさとは真逆を行く音楽。
音の厚み、豊かさ、希望。今を生きる私たちを包む圧倒的なパワーがある。

幅広い音楽に心動かされ、私自身削ぎ落とされた音楽も好んで聴くが、生きるのに疲れてきた時にはこの豊かさから栄養をもらうことが多い。
聴けばひとたび広がる、筆舌に尽くしがたい充足感。
生きていてよかった、この音楽に救われたと心の奥底から熱いものが込み上げてくる。

もちろんどんな音楽もあっていい。
素晴らしい作品が日夜生まれてはいたずらに消費されてしまいがちな世の中で、小西氏の普遍的な豊潤な土壌に安心して身を委ねたくなる夜もあるのだ。

TOMOOさんご本人の才能と魅力をもってして、世に広まってきたのは間違いないないが、その飛躍の傍らにとんでもない名参謀がいて、すさまじい相乗効果をもたらしていることも広く知られることも願ってやまない。

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同様の豊かさを冨田ラボからも感じる。
冨田恵一氏は兄弟デュオ時代のキリンジのプロデュースも行っていた。



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