見出し画像

私が私であるために

幸せの形は、人の数だけある。
日々に散りばめられたささやかな幸せもあれば、
時間をかけて作っていく幸せもあるだろう。

自分にとっては最善のユートピアでも、
他の誰かからみれば、とんでもない欲に支配されたディストピアかもしれない。

己の欲望を自覚した時、忠実に実行する道を選ぶのか、内に秘めておくのか。
周囲への影響は?
どこまで折り込み済みでその選択をするのか。

邦題「ステップフォードの妻たち」。
原作はアメリカの作家、アイラ・レヴィンの著書1972年”The Stepford Wives“。

風刺画ホラーであるこちら、背景としては1960年代のアメリカ始まる、ウーマンリブ運動に遡る。
女性による女性解放の意味の「ウィメンズ・リベレーション(Women's Liberation)」に起源を持ち、日本や西欧各国への広まりがあった社会的運動にインスパイアされた作品だ。
昨今の“#Me too”然り、昨年公開になったバービー映画にも通ずるものがある。

2004年にはリメイク版が製作されたが、
こちらはコメディー色が強くなり、設定も現代的にアレンジされている。


同じように経済的に自立し、仕事で実績をあげ、社会的な立場も確立している女性同士であっても、みる夢は違うのだ。

家庭と仕事
子育てと仕事
男性と女性
田舎と都会
丁寧な暮らしと最新テクノロジー

ともすれば、
二律背反で語られがちな事柄ばかり。
実際にあちらを立てればこちらを立てずな
相容れない部分はあるにせよ、
そんな単純な対立軸でみていいのだろうか。

男性の敵は、社会進出して自分たちの立場を揺るがしかねない女性なのか?
女性の敵は、旧態依然の固定観念を押し付けて足を引っ張ろうとする男性なのか?
ーーー本当に?
女性は女性で一枚岩でもない。男性の思考を十把一絡げに考えるのもかなり乱暴だ。
わかりやすい構図を隠れ蓑にして、その下に誰かの思惑が横たえているのかもしれない。
そんなことを考えさせられる今作だ。

自分の頭で考えることをやめない。
情報の真偽は、自分で確かめ、判断する。
どんな事柄に対しても、自分の意見、疑問をもつことを恐れない。
自分自身にも、子どもにも、繰り返しリマインドしている。

この記事が参加している募集

おすすめ名作映画

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?