ものかき

よろしくお願いします。学生です。名前変えました。プロ文士の遠い親戚の日記→ものかき

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最近の記事

推し文2 『グランドセンチュリー英和辞典 第4版』

 前回の記事から時間が経ってしまったのは、受験だったから。その受験でこの辞書には大変お世話になった。上に引用した文は【human being】欄の例文の訳である。元の英文は”Mom,I'm no doll.I'm a human being.”human beingが人間以外のもの(例文で言うとdoll)との区別に重点を置いて使われることを踏まえた文となっている。  舞台は服屋。主人公である少女は、母と買い物に来ていた。今までのように、母は我が子に似合う服を探して奔走する。少

    • 推し文1 『サラダ記念日』

       好きな文章を紹介する。『サラダ記念日』のあとがきの中の一文。もちろん短歌も、三十一文字に限られない広さが感じられ、好きだ。しかし私の中で最も印象に残っているのはあとがきだった。  俵万智は、三十一文字、つまり短歌に惚れてしまったようである。これは決して大袈裟でも比喩でも無いと思う。おそらく、一人の女として短歌の背丈や、顔や、気概や、声に恋している。別に「小説や短歌」が消えても食って寝てだらだら息してれば生きていけるだろうけど、そんな人生などあり得ない。「」の中を「大好きな人

      • 2.どんな文章を書けばいいか?

         小説を書き始めるときに、困る。  自分はどういう風に物語を書いていたっけ。  とくに本を読めば読むほど、そう感じる。中途半端に、起承転結で言えば「きしょ」くらいで書くのを止めてしまった小説がたくさんある。自分が書く文章全てが遠回りしているような気持ちになって、椅子に深くもたれる。そうして机の上を見上げると、そこには本棚があり、本が並べられている。好きな本、好きだった本、内容を覚えていない本、読みかけの本が、雑多に置いてある。でも、雑多なように見えて、その中の一冊を抜き出し、

        • 【短編小説】永遠の回廊

           何も覚えていない。  冷たい、寒い、暗い、寂しい……ここは、学校?うっすら目を開けて、頭を起こすと、学校の廊下だった。私は廊下の柱の一本に背を預けるようにして、三角座りをしていた。夜?窓の外は暗いというより、黒い。ペンキで塗りつぶされているようだ。不自然に大きく、黄色い月が浮かんでいる。クレーターがはっきりと見えた。餅を搗くウサギ。その臼がある場所が、ぱっくりと割れた。「行かなければなるまい」月は口を開けて喋った。  窓の反対側、教室側の壁には、チラシが隙間なく貼ってある。

        推し文2 『グランドセンチュリー英和辞典 第4版』

          【短編小説】夜明けは恋の終わり

           夜は全てを覆い隠す。見たくないものも、見てほしくないものも、見たかったものも、見なければいけなかったものまで。だから、夜は美しい。  彼女に初めて会ったのも、夜だった。夏の、新月の夜である。  公園のベンチ、僕は本を読んでいた。ときどき、車が1台通る。それ以外は、静かだった。静寂が気持ちよくて、あくびをして、空気を咀嚼するみたいに顎を動かした。読んでいた本を閉じて横に置き、伸びをする。とっくに0時は回っていて、明かりはぽつぽつとあるオレンジ色の電灯だけ。さすがに目が疲れて、

          【短編小説】夜明けは恋の終わり

          1.どうしても書かなくてはいけないのか?

           正直、まだ迷っている。このnoteというアプリで、記事を書いて発信するかどうか。書いたところで、読んでくれる人がいるとは限らない。というか、読んでくれる人がゼロの可能性の方が高い。  趣味で小説を書いているときも、同じ葛藤が起きる。もちろん、「書きたい」という気持ちはある。でも、読者が圧倒的に少ないのに、書く意味はあるのだろうか?パソコンやスマホに向かって四苦八苦するより、もっと有益で、自分や社会のためになることが、この世にはあるんじゃない?  これは芸術とは何か、とい

          1.どうしても書かなくてはいけないのか?