詩 悩ましい輪

さっきまで
知恵の輪をもてあましていた
友たちのことを考えながら
始まりも終わりもない
輪の数の分の
堂々めぐりのつながり
ガチャガチャというだけで
全く解けない
「切ってしまえ」と強がって
もしも一か所切ったら
二つが離れ
もう一か所切ったら
五つが離れる
それで静かになった胸の内に
きっと生じる
ずれた切り口の
引っかかり
ささくれのような痛み
だからそのまま
ぬくい手あかが冷めないうちに
ハンカチにくるんで
ポケットにしまった

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