詩 箸さがしのうた
炎天下を歩き通して
コッテージに着いた五人
逆光の枝葉を日よけにして
丸くなって座る
のどが渇いた源次郎
水をがぶがぶ飲んでいると
友たちは弁当を食べ始めた
遅れをとった源次郎
あわてて弁当の包みを開けると
箸がない
「箸がねえや」と大声出すと
返ってきたのは
はあ、へえ、ふうん、あっそ
むしゃむしゃむしゃとうまそうに
食べる友に背を向けて
箸を捜しに行こうと決めた
川沿いを上流へ歩いていくと
あちらもこちらも箸だらけ
キャンパーたちがバーべきゅー
野菜をのせる
肉を返す
口