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正月元日 世が明けた。起きよというのに起きないか

正月元旦世が明けた。起きよと言うのに起きないか。
太郎さんがこう歌いながら犬小屋の戸を開けにきました時、3匹の小犬が嬉しそうに躍り上がって、
「わんわん、太郎さんおめでとう、わん、わん。」

これは、与謝野晶子の童話「3匹の犬の日記」の冒頭です。
与謝野晶子は、ご自分の11人のお子さまに向けて、いくつか童話をおつくりになられている。
私は、ここまで生きてきて、与謝野晶子の童話と出会えてよかったなと、つくづく思う。
出会いは、架空社の(1人でされている)社長である前野さんが、「絵本描かない?」と与謝野晶子の「金魚のお使い」を紹介して下さった事がはじまりだ。


与謝野晶子の童話は、声に出して読んで誰かに読んでもいいし、自分だけで、心の中で読んでもいい。ためになるとか、泣かせる〜とか、そういうことより、とにかくあっけらかんとしていて、穏やかな時間の流れの中で、いろんなことが起こるんだけど、わちゃわちゃしていない。ご挨拶や、おつかいのご褒美やら、ひとつひとつ、もの、こと、が丁寧で、文体は美しく、夜が明けて、日が沈むまでの何とも平和な日常がある。動物も、人間も、愉快で、個性の面白さはあっても、登場するモノ達に「いいもん」とか、「悪もん」というような括りは、何にもなく、細工や仕業も何にもない。読み手の自分は、物語の一部始終をずっとほくそ笑んでいられる。

結局わたしは、「3匹の犬の日記」と「こけ子とこっ子」の2冊の絵本を描かせていただき、もう20年くらいは経つけれど、与謝野晶子の童話は、ちっとも古臭さを感じない。むしろ時が経てば経つほど、ま新しく感じるお話しだと思う様になっている。
好きが高じて、最近金魚のお使いの紙芝居も描いた。

話しは逸れたが、「3匹の犬の日記」のお話しの続き・・

3匹の小犬たちは、春子さんに「お雑煮を食べたら、おまえたち好きなことをして遊びなさい。そして晩には家へ帰ってきて日記をおつけなさい」と言われて、
3匹は、電車に乗って、浅草へ行って帰ってきた。

黒犬の日記は「黒犬の元日」白犬の日記は「青リボン日記」ぶちの日記は「小犬日記」とそれぞれにお題もついて、3匹はそれぞれ日記を太郎さんと春子さんに読んでもらいう。春子さんは、「3匹ともよくつけましたね、ご褒美をあげましょう」と言って、3匹の小犬におかちん(お餅)にバターを付けたのを、3つづつ紙に包んでやりました。
おしまい
というふう。
3匹の小犬たちがつけた日記とは・・・??

というわけで、わたしも、今年、今日から、小犬たちのように、日常の中で出会ったいろいろなもの、こと、を綴っていけたらと思う。

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