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別れる、離れる

少し気になる人ができた。
前の恋人とは4ヶ月前に別れたから、4ヶ月ぶりに。

最近の私は、もう恋愛は懲り懲りだと、恋人をつくることに嫌気がさしていた。だけど、少しだけほんの少しだけ恋人という存在に憧れてる自分もいた。
槇原敬之の「もう恋なんてしない」この曲みたいに。
「もう恋なんてしない、なんて、言わないよ絶対」
あとから付け足されたというこの歌詞がすごくしっくりくる。

私よりも2つくらい年下で、可愛らしい男の子だった。「男」じゃなくて「男の子」の方が似合うような。自分のことを名前で呼ぶような、ほわほわしている子。
1年ぶりに連絡をとって、会いに行った。片道2時間半くらいかけて。
だけど、久しぶりにあった彼は私に想いを寄せていた頃の彼ではなかった。あって初めて、その想いが彼の中で無くなったのかもしれない。

前からすごく仕事熱心な子だった。人より時間がかかるからと人の何倍も時間をかけて仕事をやる子だった。

昔の彼は、私のために仕事をサボったりした。意地でも時間を作って会おう、話そうと言ってくれた。だけど、目の前にいる彼はもう、そんな時間を作ろうとはしなかった。約束よりも仕事を優先した。話すことよりも睡眠を優先した。

だけど、私はこの人を支えたいと思った。

いつの間にか気持ちは逆転して、彼が私を思うよりも、私が彼を思う気持ちの方が大きくなった。

私はいつもそうだ。
好きだと思った人から私に気持ちが向くことはない。

彼が好きだと言ったのは、男あそびをして、性にだらしなく、自分を傷つけてばかりの危なっかしい昔の私だった。

1年経って少しはまともになった私を彼は決して好きだとは言わなかった。

毎日とっていた連絡は素っ気なくなり、返信は1日経っても来なくなった。毎晩していた電話も。


好きな人を前にした私はすごくつまらない人間なのだろう。めんどくさくて重たい女なのだろう。

ただただ、しんどくなるばかりで、彼を思うことが辛くなった。


私は耐えられず、彼から離れることを選んだ。

だらだらと自分勝手な気持ちを綴った長文のLINEを送り、勝手に連絡先を消した。

いつまでたっても私は自分勝手な人間だと思う。

自分を守ることで精一杯の。
毎日を生きることで精一杯の。


クリスマスが過ぎ、忙しなく流れる年末の深夜、
私は彼から離れた。

自分を傷つけないために。苦しまないために。


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