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「全国学力調査の事前対策をしなさい」と命じる校長のレベルは低い

全国学力学習状況調査で全国トップレベルの石川県が事前対策をしていることが批判的に報道されています。

どうやら約7割の学校で校長が命じて事前対策を行わせている模様。

「学力調査の事前対策をしなさい」と命じる校長のレベルは低いと思って、間違いないです。

「令和の日本型学校教育」では、「個別最適な学び」と「協働的な学び」がキーワードとなっています。

・一人一人に最適な学びが展開できるようにすることで、一人一人が自ら学力を伸ばす。
・他者と協働しながら課題を解決していく力を伸ばす。

VUCAの時代を生き抜く子どもたちにとっては、こうした力が必要なのであり、学力調査の平均点を上げることが重要なのではありません。

校長が事前対策を命じること自体、子どもたちの将来のことを考えていないことになります。つまり、校長としてはレベルが低いと言わざるを得ません。

では、校長として全国学力学習状況調査に対して、どういう構えを職員に示せばよいのでしょうか。

1つは、学力調査の分析が重要であることを示すことです。
学力調査の問題自体は良問が多いと思います。したがって、問題を解くこと自体に問題はありません。4月に全国学力学習状況調査が行われたら、できるだけ速やかに子どもたち自身に問題の分析をさせるのです。
どんな分析かというと、この問題を解くには5年生以下で学んだ何を使わなければならないのかという分析です。つまり、これまで学習したことを使えば解けるということに気づかせる必要があります。そして、学習したことが使えないとなると、そこを復習して着実に身につけるのです。
まさしくここで「個別最適な学び」が生まれるのです。

もう1つは、担任として個々の学力の把握の重要性を示すことです。
学力とは学力調査の平均点では無いのです。
個々に何ができているか、何ができていないかを担任として把握しているのかを問います。
例えば、「国語の音読について、教科書を初見でクラスの誰がスラスラ読めるか」「クラスの誰が、かけ算九九のどの段が言えて、どの段が言えないのか」「クラスの誰が、自分の考えを根拠を持って示すことができるか」等々、基礎的な学力の個々の状況を把握して、そこから不足している学力をどう補っていくかが重要なのです。
十把一絡げに、学力状況調査の平均点を見ていても仕方が無いのです。

校長は教職員に対して見誤ったメッセージを発信してはいけないということを肝に銘じなければなりません。

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