見出し画像

日プ2出身の異色シンガーソングライター・笹岡秀旭ってどんな人?サマソニに出る?人気の理由と現在の活動

この記事にたどり着いていただきありがとうございます。
本稿は2022年に執筆したものです。
2024年最新版記事は以下にあるのでよろしければ最新版をご覧ください。

2023年11月現在、笹岡はhideaki sasaokaという名前のソロシンガーとしてデビューし、地上波音楽番組に出演を果たしたりDAMチャンネル内でCMが流れたりしています。
これからの笹岡のますますの活躍に乞うご期待!といったところ。
プデュ期~デビュー前の思い出を懐古したい方は以下の本文もお読みいただければ幸いです。

以下、本文です

===========

2021年に放送され、INIやOCTPATHといった人気ボーイズグループを生み出したサバイバルオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」(日プ2)。笹岡秀旭は、番組に参加できる「101人の練習生」に選出されながら、惜しくも番組終盤で脱落となり、デビューメンバーには選ばれなかった元練習生の1人だ。総合力の高い練習生で、特にボーカルの実力には定評があったが、番組内でその存在が大きく取り上げられることはなかった。しかし笹岡には独特のアツいファンがついていて、その熱狂ぶりは他の一部視聴者の間でもたびたび話題になるほど。本稿では笹岡がそこまでの人気を獲得した秘密と番組終了後の活動、現在の姿まで、そのひとつずつを追っていきたい。

日プ2本編開始前の評価

新型コロナウイルス感染拡大の影響下にあって開始した日プ2では、SEASON1とは異なり、本編の放送開始前に「オンタクト能力評価」と呼ばれる評価期間が設けられていた。101人の練習生たちは、配信サイトにアップされた課題曲のダンス、歌唱、1分PRを短い動画で披露して国民プロデューサー(国プ:投票権を持つ視聴者)に評価してもらい、そこで人気のあった上位60名が、続く本放送に参加できるという仕組みだ。

笹岡は1分PRの冒頭、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』に出てくる猗窩座(あかざ)という鬼の扮装と決めポーズで登場。開口一番「お前も笹岡秀旭に投票しないか。投票しないなら国民プロデューサーをやめてもらう」と初対面の国プをいきなり脅迫するという大胆な行動に出たことで、この1分PRが印象に残っている国プも多いだろう。決して精緻なわけではないが、それなりに準備に時間はかけたであろう手作り感満載の扮装だったにもかかわらず、このネタを「はい、冗談です」の一言で終わりにして、さっさと次の生真面目な自己紹介(初めまして、僕は埼玉県出身、20歳、笹岡秀旭です!)に切り替えたことも笑いを誘った。

そして、この1分PRの冒頭10秒で視聴者が「手が込んでいるな」という印象を受ける理由は、実は猗窩座のコスプレだけではない。本人がこの後さらっと紹介している通り、猗窩座に扮している後ろで流れていたBGMまでもが、笹岡が「本家様に似せて作った」という手作りなのである。「本家様」である劇場版のBGMと聴き比べてみると、その再現度の高さに改めて驚かされることだろう。全く同じなのではなく、あくまで「それっぽく聴こえる」ような独自アレンジも加えられている。ここで「特技が楽曲制作」であることをさらりとアピールし、同時に証明もしている形だ。
そしてこの時点では鬼滅の刃に詳しい国プがあまりいなかったためか話題にならなかったが、無限列車編が劇場公開されたのが2020年10月、1分間PRが撮影されたのが2021年1月。当時はまだ無限列車編のDVDやBlu-rayはなく、映画のサントラもリリースされていない時期だった。正式な音源がなく、劇場でしか聴けなかったはずの「本家様のBGM」を笹岡はどうやって再現したのか――。本人はさらりと紹介した特技だったが、実はとんでもなく高度なことをやってのけていたのではないだろうか。

当時ここまでわかっていた国プは少なかったと思われるが、このPR動画のコメント欄を見ると「一見ふざけたことをやっているけど根がとてもまじめそう」といった類のコメントが少なくない。動画後半は奇をてらわず自己紹介するだけのシンプルな内容になっており、素の姿が垣間見えるようになっている。1分という限られた時間内で、国プに最大限自分のことを知って興味を持ってもらうために、よく練り上げた構成だったことが窺える。

笹岡の発信するコンテンツはこのように、「一見してくすりと笑える面白さ」があるのと同時に、「よく見ると実は隠されていた何かが見つかる面白さ」もある。考察や深読み好きなオタクたちが知らぬ間に笹岡の深みにハマっていってしまうことは想像に難くないだろう。

一方、練習生たちの歌声に注目していた国プにとっては、笹岡といえばボーカルのイメージが強いかもしれない。オンタクト動画公開時、「歌がうまいと思った」「声がいいと思った」練習生として笹岡の名前をあげる国プも少なくなかった。オンタクト能力評価の自由曲で笹岡が歌唱曲に選んだのは、米津玄師の『感電』だった。1分PRでコミカルに猗窩座のマネをして初々しく自己紹介していた姿からは一転、前のめりな姿勢と睨みつけんばかりの強い眼差しで別人のように堂々と歌い上げている。

笹岡の歌声の魅力である中低音の声質、リズム感、グルーヴ感、滑舌、音域の広さがこの曲ではよく活かされていて、撮り直しなしの一発撮りとは思えないクオリティに仕上がっている。それでいて原曲にはないアレンジも入っていて、ライブでの強さを自ずと想像させた。2022年5月現在、You Tubeでは27万回以上再生されていて、その再生回数は今でも伸び続けている。『感電』を笹岡の真骨頂とするファンも多い。

最後に課題曲『ツカメ』のダンス動画では、性格が現れているような丁寧で正統派なパフォーマンス姿を見ることができる。動画のコメント欄では、持ち前のリズム感を活かした音ハメに対する評価が高かった。また、ダンスプラクティス動画の時点では間違っていた軸足やターンの向きが、本番では修正されているなど、地道に細かいところまで気を配って練習を積み重ねてきたことが窺えた。
本人は「自信があるのは歌で、ダンスは練習中です」「ダンス歴は、ぎゅっとして1年くらい」という内容の発言をしていたが、動きのキレやウェーブなどは初心者とは呼びがたいレベルだと思われる。ダンス歴の詳細も聞いてみたいところだがその点はまだ明かされていない。

日プ2本編での戦いぶりと「笹岡メンタルクリニック」

本編放送の中で笹岡が披露したステージは、クラス分けテスト、グループバトル、ポジション評価、コンセプト評価の計4回だった。(コンセプト評価ではチーム優勝特典として倍速バージョンのステージも披露している。)

クラス分けテストでは、日プ2の最終順位1位となってデビューを掴んだ木村柾哉をはじめ、実力者ぞろいの面々と共に「DU QUINTET」というグループを組んで、SEVENTEENの『24H』をパフォーマンスした。ポジションは公式には明かされていないが、笹岡は難しい高音パートを担当していたため、メインボーカルだったと思われる。5人という最多人数グループでの難しいフォーメーションダンスをこなしながら高音ボーカルも頑張っていたが、少し惜しい箇所があったためか最初の評価は「C」となった(後の再評価では「B」クラスに昇格している)。

グループバトルでは、「弁当少年団」というグループ名でBTSの『I NEED U』を披露。笹岡はここでもメインボーカルを担当した。弁当少年団についてはもう一本別の記事にしても書ききれないほどたくさんのドラマと後日談があるので、詳細は他の方の記事を参照されたい。
バトルの結果だけ記しておくと、グループは相手チームに6票差の僅差で惜敗。笹岡個人では現場投票で54票を集め、全体順位で60人中9位に入って現場での評価の高さを見せた。

続くポジション評価では、笹岡はボーカルポジションの曲を選んで『さよなら青春』チームに。メンバー5人中4人が前回のグループバトルでメインボーカルを務めていたというボーカル特化チームとなった。
笹岡はグループ内投票で当初はメインボーカル(つまりセンター)に選出されたが、30位前後の「崖っぷち」メンバーがそろっていたこともあり、センターを諦めきれない他メンバー(阪本航紀、上田将人)からの申し出で他グループメンバーの選考による「センター再選」が行われ、結果として笹岡はポジション評価でのメインボーカルを諦めることとなった。
それでも笹岡は腐ることなくステージを全うし、与えられたパートでインパクトを残して、現場投票では110票という多くの票を集めた。これはボーカルポジション全体で4位という好成績だった。現場で歌声を聴いた国プはその声量に圧倒されたという。マイク乗りがよく、非常に会場に響く歌声の持ち主だと関心を集めたようだ。

笹岡にとって日プ最後のステージとなったコンセプト評価では最大のドラマがあった。
コンセプト評価は、番組が用意した5つのオリジナル曲のうち、練習生たちにパフォーマンスしてほしい曲を国プが選んでその投票結果により誰がどの曲をやるのかが決まるシステムだ。「クール」なコンセプトが似合う練習生はクールな曲に、「カワイイ」コンセプトが似合う練習生は可愛い曲に、ラップが得意な練習生はラップ曲に、といった具合である。
しかし各楽曲には定員があり、誰もが希望どおりの曲に行けるわけではない。また、これまでのバトルでずっと同じようなコンセプトで来ている練習生は、これまでとは違う、ほかの一面も見せたいという思いもあるだろう。
各練習生のファンたちは、自分の推しメンにどの曲を推薦するべきか、日々悩んで話し合って、時には他の練習生のファンダムと結託もして、どうにか推しメンが一番輝ける舞台に連れて行こうと画策するのである。

クラス分けテストやグループバトルで高音ボーカルを担当してきた笹岡については当初、候補5曲のうち、さわやかな高音が印象的な『Another Day』やスタイリッシュな『A.I.M』が似合うのではないかとする国プの声が多かった。しかしオンタクト能力評価の『感電』で笹岡の中低音に魅了されたファンたち(笹プ)は、本編放送が始まってからまだその魅力を十分発揮できていないことを憂慮していた。コンセプト評価では何とかして高音曲ではなく笹岡の中低音が活かせる曲に入ってほしい、そんな思いが強かった。そのため、ファンの間では『Another Day』や『A.I.M』ではなく、ロック調の『SHADOW』かヒップホップ色の強い『Goosebumps』かで意見が割れた。

ファンの間で話し合いを重ねるうち、笹岡が本編放送開始前のスペシャルで、「HipHopのビートメーカーを目指していました」と書いたボードを持って映り込んでいたことを思い出した人がいた。本人がビートメーカーを目指すほどならきっとヒップホップが好きで『Goosebumps』をやりたいのではないか。また、『Goosebumps』のようなラップ曲で得意のボーカルを活かせるパートがどれだけあるかは不透明だったが、ラッパーばかりが集まってきてボーカル不足になる可能性も考えられた。ほかのボーカル曲に行ってたくさんのメインボーカル候補者と競合するより、この曲でラッパーの中に混ざることでこそ、笹岡のボーカルが輝けるのではないか。そのように意見がまとまり、笹プとしては『Goosebumps』を推すことに決まったのだった。

国プは練習生たち自身の希望を知ることなく曲を推薦したのだが、どちらかというとおとなしく目立たないイメージがあった笹岡が「オラオラ系ラップ曲」を希望したことも、笹岡のファンたちがそういった曲を選んだことも、他の国プには初め驚きをもって受け止められた。結果として双方の希望が合致したことがさらに奇跡的だった。
本番ステージでは、笹プの狙い通りラッパーが多い中で笹岡はメインボーカルとなって曲中の難しい部分をカバーし、チームのボーカルを支えた。正確な音程とリズム感、声量おばけと称されるほどの声量、癖のない突き抜けるような高音ボーカルが存分に活かされたステージだったといえる。また、本番ステージ以外に後日公開されたダンスプラクティス動画では、ダンスの得意なメンバーたちの中にあって引けを取らないほどのダンスも披露。猛練習の跡が見えた。

バトルの結果は、見事チーム優勝であった。ずっと惜しいところにいた笹岡にとって、これが初めての勝利だった。

勝利特典として、オリコンとananwebからそれぞれ個別インタビューを受けており、その内容がweb記事になっている。番組では放送されなかった本人の心境をここで少し知ることができる。オリコンの記事では、チームでメインボーカルを担当することになった経緯などが語られている。ananwebの記事では、『Goosebumps』のことを「運命の曲」と語り、勝利の喜びを表した。また、この道を志したきっかけも初めて明かしているのだが、その中で、Kポップやヒップホップシーンについて、

応援してくれている方々のために、無料でサウンドクラウドに自分の誕生日や結成日みたいな記念日に楽曲をアップして、曲をプレゼントするという文化があるんです。いつか僕も自分が作った楽曲を、応援してくださる皆さまにプレゼントできたら素敵だなと思っています。

https://ananweb.jp/column/kpop/353493/

と話していた。笹岡のことを理解するのにとても良い記事だと思われるので機会があればぜひ読んでもらいたい。

この『Goosebumps』のステージで笹岡のボーカルはそれまでより広く多くの人に評価されたが、オーディションの投票期間はコンセプト評価のステージ披露からわずか数時間で締め切られ、残念ながらほとんど投票結果には影響しなかった。笹岡はこの後、6/3に放送された第2回順位発表式で最終順位25位になり、番組を去ることとなった。

笹岡について語るとき欠かせないのがパーソナリティだ。日プ2ではそのあまりにも優しい仲間思いの性格から「笹岡メンタルクリニック」という二つ名がついたほど。

クラス分けテストでは、ステージ上の講評で褒められた後の態度についてきつく注意を受けたチームメンバー(小林大悟)に対して、メンバー全員がステージを降りてから重苦しく言葉を探す空気の中で「いっぱい頑張ったから安心したよね。そうだよね、そりゃするよ」と1番に声を掛けていた。

グループバトルの練習中には、思うようにダンス指導できず葛藤するメンバー(井筒裕太)に対して「いいんだ、いいんだ」とフォロー。

ポジションバトルでは、一度は自身がやることに決まっていたセンターを交代することになっても、相手(阪本航紀)に「最高の作品を作ってくれよ」と言ってハグ。

コンセプト評価の練習中には、精神的な限界がきたリーダー(池﨑理人)が一時練習を離脱することになった際に「今無理しなくても間に合うから」と背中に手を当てていた。

どの場面も笹岡自身も苦しかったはずの瞬間だ。しかし自身の悔しさや葛藤は表に出さず、そばにいる仲間のことを先に思いやってすかさず声を掛けていた。
ほかにも、精神的につらいシーンが多かった日プの合宿生活において、涙する練習生を笹岡がハグしている姿が何度も何度もカメラに捉えられている。「日プのベイマックス」と呼ぶ人もいた。どんなときも相手を一番に考える笹岡の優しさは、他人と競い合うサバイバルオーディションにおいては時に不利に働いたこともあったかもしれない。

しかし、である。笹岡のメンタリティは優しさだけでできているのではない。誠実でまじめでありながら、ひときわ様子がおかしいユーモラスさもある。素直でまっすぐでありながら、誰よりも策士な一面がある。慎重でクレバーながら、大ざっぱでおおらかだ。そのギャップのどれもが笹岡らしさなのである。その片鱗は番組中にも垣間見えていたが、オーディション終了後、番組の中から抜け出した笹岡は、より自由に自分らしさを発揮するようになっていく。

番組終了後の活動

日プ2の放送が2021/6/13に終了した後、番組に参加していた元練習生たちは徐々にInstagramなどのSNSアカウントを開設。毎日1人、2人と姿を現す中で、笹岡はSNSを開設するのか、それともこのまま音沙汰なく一般人に戻るのか、その挙動が注目されていた。

6/18の朝になって、Instagramに「笹岡秀旭(偽物)」という鍵つきアカウントが出現する。わざわざ(偽物)と書いてあるので笹岡を騙る誰かの悪戯だろうと思われたが、笹岡を待っていた笹プたちはちょっとざわついた。夕方、未設定だったアイコンが元練習生の森井洸陽の写真に変更される。プロフィール欄には「誰がヒデアキや!」の文字。ここまでは偽物の悪ふざけと思われたが、元練習生で笹岡と最も親しかった宮下紀彦がフォローしたことで、状況が一変。さらに、アイコンの森井の写真はまだ世に出ていないものなのではないか?となり、関係者のアカウントである可能性が出てきた。笹岡なのか、森井なのか、それともほかの練習生なのか。笹プが混乱しているうちに、宮下はいったんフォローを外してしまった。宮下のフォローは間違いだったのか?とさらに状況は混とんとしていく。その後、(偽物)アカウントは弁当少年団のメンバー(笹岡と篠ケ谷以外はInstagramを既に開設していた)と宮下をフォローし始める。なんと、それに対して内田正紀がフォロー返し。しっかり者の弁当少年団リーダー・内田が間違ってフォローしたとは考えにくく、やはりこのアカウントは練習生の誰かなのではという期待が高まっていく。さらにその後、宮下が再度フォロー。一度は何かの間違いということもあるが二度目はさすがに意図的なものだろう。これは確実に何かが起きているという期待と緊張感が頂点に達した20時になって、プロフィールが「エイプリルフールでもないのにすいません」に更新されるとともに、アカウント名から(偽物)が削除され、笹岡本人のアカウントだったことが種明かしされたのだった。

1日がかりの手が込んだ「SNS開設劇場」とでも言うのだろうか。日プ2のさまざまな動画・写真コンテンツでも毎回手の込んだ仕掛けを入れていた笹岡だが、彼はSNSの開設すらもエンタメにしてしまうのであった。(なおその後、笹岡を追うように森井のアカウントも開設された。結局ふたりの間でどんなやり取りがあってこのような開設の仕方になったのかは今日まで明かされておらず、ファンの想像に委ねられている。)

笹岡はInstagramアカウントの偽物騒動の種明かしと同時に、Twitterアカウントも開設している。しばらくSNSではbio欄の何気ない一言の更新のみで、投稿もストーリーもゼロの状態が続いたが、7/1に「七夕🎋」とbio欄を更新し、7/7に何かが起きることを予感させた。7/3には「七夕 18:00」になり、より明確な予告に。

笹岡はこのように、情報を出しすぎず、ファンと適度な距離感を保ち、さりげない一言でまめな生存報告を続け、楽しみな予定は小出しにするというやり方で、ファンを飽きさせず笹岡を追いかけ続けたくなるように仕向けている。さらに、毎回更新があるのが通常投稿とは限らないため、「気づいたらbio欄の一言が変わっていた」「フォローしているアーティストが増えていた」「いつの間にかアイコンが変わっていた」といったことがままある。のめり込んだファンはさながら宝探しをするように笹岡のSNS上の一挙手一投足を見守ってしまうのである(もちろん、ライトに追っているファンは通常の投稿だけ見ていれば大切なお知らせを逃すことはほとんどない)。アーティストのSNSの使い方として理想的といえるかもしれない。

そして予告した7/7に、自作曲『I LOVE YOU TOO』がYouTubeで発表された。これは、日プ2で応援してくれたすべての人に対する感謝と愛を歌った曲だった。本作は笹プにとどまらず他の国プたちにも大きな反響を呼び、約2週間で10万回再生を突破した。

また、同曲は無料で音楽を聴けるプラットフォームであるSoundCloudにもアップされた。『Goosebumps』の勝利インタビューで語っていたとおり、七夕という記念日(名前に「笹」の字があることから、笹プが笹岡を象徴する日だと考えていた)に、自身が作った曲を無料でファンに向けてプレゼントしてくれたのである。さらに『I LOVE YOU TOO』は、SoundCloudのランキングで、ジャンル別1位を獲得。日プ2では「必ず1位になってデビューするので応援よろしくお願いします!」と挨拶していて結局最後まで叶わなかった「1位になる」という夢を、日プ2終了から1か月と経たずに別の場所で叶えてしまった。何から何まで有言実行する人なのだ。

その後もこまめにSNSを更新しながら、精力的に音楽活動を継続。7/20には『カブトムシ』のカバーを、8/18にはオリジナル曲『夏だね。』を、9/18には『きらり』のカバーを、10/23にはオリジナル曲『Tell me why』を、12/24には『クリスマスイブ』のカバーを発表した。年が明けて2/14には弁当少年団の内田とともに『春雷』のカバーを発表した。7月からの7か月間で7曲を発表したことになる。
オリジナル曲で作詞作曲編曲を行っていることはもちろん、カバー曲でも毎回編曲まで手掛けて音源制作を行っており、自身が発信する音楽に対する自負とこだわりを感じさせる。

この間、実家の自室からお喋りを届けるYouTube Liveも3回行っている(一定期間アーカイブが残された後に現在はすべてYou Tubeチャンネルから削除済み)。頭の回転が早い上に声が良く、優しい言葉を選び、話しぶりも落ち着いている笹岡はラジオ向きで、お喋りも毎回好評だ。

この期間の小話は無数にあって本稿では書ききれないのでまた別の機会とするが、笹岡を構成する(とファンが考えている)要素だけここでは簡単に紹介したい。

実はこんな一面も

  1. ユーモアたっぷり、ときにこっそり様子がおかしい人

  2. 少年ジャンプ大好きジャンプっ子

  3. いいね欄がポッチャマとネコだらけ

  4. 「ファンサ神」

笹岡のユーモラスさは日プ2の1分PRから十分伝わってきていたが、番組終了後も折にふれて見ることができる。
日プの自己紹介で「趣味はカブトムシを捕まえること」と言っていた笹岡は、ウケ狙いではなくて実際にカブトムシ採取が趣味のようで、2021/7のYouTube Liveでも「最近もカブトムシを捕まえに行きました」と話していた。そして次週公開予定のカバー曲は「夏にぴったりのバラード調の曲なのでお楽しみに」としていたが、いざ公開されてみたらそのタイトルがまさかの『カブトムシ』だった、ということがあった。
また、2021/8にInstagramに投稿されたストーリーでは、夜空を映した映像とともに「え!?あれUFOじゃね!?」の文字。暗闇に目を凝らしていると、そこに……という内容だったが、想定外のオチにTwitterには一時「笹岡wwwww」というツイートがずらりと並んだ。(このストーリーとほぼ同じ内容が現在TikTokにアップされているので気になる人は見ていただきたい)
さらにそれから数か月後、『U.F.O』は笹岡のオリジナル曲のタイトルにもなっている。どこの何が次の伏線となっているのかわからないところも笹岡を追う楽しみのひとつだ。

笹岡は自身をジャンプっ子と語っているとおり、普段から週刊少年ジャンプの漫画をよく読んでいる。bio欄には時々アニメの話題も現れる。もちろんストーリーやキャラクターなども好きなのだろうが、アニメの話題になるとすかさず「あれはオープニング曲が良かったですよね」「あの映画は劇伴が好きです」と音楽の話になってしまうので、心底音楽が好きなのだろうということも窺える。

笹岡の好きな動物はペンギン。Twitterのいいね欄には水族館のペンギンやポッチャマが並んでいる。また、YouTubeで人気のお猫様「もちまる」の動画も毎日見ているそうだ。可愛いものに癒されるという素直な感性もまた良い。

日プ時代から、ステージ上での笹岡のファンサービス(ファンサ)がすごいということは話題になっていたが、笹岡はとにかくファン思いだ。
ことあるごとに「大好きです」「愛してます」と言葉にしてファンに伝えてくれるだけでなく、行動でもそれを示してくれる。
数日に一度はSNSのどこかを動かすことでファンに生存確認させてくれたり、ハロウィンにはコスプレを期待するファンのためかわざわざ工作してお面を作った姿をアップしたり、エイプリルフールには画像を加工して壮大な嘘(?)を発信したり。何より、笹岡の歌を聴きたい、ライブで笹岡の生の歌声が聴きたい、というファンの夢に応えるため、日々たった一人で努力してその日のために準備を続けてくれている。何の保証もないのに自身の人生をかけて笹プとともに夢を追い続けてくれていることが、一番の特大ファンサだろう。

アーティスト活動の本格化

笹岡は、2022/4/29、初のDigital EPとなる『purple』を各配信サイトよりリリースした。事務所やレーベルに所属することなく(※1)、作詞作曲編曲、ミックスマスタリングまで自主制作で行うシンガーソングライターとして、アーティスト活動を本格始動させた。
(※1)2023年9月現在では、事務所への所属は名言されていないが、「クリエイティブチーム」「ボーカルディレクター」といったスタッフがついた活動となっており、チーム体制での運営がなされていると推測される。

このEPには、表題曲の『purple』をはじめ、『U.F.O』『乗せて』の2曲と、それぞれのインストの計6曲が収録されている。
今作はiTunesのJ-POPアルバムデイリーランキングで10位になるなど、各種ランキング上位にチャートインを果たした。
また5/1には満を持してTikTokアカウントを開設している。

そして現在…サマソニに出る?

6/3、笹岡はサマソニ出演をかけたオーディション「出れんの!? サマソニ!? 2022」に参加していて1次審査を通過、2次審査中であることを明かした。2次審査では一般投票もあり、元国プたちは再び投票という形で応援しようと盛り上がっている。2次審査を通過して最終審査の狭き門も通れば、サマーソニック(サマソニ)という大きな舞台に出演することができる。

2021年のYouTube Liveで「音楽フェスに行きたいし、自分も出たい」と語っていた笹岡。好きでTwitterでフォローもしているイギリスのロックバンドThe 1975にハマったのも、敬愛するB'zを見るためにサマソニに行った時のことだという。
2022年のサマソニにはそのThe 1975の出演が決定している。
笹岡にとって憧れのサマソニで、The 1975と同じ舞台に上がれるとしたら、最高にアツい。
また、日プ2で切磋琢磨した仲間であるOCTPATHも今年のサマソニに初出演する。彼らとステージ上で再会できたなら……これもまた多くの人の胸を熱くさせるドラマになるだろう。
「出れんの!? サマソニ!? 2022」の2次審査の一般投票期間は6/3~13。実は、6/3というのは昨年の日プ2の第2回順位発表式で笹岡が脱落した日であり、6/13は日プ2のファイナルの日でもある。つまり昨年、ファンが笹岡に投票したくてももうできなくなってしまった期間がちょうど6/3~13なのだ。これはどんな運命のいたずらだろうか。
彼の愛読する週刊少年ジャンプを地でいくような笹岡秀旭の人生は、あまりにも少年漫画展開でおもしろすぎる。

最初に発表したオリジナル曲『I LOVE YOU TOO』には次のような一節がある。

空高く羽ばたく翼がもうないなら走っていくよ君まで

https://www.youtube.com/watch?v=dnHkFrOorL4

この言葉どおり、夢に対してどこまでも純粋で、音楽に対して誰よりも情熱を燃やし、ファンとステージで再会できる日を目指して地道かつ猛スピードで道なき道を開拓しながら突き進んでいる。そんな笹岡だから目が離せないし、つい応援したくなるのだろう。
まだまだ笹プとして彼を追いかける日々は続きそうである。
あの日途切れかけた夢の続きは、笹岡自身が切り拓いていく道の先に確かに広がっているのだから。

***

最後にお知らせ。
笹岡くんの「今」は、彼のSNS(Twitter/Instagram/TikTok、すべてIDは@hideokasasaaki)で知ることができます。
この物語の続きはぜひ、彼のアカウントをフォローして見届けてください。

【9/17追記】
新曲が国民的ヒット曲ばりの神曲だったのでとにかく一度聴いてください

【6/7追記】
6/7の20時から笹岡くんのYou Tubeチャンネルにて生放送がありました。1週間程度アーカイブが残るそうなので、お喋りする笹岡くんをこの機会にぜひ。この世の中は海老でできている。

***

オンタクト能力評価 1分PR


オンタクト能力評価 自由曲(VOCAL)『感電』


オンタクト能力評価 課題曲(DANCE)


コンセプト評価1位特典『Goosebumps』倍速バージョン


オリジナル曲『I LOVE YOU TOO』


オリジナル曲『purple』


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?