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#32 ベトナム店舗工事|覚えておきたい備忘録


■このマガジンについて

ベトナムホーチミン市にネイルサロンをオープンしたのは、2016年8月。
フリーフォトグラファーとして日本で気ままにやってきた私が、ベトナムで1からお店を作って、スタッフを持つなんて考えた事がありませんでした。
でも、あるとき海外でチャレンジしたい病にかかってしまったのです。
それからは、新鮮で刺激の多い日々...。


全てが初めてでどれも大変な作業の連続。落ち込む事も多いけれど喜びの方が多いんです。
だって、毎日楽しいんだもの。


■今後の為に覚えておきたい備忘録


ホーチミンの古アパート

ベトナムホーチミン市 42Nguyen Hue(グエン・フエ)アパート。
このアパートはサクセスストーリーが生まれる場所と言われている。

ベトナム政府によって近々アパートが取り壊しになる計画が出ている。

それをを知りながら、私はここでネイルサロンを作ることに決めた。

ここでは、私がいままでやった「あー、しくったな。次は注意しよう」と思っている事をまとめた。


■備忘録1【電圧に注意せよ】


お店の中心を彩る照明器具は、ベトナムで購入orオーダーメイドをするつもりだったが、自分の足で探す時間と余裕が無いことに気づく。

ベトナムから、日本のwebサイトで照明器具を探し、自分がほしいと思うものを1つずつ購入していった。

ホーチミンに持っていった照明

日本で買った照明器具

日本から送った照明器具

■■備忘録:電圧について■■
日本の電圧は105V。ベトナムの電圧は220V。
日本の電圧で作られた照明器具は220Vに耐圧しきれない。
万が一使えたとしても一瞬。最悪の場合発火してとても危険。
なので、220V対応でない機器を使いたい時は変圧器または、仕様変更が必要。

ちなみに、ベトナム人は何でも修理して使うのが上手。
電圧の変更はすぐにやってくれるので、照明器具は好きなデザイン重視で買っても問題ないとわかった。

照明器具店などで相談するのが◎

■■備忘録:電圧の注意点■■
デスクトップPCなどは精密機器なので、電圧変更は難しい。
基本は変圧器を使用するが、ベトナムはインフラがまだ整っていない田舎などでは日常的に停電する。停電が重なるとPCも壊れやすくなるので、その辺りは要検討かな(ホーチミン市1区では停電は少ないですが、古アパートなどは館内自体が停電することも多いので注意)

私の店ではノートPCを使うことにした。
ノートなら、ACアダプターが電流を調整してくれるから、いきなりPCがシャットダウンすることもないのが理由。

■ACアダプターとは
電源コンセントと機器本体との間で、交流電源を直流電源に変換する装置のこと。ノートPCの電源コードはほぼACアダプターがついているよね。
たいがい105V-240VまでのINPUTが出来ると書いていて、この範囲内の電流なら、このACアダプターが直流電源に変換してくれるから壊れないよ。
■■備忘録:電圧での失敗■■
無知だった私は、日本から持ち込んだプリンターを変圧器を通さずそのままコンセントに挿して電源を入れた事があった。
そのプリンターにはACアダプターが無いタイプだった。
言うまでも無く、秒で壊れた.....。
町の修理屋さんに修理してもらい、一瞬使えたけが、またすぐ壊れた。


■備忘録2【ペンキの色選び】


私が作るお店、KawaiiNail&Eyelashのイメージカラーはブルー。
だから、部屋の1壁面はブルーに塗り、リラックス感を印象付けたかった。

完成予想CGパース↓

お店の完成予想CG

しかし、借りた部屋の壁はレンガのような赤茶色。
上塗りしても綺麗な色が乗らないので、白のモルタルを塗り、壁の凸凹を埋めつつ平に仕上げたのは良かったが......。

元々の壁面の色↓

塗り替える前の壁

モルタルを塗り、ヤスリがけをした後の壁↓

モルタルを塗った壁

■■備忘録:大きい壁面に塗るペンキの色はちょっと濃い目がいい■■
ペンキはカラーカードを見て好きな色を選んだ。が、小さい面積で見る色と大きな面積で見る色の印象が変わるのだと塗ったあとに知る。
(これを面積効果という)
選んだ色で発色しているが、大きな面で見た場合、実際に選んだ色より明るく(薄く)見える。
KawaiiNail&Eyelashの壁面はw4500:h3200以上あった。
乾いた後に見ると「色うっすっ!!」と思わず声が出るほどだった。

ベトナム人の作業現場



色が薄すぎて全く記憶に残らない。
「このままの色ではダメだ」と私はワントーン暗めのペンキを買い直し、再度上から塗ってもらった。

ブルーペンキ

色を塗り直した後↓

壁の塗り直し後

■■備忘録:ペンキは塗った直後で色が変わる。乾くとムラはなくなる■■
2度目にペンキを塗った直後、思っていたより濃かったので「今度は濃すぎた!」と思ったが、乾いた後はいい感じに薄くなっていた。また、ムラも塗った直後は目立つが、乾くと無くなる。
ちなみに、水性ペンキを塗って乾かした後は乾拭きしたほうがいい。
乾いた壁を撫でると、手に白い粉がいっぱいついて、お客様の服が汚れると大変だから。


■備忘録3【タイル選びのポイント】


テラス、トイレ、キッチン、ランドリーのタイルは自分で選ばなければならない。
私は3種類のタイルを買った。

購入したタイルの種類
①トイレの壁面に張る大きなタイル
②ザラザラした質感のタイル
③ツルツルした質感のタイル

ベトナムで買ったタイル

白い大小のタイルはどちらもツルツルとしている。
グレーのタイルは、ザラザラしていてマットな質感だ。

なぜ白とグレー、質感の違うタイルを買ったのか
白タイルは、明るい印象を感じさせたい部屋用に買った(主にテラスの床)
グレーは、ザラザラなので滑りにくい。だから、トイレやキッチン用に買った。またグレーは汚れが目立ちにくいと思ったのが理由だった。

しかし「チョイスをミスったなぁ」と思っている。
確かにザラザラしたタイルは滑りにくい。しかし、細かい凹凸に汚れが溜まるので汚くなりがちだったのだ。

タイルを貼ったすぐから、ざらざらの表面についた目地材を取るのに苦労した。

グレーのタイル


それに、ベトナムの目地材は真っ白では無いし、職人さんが汚れた手で目地を埋めるからか、目地の色にムラが出てしまう。

水場や汚れやすい場所のタイル目地は、グレーや黒にすればよかった。

タイルを掃除しているところ

■■備忘録:タイルの質感に注意■■
表面がザラザラしてるタイルは、細かい凹凸に汚れが溜まるので汚くなりがち。逆に、ツルツルしているタイルは掃除しやすいが滑りやすい。
もしかすると必要かもしれないと、日本から持ち込んだメラミンスポンジで掃除すると、すぐにきれいになった。スタッフはメラミンスポンジに感動しめちゃくちゃ掃除を頑張ってくれた。(当時のベトナムにはメラミンスポンジは無かったが今はベトナムにもダイソーがあるので購入できる)

話は変わるが、店舗工事が始まったすぐの頃、タイルの上でコンクリートを練られた事があった。

運が悪いことに、この部屋のタイルはザラザラした質感のものだった。

コンクリートが乾く前に掃除してほしいと頼んだが、時すでに遅し。
一部、固まったコンクリートは、取り除くために2人がかりで掃除する羽目になった。

ベトナム人が必死に掃除する

結局完璧には綺麗にならず...
個人的にタイル選びはちょっとしたトラウマになりそうだ。


左:掃除前のタイル↓       右:掃除後のタイル↓

セメント掃除前掃除後



■備忘録4【収納は多いほうがいい


私がネイルサロンを作ろうと思った理由の1つは、材料が小さくて少なく始められる事だった。

しかし、6客席ある規模のお店なら、材料や道具はそれなりの物量だ。

ネイル道具以外に場所を取るもの
チラシやメニューなどの紙類・スタッフの衣類やかばん・タオル類・ネイルサンプル帳など。

特にチラシやメニューは100部も1000部もベトナムではさほど金額が変わらないから多く頼んでしまいがち。

ショップカード、紹介カード、スタンプカード、メニュー(日・英・ベトナム語)、お店のチラシ、ポスター......

これらがめちゃくちゃ場所を取るのだ。

それに、スタッフの荷物(服やバッグ、靴)は積む事が出来ないし、人数が増えれば増えるほど面積を取る。

これらを見えないように工夫するのは大変だった。

■■備忘録■■
店舗では、見せる収納より見せない収納を意識したほうがいい。
スタッフは忙しいし急いでいるから、丁寧に整理しながら収納するなんて出来ないからだ。店が成長するにつれ、道具や材料も増えるし、スタッフ増とともに私物も増えていくことは当然のことだけど、結構頭から抜けがち。


■備忘録4【エアコンに注意】

縦に長い国、ベトナムの南に位置するホーチミンは、年中を通して25℃以上ある。
つまり、エアコンは必須だ。

ホーチミンの電気屋でみたエアコン

たいがいの物件には、すでにエアコンがついているのだが、私たちのお店はもともと住居で、エアコンはついていなかった。

古アパートの一室


新しく買うのはいいのだが、室内機を置く場所と、そこから排出される水をどこに流すかはちょっとした問題になった。

このアパートは、バルコニーがある部屋とない部屋があり、私達の物件は、バルコニーが無いタイプだった。

つまり室外機を置く場所が無かったのだ。

ホーチミンの古アパート

テラス席の様子

こんな暑い国で、クーラーが無いお店は話にならない。
私達は、苦肉の策で、アパートの中に作られた空洞(光ダクト)部分に設置した。

光ダクト

光ダクトとは
太陽の光を採光するために作られた空洞のこと。
自然光を反射の連続で運び、そのまま室内照明として使う採光システム。

フルアパートの光ダクト


ちなみに、室外機と、テラスのエアコンまでの距離は5mを超える。
おかげで、冷媒管はこのように、ながーーーいものになってしまった。

エアコンの長いホース

しかし、エアコンから出る水は、窓外に流すしか方法が無く、壁に穴を開けて管を窓外に出した。

エアコンの排水やりかた

ベトナムで道を歩いていると、どこからともなく上から水がポタポタと落ちてくる。

あれ、頭にかかったりして、ちょっと気分が下がるんだけど......

この工事をしてから「もしや、あのよくわからない上から降ってくる水は、エアコンから出る水説かも?」と思うようになった。

迷惑をかけたくはないけど、暑さには勝てない。すまぬ...。

■■備忘録■■
エアコンを自分でつけなければならない物件の場合、室外機を置く場所、エアコンから出る水を流す場所のチェックは必須。
ちなみに、ベトナムでは壁に配管を埋める事が多い。
別店舗での話だが、エアコンからの水がうまく排出されず、壁に浸透。黒カビだらけになったことがあった。壁がどんどん黒くなるのでとても見栄えが悪く、スタッフの健康もかなり心配する事例になった。
ちなみに、この時のエアコンは備え付けだったから、大家さんが壁の修繕を行ってくれた。







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