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#40 ゼロからお店づくり|ここまでこれたのはベトナム人のサポートがあったから


■このマガジンについて


ベトナムにネイルサロンをオープンしたのは、2016年8月。
フリーフォトグラファーとして日本で気ままにやってきた私が、ベトナムで1からお店を作って、スタッフを持つなんて考えた事がありませんでした。
でも、あるとき海外でチャレンジしたい病にかかってしまったのです。
それからは、新鮮で刺激の多い日々...。
全てが初めてでどれも大変な作業の連続。落ち込む事も多いけれど喜びの方が多いんです。
だって、毎日楽しいんだもの。


■プレオープンの朝


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ベトナムホーチミン市 42Nguyen Hue(グエン・フエ)アパート。
このアパートはサクセスストーリーが生まれる場所と言われている。


ベトナム政府によって近々アパートが取り壊しになる計画が出ている。

それをを知りながら、私はここでKawaiiNail&Eyelashという小さなサロンを作ることに決めた。


今日はグランドオープン前のプレオープン日。
私は、お世話になった方やご近所さんなどを招待した。

オープン時間まであと1時間あるというのに、入り口付近でそわそわしているネイリスト。

それに比べ「時間が足りない!」といまだにゴソゴソと作業をしている私。いつもながら、ちょっと落ち着けと言いたくなる。

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オープン10分前になった頃、廊下から「ゴロゴロゴロ〜」と大きな台車の音が聞こえてきた。

「なんだ?なんだ??」と外に出てみると、私のお店の祝花を乗せた台車の音だった。

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私:えぇ〜!こんなに沢山!?

タン:ゆうちゃん、KawaiiNail&Eyelashのオープンおめでとうございます!
このお花たちは、いろいろな人からのお祝いだよ。

私:こんなにきれいなお花をたくさん!?嬉しすぎる...

タン:ダラットの花もあるね。とてもきれいですね!
ベトナム人が花を贈ることについて思う事
ベトナムホーチミンは年間の平均気温が28度くらいです。
ハイビスカスなどの鉢花は長く楽しめますが、切り花は残念ながら長持ちしません。ちなみに、この時いただいたお花はおおむね4.5日で枯れました。
それでも、ベトナム人は花が好きだし、贈るのも好きです(花を贈るイベントが日本より多い)ベトナム人はその瞬間の気持ちを花に添えて表現するのが好きなのかもしれないね。
ベトナム南部のダラットは花の産地
ベトナムでの花の産地は南部の中部高原「ダラット」です。ここでは花の栽培が盛んで「花の街ダラット」と呼ばれており、ここで作られた花は色や形が美しく他と比べ高値ですが、人気があります。

たくさんのお花をいただき、胸がいっぱい。

「さあ、笑顔でお客様をお迎えして、楽しみましょう!」私はそう言って深く深呼吸した。


■最初のお客様は絶対彼女しか当てはまらない


来てくれたのはNgoc(ゴック)さん。

彼女は私の恩人で、私がベトナムホーチミンでネイルサロンを作ろうと思ったきっかけを作ってくれた人だ。
他にもサロンオープンまでの色々な事を手伝ってくれた。

私は彼女に一番最初のお客様になってほしかった。

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ゴック:ゆうこさん、オープンおめでとう!お店は本当にかわいい。

私:ゴックさん、あなたがいたからお店はオープンできました。本当にありがとう!

私達は、まだお客様が誰も居ない店内を見渡しながら、今日までの10ヶ月間の思い出話で盛り上がった。

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ゴック:どこを見ても素敵に感じます。ゆうこさん本当にお疲れ様!

私:ゴックさんからそう言われると本当に嬉しい。さあ、ネイルを体験してください。

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ゴック:このお店はとてもrelaxできますね。ブルーの色とか、明るい店内がとてもいいです。私はお姫様になった気分です。
まだホーチミンにはこういうスタイルのサロンはとても少ないです。これからが楽しみですね。

彼女の「これから楽しみですね」の言葉にドキッとした。

「いままでお店を作ることに必死だったが、今やっとスタートできたのだ」

私が本当に頑張らないといけないのは...これからだと改めて思った。


■私にとってのもうひとりの恩人


ゴックさんが帰った後、私にとってもうひとりの恩人、Tang(タン)くんが友達の女性2人を連れて店に来てくれた。

彼は、日本で働いていた経験もあり、日本語が上手でとても優秀なベトナム人。私のべトナム滞在中は通訳として一緒に行動してくれたし、私の日本帰国中は遠隔でも工事の様子を確認できるようにサポートしてくれた。

タン:僕はネイルできないから、友達を連れてきました。友達はKawaiiNail&Eyelashがオープンするのをずっと楽しみにしていましたよ。

さすがタンくん。

私は経営者として「私と関わりの無いベトナム人は、このお店に対しどんな反応をするだろう?」と知りたかった。その気持を、彼は分かってくれていたようだ。

知りたかった事
・お客様に対するスタッフの動きを見たい(雑な行動または遅すぎないかどうか)

・お客様同士が会話したり、リラックスできる距離感に席を配置できているか見たい(遠すぎず近すぎずの配列かどうか)

・人が増えた店内の空調は快適か(エアコンの温度設定、寒い場所や暑い場所の確認)

・BGMの音量(話をしやすく、うるさくなく、静かすぎず)

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「ネイル中に私が動き回り音を立ててしまうと、お客様の気を散らしてしまうかもしれない」

「私は彼らにとって外国人なので、近くにいると気を使わせてしまうかもしれない」

こんな風に考えていた。

だから、私は受付カウンターの中に入り、ソワソワした気持ちをぐっと抑えながら、目だけは忙しく四方八方に動いていた。

が、それは私だけでは無かったようだ。

タンくんも連れてきた友達に「痛くない?」「椅子の座り心地どう?」と色々インタビューしながら、みんなを見守っている。

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その時の彼がなんとも言えない表情で「ああ、タンくんもめっちゃソワソワしてる...」と印象に残っている。

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タンくんもお店が出来るまで本当に頑張ってくれたもんね。


ゴックさんは私のベトナム進出のきっかけを作ってくれた人だし、タンくんは私のやりたいことを形になるように実働で力を貸してくれた人だ。

どちらも恩人。ここまでこれたのはベトナム人のサポートがあったからだ。

感謝してもしきれないよ。


■ご近所さまにもお披露目


昼過ぎになり、ご近所のみなさんも続々と来ていただいた。

■■Nhan(ニャン)おばさん■■

彼女はアパート内のカフェにフードデリバリーをしている。

彼女の家は、私達と同じフロアにあり、彼女と一緒にKawaiiNail&Eyelashのオリジナルドリンクやフードを作った。

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■■隣の住人たち■■

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今まで住居だった場所が明日からネイルサロンとしてオープンする。

これからも隣人とは仲良くしておきたいし、きちんと挨拶をしておきたかったのもあり、ご招待をした。

ちなみに電話をしている奥の女性はChau(チャウ)さん。

初めてグエン・フエ アパートの物件を見に来たときに「この部屋は私が仕切るからよろしく!」と挨拶してくれた女性だ。



結局、物件を借りるまでのお世話や、その後のケアもなかったが......

アパートの6階に日本人が経営している広島風お好み焼き屋さんのマネージャーをしていて、彼女をきっかけに、その日本人オーナーと知り合えた。

彼女からの情報で、同じアパート内に日本人経営者がいること知った私は、スタッフを連れてすぐに食事に行った。

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おかげで、このアパートの取り壊し情報や、お店を運営する上での情報を教えてもらえる人に出会えた。


■おまけ


プレオープンでは、お世話になった方やご近所さんに来ていただき、みんな喜んで帰っていった。

明日はいよいよグランドオープン!

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私:今日みたいにお客様が沢山来てくれると嬉しいね。

スタッフ:はい。そうですね!明日のために私達は帰っていいですか?

私:もうそんな時間か。はい、そうしましょう。今日はゆっくり休んでね!

時刻は18時を迎えていた。
「私がホーチミンに滞在出来る日は残り3日かぁ......」

「残りの日数で何ができるかな」そんな事を考えつつ、私は花を置く花壇を作っていた。(欲しいのが売っていなかったから手づくりした)

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アパートの門が閉まる深夜0時ぎりぎりになり、門番に「あ!待って出ます!」と走って行くと、「こいつ!まだいたのか!!」としかめっ面で虫を払うかの如く追い出された。

これで2日連続怒られている...。

しかしそんな事は気にしない。
「滞在ギリギリまでやれることは全部やろう」
私は高ぶる気持ちを抑えるために、賑わう夜のホーチミンを歩いて帰った。

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KawaiiNail&Eyelash sns (@kawaiisaigon)

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合わせて読んでほしいエピソード

▼ゴックさんとの出会い、ネイルサロンを作ろうと決めるまでのきっかけ▼

▼お店のメイン商品「旅ネイル」ができるまで▼



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