「可愛いね」は最終地点であり通過点

そう言われたとき、とても嬉しかった。

大学2年生まで自分が決して「可愛い」に値しないことが嫌だった。
遠回しに「東京に染まらないね」と言われるが、裏を返せば「田舎っぽい」なのだと感じていた。

どうやったら可愛くなれるんだろうと悩んでいたけれど、自分でもわからない何かが足枷になって動けずにいた。どこから手をつけるのかわからなかったし、今のままでも楽だよな、と避けていた。

でもある日、キラキラアイシャドウと新宿のルミネで出会ってから私は少しずつ変わり始めた。

キラキラアイシャドウでメイクって楽しい!と思った。
髪の毛は成人式で伸ばしたのがきっかけで友人にも好評だしコスパが良いのでロングになろうと決めた。
ちょっと眩しい黄色のカーディガンとか、小さな花柄のワンピースとか、ベージュのオリエンタルトラフィックのサンダルとか、自分に似合うものが少しわかるようになった。

おしゃれって訳ではないけれど、気に入ってる服を着て、新しく買ったアイシャドウでメイクして、友達がくれたヘアゴムでポニーテールをすれば私は強いぞ!と自信が持てるようになった。

とても大事な友人から「可愛くなったね」と言われたときは、あ~よかった、変われた、と思えた。このコスメが良い、このバッグおしゃれかも、とかそういう話も楽しめるようになった。それまでは敬遠してたのに。

恋人に「理来、可愛いよ」と言われたときは頑張ってよかったと思った。
きっと2年前の私だったらそんなこと言われなかっただろうし、その時の私と会ってほしくない。絶対に好きになってもらえるわけがない。

「可愛いね」は最終地点だ。
このたった一言のためにスキンケアを毎日して、ダサい服を捨てて、妹からアドバイスをもらって、友達に服を見てもらって、髪の毛を伸ばして、頑張った。やっとここまで来た私、めっちゃ偉いな~~と思う。

でも、最終地点だけど。通過点でもある。

私の可愛さがここで止まるわけがない。
私はもっと可愛くなって、また違う私と会いたい。

とりあえずこの方向で頑張ったのは間違いじゃなかったと確認ができた。外見を磨くことがこんなに楽しくて、実感を得られるのだと知ることができてよかった。

今はまだ通過点だと思う。
さらなる「可愛い」を最終地点として、私はまたネットショッピングで新しいワンピースを探し、インスタでおすすめのコスメを見て、ダイエットに励むのである。

ちょろい女子大生の川添理来です。