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おまえが信じるおまえを信じろ

おにぎりです。

米ごときがフルートを習っています。
今月で始めて10か月。
飽きっぽさにかけては、場末のスナックのホステス・まみちゃんに
勝らずとも劣らずといったところです。

「ああ、まみちゃんの携帯カバーが変わったわ。また男を替えたのね」

ってな具合です。

まみちゃんは完全なる妄想ホステスです。

そんなまみちゃんばりの飽きっぽさを飼いならせないまま大人になったおにぎりですので、10か月コンスタントに練習を続けられたフルートは、おおむね「当たり」だったのではないかと思います。

フルートといえば、可憐で優美で女性の楽器というイメージが強いですが、
フルートをやりたいと思ったきっかけは、某アニメのオケコン(オーケストラコンサート)で
多久潤一郎さんの演奏を聞いたことがきっかけでした。

オケコンでは、フルートをはじめティンホイッスル(アイルランド発祥の縦笛)篠笛などを持ち替えプレイする大変パワフルなパフォーマンスをされていました。

「フルート、かっこええやん」

そんなわけで軽率にフルートを始めることとなりました。

実は時をさかのぼること、二十ウン年前、中学校入学と同時に吹奏楽部に入部し、はじめて吹きたいと思ったのはフルートでした。

フルートといえばバンドの花形。フルートの希望者は多かったように思います。
しかも希望者はみな一様に、見た目はローファーに紺ハイソがマストなコンサバ系なのに、我の強そうなマッスル女子ばかり。(偏見)

楽譜も読めない、むしろ小学生までは音楽に苦手意識を抱いていたわたしは
完全にしっぽを巻いて逃げることになりました。(その後なぜかチューバ⇒ユーフォという道にすすみます)

その頃の戦わずして負けた敗北感が二十ウン年で熟成したのでしょうか。
気が付けば、大手楽器店の門を叩いておりました。

楽器は独学では難しい、ある程度音が出せるようになるまでは吹ける人に着いた方がいいということは経験上分かっていたので、
はじめからレッスンありきで考えておりました。

月3回、レッスンがあるからこそコンスタントに練習をし課題をこなす。
それは、心にまみちゃんを住まわせるわたしとしてはよい選択でした。
「やらざるを得ない」状況にもっていかないと続きません。

しかし、このレッスン休もうにも振替ができず、強制的に毎月レッスンフィーを払わなければなりませんでした。しかも他に比べてかなり割高。
30分しかないレッスンではやってきたエチュードを流して終わり。
質問する間もなく次の生徒さんといった、ベルトコンベア方式に不満を持っていました。

ある程度吹けるようになってくると不満はさらに顕著になってきます。
もうすぐ初級レベルが終わるのですが、中級にうつるにはさらにフィーが上がる。
そりゃそうなんですけども。

さらに割高になることと、感覚派の先生の「ここはツーって吹くの、ツーって」という
長嶋茂雄レッスン法にモヤモヤしていたこともあって、辞めようかどうかいよいよ悩んでいました。

「まだ初心者のくせに先生が合わないとか時期尚早では」
「次に合う先生が見つかるかどうかはガチャだしな」

転職の時に考えることと同じことが頭をよぎり、さらに混迷していきます。

そんなこんなで1週間ほどたった先日、個人的に衝撃的なニュースが飛び込んできました。

「宇野昌磨、グランプリ東海を卒業し海外拠点に」

フィギュアスケートオリンピック銀メダリスト宇野昌磨選手が、幼少の頃から所属していた
名古屋のクラブ・コーチから卒業し、海外に拠点を移すというニュース。

・・・!なんと!あの海外苦手発言をたびたびしていた宇野選手がついに腹を括った・・・!
マジかよ!ワーーーーーオ!ブラボーーーー!フゥゥゥーーーーー!

以前から次のステップとしてはぜひ違う環境に飛び込んで欲しいと熱望していた宇野選手推しのわたしにとってはテンション爆上がり案件でした。

そのニュースを聞いた瞬間、頭の中でバチンと音をたててスイッチが切り替わりました。

「すいません、休会したいんですけど」
気が付いたら軽率に電話をしていました。

置かれている状況は天と地どころか、
アントマンと超天元突破グレンラガンぐらいの差がありますが、
人間何がスイッチになるか分からないということがお伝えしたかったことです。

わたしもこの休会の間に新しいコーチを探したいと思います。


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