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いまさら聞けない、マインドフルネス

2020年、ヤフーアカデミアからZアカデミアへ。

2014年にヤフーの次世代リーダーの輩出を目的として設立された企業内大学ヤフーアカデミアが、その進化系として、Zホールディングスグループの次世代リーダーの輩出機関、Zアカデミアとなりました。

その栄えある第1弾コンテンツは、今だからこそ、マインドフルネスです。

いまさら聞けない、マインドフルネス。
いまこそ聞くべき、マインドフルネス。

今回、90分のzoomセミナーに、約150名のグループ社員に参加いただきました。せっかくですので、noteにも書き起こして、座学編と実践編の2部構成にて、公開いたします。

座学編

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2月下旬あたりから、コロナ自粛やリモートワークが続き、早2か月。

誰もが今までに経験したことない生活、仕事をする中で、心身のコンディションを維持するのは、とってもむずかしい状況です。

フィジカル面では、腰痛、眼精疲労が慢性化したり、運動不足、食べすぎだったり、なかなか疲れがぬけません。

メンタル面では、日々のニュースによる不安、いつまで続くのかというコロナ疲れ、誰とも会わない孤独感など、追い込まれます。

環境面では、夫婦ともにリモートワークだったり、子育て、休校・休園など、〇〇しながら無理ゲーな人も多いでしょう。


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そもそもストレスを生むメカニズムを知っていると、少ーしだけ楽になるかもしれません。

ストレスという言葉には、
・ストレッサーという、いくつかの要因
・ストレス反応という、症状や疾病がでている状態
の意味合いが含まれています。

上記の図は、ストレスチェックの設計図にもなっているものですが、ふだんオフィスでの仕事では、ストレス要因は人間関係、役割不明瞭、作業負荷など、仕事のストレス要因が主なるところです。

いまのリモートワークでは、
・さらに、仕事以外の要因として、家庭・家族からの要求
・さらにさらに、緩衝要因として、上司、同僚、家族からの社会的支援
もふくまれ、ストレッサーのトリプルコンボ状態です。

そりゃー、ストレスを生むメカニズムを知っていたとしても、たいへんなわけです。

そんなときこそ、事実と判断を切り分けて、体験に気づき、反応を止め、パターンから抜け出す必要があります。


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さて、ここで、マインドフルネスが注目されている理由です。

世の中は、まさにVUCA worldで、散らかりまくりです。新型コロナウィルスが散らかっています。

また、自分自身も、リモートワークはオンオフの切り替えもうまくいかず、つねにマルチタスクで、やはり散らかりまくりです。

世の中×自分自身の散らかりまくりの2乗ですと、ぐるぐると思考や感情の渦に巻き込まれてしまいます。しかしながら、世の中の散らかりは何ともしがたいですが、自分自身の散らかりは何とかしたいはず。

そこで、米GoogleのSIYの功績は大きいですが、脳科学的な裏付けある体系だったマインドルネスというメソッドは、実践するほど自分自身の散らかりに対して何とかなりそう、効用や効果を実感できるから、流行ってきた、注目されてきたわけです。


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ついには、なんと国連も職員向けのメッセージが出されてました。7番目に、Practice mindfulness と、あります。キタコレ。

もはや、これは完全にやらない理由は1mmもありません。


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前振りが長かったですが、あらためてマインドフルネスとはの定義の説明です。

メンタルヘルスや仏教、ビジネスの中でも、いろいろな定義がありますが、ここでは、

・意図を持つ(intentional)
・評価・判断しない(no judgement)
・この瞬間に注意を向ける(attention)

の3つの要素で成り立つ状態を、マインドフルネスと定義しています。

スノードームを手に取って、シャカシャカすると雪が舞います。手にもったまま、しばらく数秒も経てば、雪は沈下します。

いつも強調していますが、ここがもっとも大切なポイントで、雪が舞っているのがわるい、雪がないのがいい。というものではりません。それはjudgementしているだけです。

手にもって客観的に俯瞰的にスノードームの景色を見れているのがマインドフルな状態。逆にスノードームの中の視点で雪が舞っていることすら気づけていないのは、もしかするとマインドレスな状態と言えるかもしれません。


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もう一つの説明を加えます。

日本におけるマインドフルネスの第一人者である早稲田大学の熊野先生の説明より引用させていただいております。

以前、ごいっしょに対談をさせていただいたときに、とっても分かりやすかったのは、この図でした。

スノードームとまったく同じことを説明しているのですが、ストレスがある、ストレスがない(リラクゼーション)は横軸の話です。

マインドフルネスは横軸の話をしていません。ということです。

縦軸の話をしていて、心ここにあらずの状態の反対、心ここにある状態(目覚めの状態)、つまり瞬間瞬間の自分に戻ることを、マインドフルネスといっております。

スノードームとこの図の2つで、マインドフルネスとは?のご理解は進みますでしょうか。ご参考までに、熊野先生の著作はDVD付きで、超オススメです。


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なるほどなるほど、「マインドフルネスは、なんかおいしそう」という甘い期待もあるでしょうが、マインドフルネスは習慣にしてなんぼです。

例えをコロナ対策に寄せてますが、特効薬やワクチンのように一発やるだけで、いい感じになるものではりません。日々の予防として、手洗いやうがい、歯みがきみたいに、これをしないと気持ちわるいなーと思うくらいに、毎日の生活習慣にしてこそ、です。

ストレスのメカニズムでも触れましたが、ストレッサーが塵となり、埃となり、大きなゴミとなる前に、ささっとふり払っておくレベルで心掛けておけると、マインドフルネス実践者です。


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座学編のまとめとして、マインドフルネスとコンディションの関係をループ図に表してみました。

マインドフルネスの実践します(できれば週3以上)

メタ認知スキルが高まります(=認知の精度が上がります)

身体反応や感情リテラシーが高まります(Emotional Intelligenceが高まります)

コンディション・マネジメント・スキルが高まります

つまり、コンディション・マネジメント・スキルが高まるということは、体調わるければ早めに休む、体調よければ突っ込んでいくなど、コンディションのブレ幅が小さくなることであり、メリハリあるパフォーマンスを出せるようになるはずです。

よく言われているマインドフルネスの効果として、生産性が上がるとか、ストレスが下がるなどは、最後の結果です。

そこに至るまでの、システム的なプロセスの理解をすること、「ああ、そういうことなのね!」という理解が深まることで、さらにマインドフルネスの実践を積み重ねていける人が増えていくことを期待しています。



これからのウィズコロナ時代には、うがい、手洗い、マインドフルネスの三拍子。誰もがふつうにやっているのが当たり前の世界観になるはず。

いまさら聞けないというものではありません。いまからでも遅くありません。just do itで、とりあえずやってみてほしいと願っています。


実践編

ここからは、リモートワークで、とくにおすすめの3つのワーク(赤枠)をご紹介いたします。

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1)マインドフル・ワーク
もっともベーシックかつパワフルなのは、呼吸に注意を向けるマインドフル・ワークです。一般的にはマインドフルネス瞑想ともいいますが、メタ認知トレーニングでは、マインドフル・ワークと呼んでいます。

やり方は、スクリプトも含めて、昨年末に、マインドフル・ワークのすべてというnoteを書いていますので、ここにも貼り付けておきます。

一方、マインドフルネス=瞑想だけではありません。呼吸以外にも、いろんなことに注意を向けることができます。


2)ジャーナリング(手書きすることに注意を向けるワーク)

お手元に、ペンと白紙を用意します。

スライド29

スライドにあるとおり、何かのテーマを選び、手を止めず、ひたすら書き続けるワークです。テーマは、何かを書き始めるきっかけで、何でも大丈夫。

例えば、
・「いま感じていることは?」
・「今日のよかったことは?」
・「明日チャレンジすることは?」
など、使い勝手のある問いもあれば、

・「10億円手に入ったら?」
・「明日死ぬとしたら?」
・「人生最大のチャレンジは?」
など、ふだん考えなさそうな問いに向き合うのも、ありです。

このジャーナリングでは、思いつくまま、徒然なるままに、書きつづけることがポイントです。

手書きしながらも、「手が疲れたー」「漢字分からないー」と思えば、そのまま、手が疲れたー、漢字分からないーと書き、「もう何も書くことがない、、」「ああ、おなかすいた」と思えば、そのまま、もう何も書くことがない、、ああ、おなかすいたーと書き続けます。

このように、思考や感情のダダもれのまま紙に書くというアウトプットすることで、自分と距離を置くことができる。そして、書いた文字を読みかえすというインプットすることで、メタ的に相対化することができるようになります。

ジャーナリングの3分を終えて、どのような自分に出会えるのか、やってみてください。ジャーナリングで、オススメの本をご紹介です↓


3)ボディスキャン(身体の部位ごとに注意を向けるワーク)

スライド30

頭のてっぺんからつま先まで、CTスキャンのように、ていねいに身体感覚を観察することで、身体に対する認知の精度をあげることができます。

とくにリモートワークでは、ノートパソコンやディスプレイとにらめっこしすぎ、前のめり姿勢のまま凝り固まりすぎて、身体に対する感覚が鈍りがち。オフィスへの通勤時と比べると移動量も数分の1になっている人も多く、動かさないほど、疲れやすくなります。

そういうときに、ボディスキャンをするだけで、一気にシャキっ!とするわけではないですが、、身体からの正直なアラートを察知しやすくなり、適度なストレッチやマッサージ、ヨガなどやってみることで、身体のコリや姿勢改善につながることが期待されます。


やり方は、まず姿勢から。マインドフル・ワークと同じく、下半身を安定的に、上半身はすっと座ります。今回のガイドでは、フェイススキャンとして、頭から首までの範囲で、各部位ごとにスキャンしていきます。

身体に注意を向けるとは、どういう感じかというと、自分の手で、その部位を触れたときに、ふっと意識が向く程度で大丈夫です。だいたい1つの部位で、15~20秒程度ずつ、以下の順番通りでなくてもいいですが、上から下までスキャンしていくイメージです。


頭のてっぺん、つむじあたり

頭皮全体、髪の毛の生え際から、首元のえりあしまで

おでこ

目、目のまわり、まぶた、こめかみ、眼球など

鼻、鼻のまわり、鼻の穴、鼻筋など

口、口のまわり、唇、舌、歯、喉など

耳、耳のまわり、耳の穴の手前、奥、耳たぶなど

顔、顔の表面、あごなど

呼吸に注意を戻して、終わり

ていねいにスキャンしていけば、だいたい5分程度でしょう。フェイススキャンする前と後とで、何か身体感覚で感じるものはあるでしょうか?

ぜんぜんわからないという人もいるでしょうし、何となく目が疲れていることがより分かったという人もいるかもしれません。 繰り返していくことで、身体に対する認知の精度はあがっていきますので、スキマ時間にやってみてください。


番外)マインドフル・リスニング

3つ紹介した以外にも、リモートワークの代名詞になりつつある、zoomでのオンラインミーティングは、マインドフル・リスニング(話を聞くことに注意を向けるワーク)の練習になります。

こちらもnoteで書いていますが、ミュートのオンオフの切り替えするたびに、マインドフル・リスニングしやすくなります。


               ***

いまさら聞けないマインドフルネス、座学編、実践編は、いかがでしたでしょうか?

オンラインの講演やワークショップは座学3割、実践7割くらいで構成していますが、note記事なので座学7割、実践3割くらいに再構成してみて、気づけば、この1エントリーで約5000文字も書いてしまいました!


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