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「SDGsを考える会」リーダーインタビュー第4弾 公正な社会チーム編

こんにちは。西川コミュニケーションズSDGs広報チーム“つつつ”です!

「SDGsを考える会」のリーダーインタビューも最終回!
最後を締めくくるのは、すでに3つの具体的な取り組みを形にした「平和と公正な社会の実現に向けて話し合うチーム」です。スピード感をもって進められた秘訣はどこにあるのでしょう?
チームリーダーを務めている神谷さんにお話をうかがいました!



平和と公正な社会の実現に向けて話し合うチームの目的とは?

つつつ: まずは「平和と公正な社会の実現に向けて話し合うチーム(以下公正な社会チーム)」が、どんな目的をもって活動しているのか教えてください。

神谷: 自分たちのチームが掲げているのは、SDGs17の目標でいう目標16「平和と公正をすべての人に」の部分が一番大きいです。目標16のターゲット※1のなかに、16.2「子供に対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する」があるのですが、それをなくすために私たちは何ができるのか、という議論をした結果、下記の図のように“貧困が連鎖していく”ということをなくす、解消していく必要があると考えました。

※1「平和と公正をすべての人に」のターゲットに関してはこちら
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/statistics/goal16.html

貧困の連鎖を表した図

そのため、目標16の「平和と公正をすべての人に」と繋がるかたちでSDGsの目標「1:貧困をなくそう」「2:飢餓をゼロに」「3:すべての人に健康と福祉を」「4:質の高い教育をみんなに」を、自分たちの考えるSDGsの取り組み目標としています。

公正な社会チームの取り組み目標を図で表したもの

つつつ: チームは“SDGsを考える会”を担当する社内の事務局が、SDGsの目標のうち、取り組みたいものが似ているメンバーをグルーピングして決めたそうですね?

神谷: はい。メンバーはもともと「子供が虐待されてるのっておかしいよね」や、「教育格差があるのって放置していていいの?」などの意識をもった人たちが集まっています。

なので、“SDGsの17の目標のうちから取り組み目標を選んでチームを設定した”というよりは、今まで気になっていた問題に対し、これを機に取り組もうということで始まったのではないでしょうか。1つのターゲットやゴールに絞り込まれている他のチームより、やりたいことが幅広いチームだと思います。

チームリーダーの神谷さんの画像

つつつ: チームでは早い段階で「フードバンク」「子ども食堂」「白土寮活用」と3つの企画グループができていたようですが、これはどのように決めたのですか?

3つの企画グループの構成図

神谷: やりたいこととしては「平和と公正をすべての人に」なのですが、とても大きなテーマなので、具体的にどういうことをしていけばいいのか、という議論をチーム内で最初にしたんです。
それで3つの企画の話が出たのですが、全部違う軸だったため結構早い段階で企画ごとのグループに分かれました。定例会としてはチームみんなで進めて、分科会としては3つの企画グループそれぞれで推進しています。
ただ、3つに分かれたからといって分科会の人だけで話し合うというわけではなく、分科会でいろいろ検討した内容を、定例会の際にグループ関係なく意見を出し合っています。



公正な社会チームってどんなチーム?

つつつ: チームメンバーについて教えてください!

神谷: 
チームは7人で、社長もチームメンバーとして参加しています。

チームメンバー画像

つつつ: チームワークはどうですか?

神谷: みなさん積極的に参加していただけてます。「○○○をやりたい」という自分たちの思いの部分を、活動の中でかたちにしたいと思ってくれている人が多い気がします。

つつつ: 社長がメンバーとして参加されているそうですが、話し合いではどのようなスタンスで参加していらっしゃるのですか?

神谷: 社長もメンバーの一員というスタンスでの参加なので、他のメンバーもみなフラットな目線で意見を言えています。話のなかで判断を仰ぎたい時は、こちらも「社長、これについてご判断いただけますか?」と聞くので、そういう時は「社長」にスイッチを切り替えていただいてる感じです。

つつつ: 社長が参加されていることで決断のスピードが早そうですね!

神谷: そうですね。即断即決できるのがうちのチームの強みだと思います。中小企業のSDGsの話をさまざまな所で見聞きしていると、SDGsに関する提案をボトムアップしても経営陣がSDGsに対して理解がないと話が進まない...という問題もあったので、経営陣をどう巻き込むかという点は重要だと思っています。

つつつ: 推進するのに“経営陣からの理解を得る”ということは大事ですよね。



これまでに実施した取り組みって?

つつつ: 先ほどの3つの企画グループの活動内容について教えてください。
これまでどんな活動をされてきたのですか?

神谷: 実施したのは下記の3つです。

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1.【フードバンク】

特定非営利活動法人
セカンドハーベスト名古屋様

去年8月から余剰食材を継続的に寄付

2.【子ども食堂】
あいち子ども食堂ネットワーク様
イベント用のリーフレットの寄贈

3.【白土寮活用】
白土寮の環境改善
においの問題調査・修繕
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つつつ: まずはフードバンクの活動についてですが、余剰食材を寄付しようとなったきっかけはなんですか?

神谷: 自分たちが食の提供の部分でなにができるだろう?という話をする中で、無料または低価格帯で子どもたちに食事を提供している「子ども食堂」のようなコミュニティの場をつくることができるんじゃないかという話になったんです。

ですが、それをやるには場所・人員・コロナ禍などの問題で困難だったため、自分たちが直接提供しない方法を考えました。その結果「余剰食材をあつめて、寄付するやりかた」も1つの手段としてあるので、そのような寄付ができる先を調べたところ、名古屋では「セカンドハーベスト名古屋」様が当該したので協力していただくかたちとなりました。

つつつ: 2つ目にある「あいち子ども食堂ネットワーク」様についても「セカンドハーベスト名古屋」様の時と同じように、食の提供をされているところを探して、公正な社会チームから協力をお願いしたのですか?

神谷: そうですね、チーム内で食の提供の部分に対して課題意識があったことから「あいち子ども食堂ネットワーク」様へもお声がけをしました。すると、タイミングよくイベントを企画されていて「イベントに使用するリーフレットを制作している」と、うかがったんです。そこで、NICOのリソースである「印刷」の部分でお手伝いできれば、とお話をして実現したものです。印刷したリーフレットは昨年末に寄贈しました。

あいち子ども食堂ネットワーク様に寄贈したリーフレット

つつつ: では3つ目の、白土寮活用についてうかがいます。
そもそも、どのように使用されていて、なぜ今回企画としてあがったのでしょうか?

神谷: 主に自社工場・グラフィックアーツセンター【GAC】で働いている方が使用しています。30年ほど前は、印刷の技術者の方が県内だけの募集では集まらず、県外から募集してこの寮に住んでいただいていたのですが、近年は集まった技術者の方が近くに住んでいらっしゃることが増えたので、寮はあまり使われていませんでした。その結果24部屋あるのに、現在は8部屋しか稼働していなくて...。建物って人が住んでいないと荒れてくるじゃないですか。なので「ちゃんと稼働させないといけないよね」という話が前からあったので、今回企画としてあがりました。

白土寮の外観画像
白土寮の外観。稼働率が3分の1になってしまっている

つつつ: 活動として環境改善からはじめたのは、何か理由があるのですか?

神谷: 排水の問題だったのか、においが気になるという話が前からあったんです。今回見直しをするにあたって、においの部分の改善が必要でした。調査・配管の清掃などで、どこが影響していたかが確認できて業者の方に直していただいたので、今ではだいぶよくなっています。

つつつ: 住んでいくうえで住環境は大事ですよね。
今後、どんな活用をしていくかなどの話はありますか?

神谷: まだ検討中ではあるのですが、リフォームした部屋を従業員に限らず外部も対象としたシングルマザー・ファザーの方に、公的機関やNPOと連携して格安で提供するようなサービスや、寮は継続しつつ、空室の一部をコミュニティスペース・イベントスペースのように使用する活用方法など、さまざまな案を出しているところです。

つつつ: これまで3つの取り組みについてうかがってきましたが、活動の中で苦労したこと・やりがいを感じたことがあれば教えてください!

神谷: 実務との兼ね合いは、やはり難しいなと感じています。ただ、活動していくなかでしか聞けない意見や価値観が、チーム活動に参加したことによって聞ける・感じられるというのがあるので、そこは非常に楽しいです。

つつつ: この人こんなこと考えていたんだとか、熱い意見だな。というような部分でしょうか?

神谷: 熱いなとか...そうですね。笑。仕事に対して熱い、優秀な方だな。というのは普段ありますけど、そうじゃない部分。
ビジネスにひもづけて社会問題の話をすることはあると思うんですが、それって本人の思いじゃないじゃないですか。価値観に踏み込むような話っていうのは、通常の仕事のなかでやるのは非常に難しいですし...なので、公正な社会チーム以外の方も他の人の意見が聞けるような場に一度でも参加してみたら、だいぶ印象が変わるのではないかなと思っています。

チームリーダーの神谷さんの画像



今後の取り組み、公正な社会チームのゴールとは?

つつつ: 今後、実施予定の取り組みなどがあれば教えてください!

神谷: 現在、実務でとり扱っている教育コンテンツを活用したアフタースクールの開催というのが1つ。「あいち子ども食堂ネットワーク」様に対しては、今まで直接ではなく、間接的なご支援だったので、直接的に参加できるような方法がないかを考えています。それと、お話をうかがった際にSNSの活用法がわからないという声もあったので、情報をとりまとめるコミュニティサイト的なものの立ち上げも検討中です。
白土寮は、リフォームをすることで先ほど言っていたような社外の方への提供方法や、コミュニティイベントペースとしての活用方法などを実際に具体化していく予定です。

つつつ: どの活動も次の段階へと進んでいくわけですね!他チームでは「事業化を目指す」という話が出てきましたが、事業化に対してはどのように考えていますか?

神谷: 我々も、ボランティアで終わってはいけないという認識はもっています。ただ、自社利益というのはいわゆる売り上げ・営業利益だけの話ではないと思うんです。西川コミュニケーションズのノウハウを提供することで認知を上げていき、認知をいただくことによって別のお仕事に繋がっていくだろうと思っています。そういう意味では「この事業の売上目標は10億です」という「事業化」はないと思います。

つつつ: 1月のSDGsのセミナーでも「社会的価値が今後投資の対象で、企業の価値として重要になっていく」という話がありましたね。そういった意味での貢献でしょうか?

神谷: そうです。西川コミュニケーションズが行なっている活動の価値として、例えば「あそこに頼むと、SDGsの観点から見ても非常に自社のプレゼンスが上がる仕事をしてくれる会社」だと思っていただきたいですね。

つつつ: この活動の先に、公正な社会チームはどんなゴールを目指していますか?

神谷: 西川コミュニケーションズとして考えた時、考える会としてのゴールは社会のどこに自社のリソースを活用するかという話だと思っています。リソースのひとつとして「情報」があり、公正な社会チームとしてはその「情報」を活用して“食”の提供支援のためのプラットフォームのような場所を提供できるようになりたいと思っています。

つつつ: なるほど!社会課題の解決したい部分と、自社の強みであるリソースを掛け合わせたサービスを作り上げることが目標なのですね。どのようなものができあがるのか、今から楽しみです!
本日はありがとうございました!


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