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声をとどける case 2「市民フリースピーチ」制度

今日は「声をとどける case 2」として、「パートナーシップ宣誓制度」についての提案がされた「第13回市民フリースピーチ」(6月13日開催)についてレポートします。
 
犬山市議会では、市民が議会で発言する機会を定期的に設けることで、より身近で開かれた議会になることを目的に、2018年から市民フリースピーチ制度を実施しています。なんと、この制度を地方議会として導入したのは犬山市が日本初。この制度の特徴は、スピーチで出された市民からの提案を、議会は適切にアクションすると明言していること。発言しても結局意見のヒアリングで終わってしまった、とならないのが、期待のもてるところです。
 
今回は4人の発言がありましたが、そのなかでも注目したいのが「パートナーシップ宣誓制度」の導入を提案した、同性のパートナーをもつ方からのフリースピーチです。LGBTQの理解を深め、誰もが住みやすい街となるよう、パートナーシップ宣誓制度導入の提案でした。
 
フリースピーチの様子はYoutubeでも配信されていて、こちらでも見ることができます。この方の発言は一番目。

パートナーシップ宣誓制度とは「各自治体が同性同士のカップルを婚姻に相当する関係と認め証明書を発行する制度」で、2015年11月に東京都渋谷区と世田谷区で施行されたのを皮切りに、今では130以上の自治体で採用されているようです。
 
パートナーシップ宣誓制度については、こちらのHPが参考になります。

 愛知県の場合は、県内の市区町村54の中で、10市区町村にパートナーシップ制度が導入済み。三河地方は多いようですが、尾張地方はまだ春日井市くらいのようです。

 さあ、この提案を受けて、議会がどう対応していくのが気になるところ。
なんとスピーチのあった4日後に開催された市議会の「全員協議会」(6月17日)にて、内容が討議されています。
パートナーシップ制度の導入について、今後どうやっていくかが議題となり、こんな意見が出されました。
 
・市議会にとっても新しいテーマなので、みんなで勉強していくべきなので、委員会で取り組むべき。
・受け入れたいと思うが、新しい試みなので、他の町の試みとか、勉強会を開いて、そこからどう進めていけばよいか考えるが、基本的に前向きにうけとめる。
・周知して制度を創っていくわけなので、議会だけでなく行政も含めてのことなので、行政も含めた勉強が必要ではないか。
・全国的には制度がもう進んでいる。行政も議会もとなると時間がかかるので、どこかの委員会で方向性だけまとめてもらえないか。総務委員会、という声が出ているので、総務委員会で方向性出していただくという方向で。
 
ということで、まずは市議会の「総務委員会」の方で勉強して方向性が出されることになりました。「全員協議会」の内容もYoutube配信されているので、内容をチェックすることができます。

 今後、どういう協議がなされていくかについて、どうやってフォローしたらいいかわからないと思う方、検索語を入力すると、会議録がヒットしてでてくる、こんな便利な検索システムがあるんですよ。とはいえ、使いこなすにはそこそこの慣れが必要そうではありますが..... 
全員協議会の議事録も、総務委員会の議事録も、時間を置けば検索できるようになるはずです。

 犬山市では過去のフリースピーチでも、「なぜ女子はスカートで、男子はズボンなのか。性別に関係なく着られて違和感のない制服があれば、皆が安心すると思う」という小学4年生の発言から、全員協議会→民生文教委員会→市議会本会議の一般質問をへて、異例の早さで2年後からのズボンかスカートかも選択できるブレザー採用が決まったという事例があります。関連記事はこちらから。

 その他にも、選挙を楽しくというフリースピーチからは、なんと今年の参院選にあわせての「選挙マルシェ」も実現することに。

 市民フリースピーチ制度についてはこちらから。

 まちを良くしようという思いを市議会に提案できるという市民フリースピーチ制度。ぜひ活用していきたいですね。

 それにしても、パートナーシップ宣誓制度、犬山でもぜひぜひ採用してもらいたいです。
 
昨年3月には札幌地裁で同性婚を認めないのは法の下の平等を定めた憲法14条に違反すると認められたものが、今月に判決が下された大阪地裁では真逆の合憲判決が出されたばかり。

そのときの判決では、国内では同性婚について「議論が尽くされていない」段階にあるとし、同性カップルがカップルとして「公認の利益を実現するためには類似の承認制度を作ることも可能」だと述べられましたが、マイノリティの権利をマジョリティが議論を尽くさないと守られないというのはおかしいですよね。本当は代替制度ではない形で、憲法に保障された差別のない社会ができるとよいのですが、なかなか国単位で動かない事柄には、まち単位で柔軟に対応できるとよいのかなと思います。

みんなが住みよい社会になるよう、一緒に知恵を寄せ集め、学んでいきましょう~。

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