足のない椅子
文鳥の手触りに似る音楽を撫でているとき夜は寂しい
立てられた歯ブラシ端に追いやって黙読するよう今日をなぞる
草原に小さな白い花がある チロチロ薄い水脈 血の色
明日には糸に縺れた朝が来て鳩の鳴き声聞きながしている
花は花 いつでも水を待ちわびる 空の多くは曖昧だった
トンネルに差し掛かるけど暗いとは限らないだろ一人でもない
柔らかいパン 硬いごはん拘りなんて適当で煙草の煙 わかりあえない
鉄道に守られ街を出ていった 赤い服だけ置き去りにして
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