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バスは○○の○○側に座れ。《事故率、車酔い、観光の観点から》

「バスはなるべく右中央通路側に乗れ。」

2024年4月30日本日、GWを満喫する予定だったであろう乗客数十人を乗せた高速バス2台が那須塩原の東北自動車道で衝突事故を起こした。

エンジントラブルで路肩に停めていたバスに対し、後ろから来たバスが前方不注意で気付くのが遅れたという。走っていたバスの左前と止まっていたバスの右後ろが衝突し、2台に合わせて80名乗っていた乗客の内、5名が重軽傷を負ったとのこと。

今回怪我を負った5名がどの座席に乗っていたかは明記されていないが、画像・映像を見て分かる通り、バスがひどく損傷しているのは、”左側” だ。

バスの左側といって思い出されるのは、
奇しくもちょうど12年前の前日に起きたバス真っ二つの事故である。

1912年4月29日 群馬県藤岡市岡之郷の関越自動車道で高速道路バスが道路脇の壁(鉄製フェンス)に衝突し、38名が怪我、 7名が死亡した。
この7名全員が、左側の座席に座っていた。


そこで、バスにおいて、座席の左右差で事故率に違いはあるのか調べた。

結果は以下の通りだ。

引用:過去30年~10年のバス事故における犠牲者の割合

前方左側が38%と、バス事故の被害に遭う割合が有意に大きい。
やはり、衝突が起きやすい正面に近い座席が一番危険だ。

前方”右側”が8%と小さい理由の一つは、運転手の反射的な防衛本能により、衝突から自身を遠ざける動きをするためである。
また、運転席がクッションとなり衝撃を和らげる効果や、タイヤの上が構造上、強固に作られているからという理由も挙げられた。

逆に、後方は17%と安全とは言い切れない数値となっている。
理由として、前方の状況が把握できないため、事故の直前まで気付けずに無防備な体勢でいる場合が多いからというものがある。
また、後方からの衝突をもろに食らってしまう。

中央左側は4%と一番小さく、中央左側は8%だ。
衝突の多い前方・後方からの衝撃から一番遠く、車体が衝撃吸収の役割を果たす。

窓側・通路側でいえば、衝撃から遠くなる・窓の破損による被害を受けにくいなどの理由から、通路側が安全といえる。


衝突、横転、脱線や転落など、事故の種類や原因によっても危険な座席は異なるが、過去の統計を参考にすることは自分の身を守る上で役立つのは間違いない。



車酔い・疲労感・観光的観点から

とはいっても、事故のことばかり考えていては、楽しめる旅行も楽しめなくなる。
長距離の乗車に腰を痛めたり車酔いをしたりするのは避けたい。乗り心地は優先事項だ。また、見知らぬ土地を窓から眺めて楽しむのも、旅行の|醍醐味
《だいごみ》の一つだ。

事故の要素を一旦無視すると、どの座席が一番良いのだろうか。

・車酔い

◎ 中央窓際
× 後方、タイヤの上

車酔いする人にとって振動は大敵だ。乗用車では気にならない振動も、バスとなると大いに影響してくる。
タイヤの上は走行中の振動が大きいとされている。また、バスは後方にエンジンを積んでいるため、それによる振動も考慮すべきだ。
そういった振動による負担が一番少ないのが中央である。

また、車酔いの対策の一つとして「窓の外を見て出来るだけ遠くの景色を眺める」というものがある。目の前で車や建築物が錯綜する様子を見て余計に酔ってしまうのを防ぐためだ。

よって、車酔いをする人にとって最も良い座席は、中央窓際である。左右はどちらでもいいだろう。

・観光

◎ 左 窓側(場所によって右窓側)
×  右 通路側

皮肉なものだ。
観光を楽しむ観点からいうと、事故率の最も高い左の通路側が良い。

右側の場合多くは追い越し車線や対向車が視界を遮ってしまうため、景色を存分に楽しむには不向きだろう。
ただし、その土地によって左側に富士山が見えたり、右側に海が見えたりと、状況によって適した座席は変わるように感じる。景色を楽しもうと意気揚々と左の窓側に座ったら、風よけや木々が邪魔して何も見えなかったということはよくある。

以下、Xの投稿引用。

・諸事情

あとは諸事情による個人的な好みによる。

ex )
トイレ近く
 ・トイレに立つのが出来るだけ知られたくない。
 ・行きたいときにすぐ行ける方が良い。

昇降口近く
 ・休憩に行きやすい。
 ・人通りが多いと嫌。冬は開け閉めの度に冷気が入ってきて寒い。

バスガイド近く
 ・近いと説明が聞きやすい。
 ・他の乗客がうるさいから遠くから聞きたい。

他にも、個人的な嗜好によって調整するといいだろう。



以上、様々な観点からバスの座席についてまとめた。

バスの座席選びの参考になっただろうか。
本記事が素敵なバス観光を楽しんでいただくための一助となれば幸いだ。

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