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誕生日の次に大切な日

きょうは4/20です


一昨年の今日私は長野県の山奥にある場所へ1人ぼっち住み込みのお仕事をするために電車で五時間かけて松本まで向かいました

一昨年の私は18さいで電車の中で何度も泣きそうになっていました。正直その時はどうして泣いているのかとかなんで悲しいのかっていうことは全くわからなくて家族と離れてお仕事をするということを決めたのは私自身だったので本当は行きたくないとかそういうきもちでは無かったことは確かです。

松本駅からこれから働く場所まではバスが出ていました、私よりも何個も年上の先輩たちが三人乗っていて『にひらちゃん』って何度も話しかけてくれました。ホテルまでは約一時間半でその間に初めて名前忘れちゃったけど珍しい鳥をみました

ホテルについておじさんが部屋まで荷物を運んでくれました。私は緊張してご飯も取りに行けなくてお腹が凄く空いていました
その時期の山はまだ残雪があって思ったよりも寒くて、でも沢山優しくしてくれたので温かかったです

ホテルで働いている間で沢山面白いことも楽しいことも辛いこともしんどかったこともありました
イワツバメがお風呂の中に入ってきちゃったから逃がしてやってほしい、とか
私は人と関わることが苦手だったはずなのに気付けば沢山のお客さんが私に会いに来てくれました
正直私ははじめの頃沢山居るお客さんの1人という目でしか見れていなかったけど、私とお話しをしてくれるお客さんやお手紙をくれた子ども達、また来年もくるね!と言ってくれたご夫妻。沢山の方とか関わる内に私の考え方も180度変わっていきました
思い出せば沢山のことが浮かんできます
嫌だったことも勿論たくさんあるし迷惑かけたことも数え切れないほどあります

だけど20さいの私を創ってくれたのはあの場所です
真っ赤なレンゲツツジが咲いて私を元気にしてくれてハクサンフウロやイカリソウ、オダマキ達の名前の由来をきいては驚いて感激し綺麗な夕陽の中で遅着のお客さんを待ったりピカピカ光ってる数え切れないほどの星を見つめたり、雲海から昇ってくる太陽が辺り一面の雪に反射してキラキラ眩しかったり
その時の日常は今の私の非日常です
取り戻せることは確実にないですし、取り戻すことが出来たとしてもその時の気持ちはもう浮かびません

わたしはちゃんと人と関わる、と言うことが出来ない人間でした。だけども山に居たときは出来ていました。今は出来ません
環境が人を変えます、住んでいる場所、周りの人、音、空気。全部が自分を変えます。不思議です、怖いです。

わたしは今日もひとりぼっちです
正確に言うとひとりぼっちに逆戻りしました
だけどあの頃とは全然違います
わたしは好きな物を中心として生きてきましたが
気付けば、きらいなもの・やりたくないもの が中心で私の世界は確立しています。だからぶれることがないです。消えることもないです。

わたしは特別な人間じゃないけど
特別な場所で生きた人間です
他の人が経験できない非日常を日常として生きてきたあの1日1日は一生忘れられないし忘れちゃいけない気がします。永遠じゃないものが絶対になりますように、ありがとう
明日もわたしはにひらです。ひとりでも何人でもnihinismworld project は nihinismworld projectのままです。デッカいなんか準備して生きてます。また非日常を日常にしちゃえる魔法を使えるように
きょうはさよなら