日本文化再構研究所
日々と四季の綴ひ
日本文化を踏み解き 現代との繋がりを再考
いかに華やかに彩ろうとも 朝露に濡れた一輪の花には至らず いかに緻密に言語化しようとも 十七音に集約された言葉よりは伝えられず どんなにキャンパスを埋め尽くしても 手練れの一筆には敵わず どれだけ雄弁に語ろうが 歪んだ茶碗に点てられた一杯には及ばない。 そんな感覚がこの国を作ってきた。
日本の歴史を振り返ってみると その各時代の文化は「見立て」という手法を使い 成熟してきた事が分かります。 上記の内容を短く要約してみると 見立ての歴史は古事記の神話まで遡る事ができ 伊邪那岐命と伊邪那美命の国産みのエピソードに 既に見立てという 言葉を見出す事ができます。 平安の歌人は 和歌において梅を雪に露を玉になど、 情景に思いをなぞらえたり 中世の庭園・盆栽・水石では 石を富士山に砂を水の流れなど、 壮大な自然を縮景に 芭蕉の俳諧に