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タイムマシンで解決したい日本語の問題点

漢字の音読み、訓読みが難しい問題

漢字学習を始めた日本語学習者によく聞かれることに、どうやって音読みと訓読みを知ることができるのか、というのがある。
「今」という字が「いま」なのか「こん(こ)」なのか、ということだ。

そもそも何で二通り(漢字によってはもっとある!)の読み方があるのだ、という意見(?)もあるけど、これはすでに考えた撃退法(?)がある。
ドイツ語にあるchという音は、Chrisのように語頭にあると「k/ク」となり、クリスと読む。
しかし、語尾にあると直前の母音に影響されて、「Dach」ダッハ、「Dich」ディッヒ、「Buch」ブーフ、「Doch」ドッホとなる。
しかもこの「ハ」「ヒ」「フ」「ホ」は日本語にはない音で、肺の奥から空気を出すような感じだ。

このように、表音文字であるドイツ語では、文字に複数の読み方があることは少ないけれどなくはない。
その場合、「Ch」がKなのかハ行なのかは言葉と共に覚えるものだ!
(でも実はこれはまやかしで、標準語では語頭に来るかかつ母音が後に続くか、母音のあとに来るかというルールはちゃんとある)

しかし、ドイツには方言があって例えば中国を「China」、この例でいうKのように「キーナ」と呼ぶ地域もあれば、「ヒーナ」とも呼び(これが標準語)、「シーナ」と呼ぶところもある。
(シーナと言われると、なるほどシナチクのシナと同じだ!と思う。)

なので、言葉と一緒に漢字を覚えれば、「今行きます」の読み方は「いま」、「今週行きます」は、「こんしゅう」と分かるはす。
おおよそは訓読みは送り仮名があったり、音読みは熟語になっていることが多い。(湯桶読みや重箱読みもあるけど、それはまた後々知ればよし)


そこで私の希望!

もし私がタイムマシンに乗れるなら、漢字が渡ってきたころの日本に行って、なんとか音読みを阻止したい!!
漢字だけ拝借して、「たべる」は中国語では「食」というらしい、というなら、「食」を「たべる」としよう、でいいじゃないか!
送り仮名もいらない!
ひらがなもカタカナも発明せんでよし!
「私今日朝飯食了」わたし、きょうあさごはんたべた って書けばいいじゃん。
もう助詞もなくていいよ。。。

漢文を教えるときに、本当に昔の人の工夫には目を見張る。
こうやったら中国語が日本語みたいに読めるんだよーってすごいと思う。
訓読み音読み送り仮名ひらがなカタカナの使い分けもすごい。
江戸時代の識字率の高さも目を見張るし、私世代くらいまでは綿々と、まあ学校教育できちんとできていたので、それもすごかったとは思う。

でも、国際社会の一員としてやっていくのなら、文字を正しく書くことに使う時間を、自分の意見を効果的に相手に伝える練習とかに費やした方がいいんじゃないかと思う。
英語ではない、日本語での話だ。
やっていかないなら、もうずっと鎖国していればいい。(いい意味で)


ドイツ語だって簡単ではなかった。が!

話を漢字に戻して、どれも音読みなんだけど、どれをどういう組み合わせで読まないとならないか、というのもなかなか難しい。
やはり言葉を知らないとならない。
いい例を考えながら、大学の図書館のエレベーターに乗っていたら、「Schaumagazin」という案内があった。
Schaumスポンジ、と読んだあとに、「agazinってなんだろう??」と思い、「ああ、Schau見る、Magazinマガジン(雑誌)ね!」(雑誌閲覧室?)と気づいた。
言葉を知らなければ読めない、という点では漢字と同じだ。

そんな話を帰宅後家族にしていたら、夫が「しかし新しい正書法では、『-』でつなぐことになったらしい」という。

実際に熟語の区切りが分かりにくいという点では、ドイツ語も単語は長くて分かりにくいものがあった。
今、ネットで拾ったのは、
Donaudampfschiffahrtselektrizitätenhauptbetriebswerkbauunterbeamtengesellschaft
これで1語です。切れ目なし。
日本語では、「ドナウ汽船運行電気事業本工場工事部門下級官吏組合」、もちろん長い。

ドイツ語のいけないところは、言葉をスペースを開けずにくっつけてしまうことだった!!!!
この単語も、新しい正書法になれば、Donau-dampf-schif-fahrts-elektrizitäten-haupt-betriebs-werk-bau-unter-beamten-gesellschaftとなるのか。
日本語ならドナウ-汽-船-運行-電気事業-本-工場-工事部門-下級-官吏-組合。
「汽船」は1つの言葉だけど、ドイツ語ではdampf蒸気の-schiff船という複合語である。
まあ、どこまで区切るのかは分からないけど。

しかしドイツ語のいいところは、どの言葉も子どもでも分かるところだ。
日本語のように音読みと訓読みがあるために、語彙が二倍に増えていると、どちらも知らないとならない。(食べる、食事する、ドイツ語ならessenだけ)

ドイツの宮殿でオーディオガイドを借りたときのこと。
「日本語で聴く~!」という子どもたち(当時小学校低学年)にセットしてやったけど、「この宮殿の庭園は、ヴィルヘルム大王によって建造されました。」で、もうギブアップ。
ドイツ語はいわば「この城の庭は、ヴィルヘルム王様が作りました」のように、子どもの語彙でも理解できるもので、二重性がないのだ。

タイムマシンがないので、今の子どもたちと日本語学習者を救うことはできないけど、今変えられるものもある。
ドイツは正書法委員会というのがあって、ちゃんと時代に合わせてドイツ語の正しい書き方を定めている。
今回の変革も外国人移民の増加や、ひょっとして子どもたちの学力低下を鑑みての措置だろう。


日本語の、もとい日本の問題点

一方で、日本で日本語はお役所にどう扱われているか。
そもそも「国語」と「日本語」という二面性がある。
国語は文科省の管轄で、日本語のアルファベット表記は文科省のものと、外務省のもので異なる!
日本語教師が国家資格になったけど、これを扱うのは文化庁。
まあ、一応文化庁は文科省の下部組織ではあるけど、国語教育には全く絡まない。
そもそも文化庁は芸術振興を目的としているので、登録日本語教師の管轄はここ?!とも思った。

ドイツ語は世界でも一、二を争うローコンテクスト文化で、逆に日本語は反対で一番のハイコンテクスト文化(全てを言わずに、推測してコミュニケーションをとる)。
同じ敗戦国として、戦後目覚ましい発展を遂げてきたのは同じだけれど、さらなる未来の差は、こんなところから生まれるのじゃないかと思う。
訓読みのない中国、表音文字しかない韓国が先に行くとしても私は不思議じゃない。

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