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二重シュニッツェルと三重

土曜日に家族で久しぶりに自宅近くのギリシャレストランに出かけた。
ドイツのレストランはどこも比較的盛りがいいんだけど、特に日本韓国を除くアジア系や、ギリシャ系は日本の一人前の倍ほどある。

長女は、ドイツ風豚カツ「シュニッツェル」が食べたいという。
盛りがいいのは分かっているので、子どもメニューのシュニッツェルにしたら?と提案したが、「イェーガーソース」がいいと譲らない。イェーガー(Jäger)は、猟師のことで、クリーム系のきのこソース。
確かに子どもメニューのはウィーン風シュニッツェルだったので、それならば、と納得した。

ちなみに「ウィンナーシュニッツェル」は、ウィーンのシュニッツェルで、仔牛を使い、紙みたいに薄く肉を叩く。
皿からはみ出ていることも多い!
ドイツで「ウィーン風シュニッツェル」と書かれていたら、豚肉。
ドイツでは豚肉がよく食べられている。

次女は素直に母に従って、子どもメニューから頼むことにする。
子どもメニューと書いてあるけど、我が家の娘たちはもう「子ども」と言っていい枠か微妙なので、お店の人に「子どもメニューでもいいですか」と確認するように言うと、3人(ドイツ人夫、半分ドイツ人の娘二人)が口をそろえて「日本じゃないんだから、いいんだ!」という。
(じゃあ、私でもいいのかなあ!)

長女が「猟師風シュニッツェル」を注文すると、店員さんが「結構大盛ですけど、大丈夫?」と確認する。
「Ja!」と長女。
長女は確かにカレーともなれば、二人前くらい食べるので、まあ大丈夫かなと母も思う。

さてさて、実際に「子ども用」シュニッツェルが来ると、まあ多いこと!
普通に一人前!
日本ならこれはすでに大盛の域!
次に長女の「猟師風シュニッツェル」が来たら、シュニッツェルが2枚にきのこソースがたっぷり、山ほどのポテトとインゲンが添えてある。

大丈夫、と長女はモリモリ片づけていったものの、2枚目の半分程度でリタイアとなった。
残念ながら、クリーム系のきのこソースじゃなかったのもあるしね。
(その方が、カロリーは少ないと思うけど!)
それでもポテトはほとんど食べたし、前菜にはサラダもあったし、まあよく健闘したものです。

ちなみに私はイカリングのフライ、夫はザジキ(ギリシャ風ヨーグルトディップ)つきグリルプレートで、これらもとっても多くて、とても人の手伝いなんてできませんでした。

週末は食後によくチップスを食べるんだけど、とてもじゃないけど何も入らない!
お腹がいっぱいのまま、引っ込まない!

しかし、就寝前に長女を見ると、いつも通りスリムなお腹をしている。
あのシュニッツェルと芋の山はどこに消えちゃったの?!

長女は細い割に顔がぷくぷくとしていて、とくに顎がヤバイ!
よく見ると、数日前に「なくなったでしょう」と言っていた顎がまた二重になっているじゃないか!
シュニッツェルは顎に蓄積されたのか・・・

翌朝、次女が目が変だという。
奥二重の目が、はっきり二重になっている。
長女も最近片方が三重になっていて、私の父の目みたい。

「こういうの、『ひとえ、ふたえ、みえ』っていうのよ。一重、二重、三重と書くのよ」と教える。
すると次女が「じゃあ、姉のあごも『ふたえ』だね!」

いやいや、確かにそうだけど、それは「にじゅうあご」って言うんだよね~。
「あご」は訓読みなんだから、たしかに「にじゅう」じゃなくて「ふたえ」の方が組み合わせとしては自然なんだけどね!
そういうの、「重箱読み」っていうのだよねーと母の蘊蓄が続くが、姉妹はもう聞いていない。

にしても、「八重(やえ)桜」「十重二十重(とえはたえ)」とか、日本語は美しい。
九十九(つくも)とかもいいねえ。

日頃から思っているけど、漢字が中国から渡ってきたとき、なんでご先祖様方は、音読みも入れちゃったのかなあ。
訓読みだけだったら、その後の学習はずいぶん楽だったろうに・・・



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