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天地組織之原理(129) -霊剣の魂神- ●

#00888 2024.3.17

「こゝに天照大御神詔(の)りたまはく、亦いずれの神を遣はして吉(よ)けむ。こゝに思金神(おもいかねのかみ)また諸(もろもろ)の神白(まお)しけらく、天安河(あめのやすかわ)の河上の天石屋(あめのいわや)に坐す名は伊都之尾羽張神(いつのおわばりのかみ)これ遣はすべし。もし亦この神非ずはその神の子(みこ)、建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)これ遣はすべし。またその天尾羽張神(あめのおわばりのかみ)は天安河の水を逆さまに塞(せ)き上げて道を塞ぎ居(お)れば、他神(あたしかみ)は得行かじ。故(かれ)、別(こと)に天迦久神(あめのかくのかみ)を遣はして問ふべしとまおしき。
 故、こゝに天迦久神を使はして天尾羽張神に問ふ時に、恐(かしこ)し、仕へ奉らむ。然れどもこの道には僕(あ)が子(みこ)、建御雷神(たけみかづちのかみ)を遣はすべしと答向(まお)して、乃(すなわ)ち貢進(たてまつ)りき。」
 
 こゝに挙げたる明文に「こゝに天照大御神詔りたまはく、亦いずれの神を遣はして吉けむ」とあるは聞こえたる通り、前段に天若日子を神使として降し給へるも若日子邪心を抱きて復命(かえりごと)せざるが故に、終に罰し給ふ所となりて死(みうせ)たるによりて、今度は又何れの神を遣はして吉けんと諸神の神議に問ひ給ふなり。

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