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【記者コラム】これからの行政組織を牽引するのは、サーバント型首長!?

サーバントとは「Servant」(支援)を意味し、1970年、哲学者のロバート・k・グリンリーフ氏が提唱した実践哲学が元となっている。

特徴はメンバーに奉仕することを基本にするという点で、部下の支援や育成やアドバイスをすることに特化したリーダーシップスタイル。部下の自主性やパーフォーマンス、積極性の向上などを図る。従来のトップダウン型の「支配型リーダーシップ」とは真逆の考え方であり、近年の社会情勢や環境の変化で注目を集めている。

〈意思決定の流れの違い〉

「サーバント型」は、ボトムアップで部下一人ひとりの能力を信じて、フォーローしていく。「支配型リーダーシップ」は、一方的に支持と命令がなされ意見の吸い上げなどは、ほとんどされることはない。

取材で、県内30市町村に行く機会がよくあるが、入庁するだけでどちらかすぐわかる。サーバント型の方が明らかに「自分の仕事に誇りと責任」を持ちやる気に満ち溢れている。新潟県には30市町村あり、それぞれに独自の雰囲気がある。それは、首長の出している雰囲気や仕事に対する理念がそうさせるのだと感じる。

これから2024年問題と少子高齢化でバリバリ働ける世代が減少する。小人力化(DX、ICT、AI)は、行政だけでなく、一般企業でも進めなくてはいけない大きな課題である。市町村職員は、数百人単位が部下となる。その最終責任と最終決裁は、首長の仕事である。

心理学者のマズローの5段階欲求で説明するなら「仕事は、自己実現の場であり自己満足の場ではない」ましてや「仕事はやらされるのではなく、自ら考え実行するもの」が理想の仕事ではないだろうか。当然今まで通り全ての考えが通るわけではない。ダイバシティ化が進む現代社会において、住民のコンセンサスを取りコンプライアンスの意識が求められている。多様な意見が議論されて然るべきだろう。

労働人口が減少している現在だからこそ、職員一人ひとりの考えを最大限汲み取り一緒に目的に向け進む。これからの新しいリーダー像となるのではないだろうか。

編集部 伊舞静華

にいがた経済新聞 2023年12月10日 掲載

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