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#81 理事のコラム─東日本大震災のその後─

今回は、理事の細野さんより寄稿いただきました。
細野さんからは、以前にも寄稿していただいたことがあります。
ぜひそちらもご一読ください。「#64 DEIとは

 私がにいまーるの理事を仰せつかって5年以上が経ちました。普段は東京で暮らしているので、1年に2回くらいのペースで新潟に足を運んで、にいまーるのお手伝いをしています。前理事長の笠原さんと同年配で、現役時代はユニバーサルデザインや人間工学の研究をしていました。

 今回は、今年の3月18日に東日本大震災の地を訪問した時の様子をお伝えします。

 そこでは色々な複合した被災の形態がありました。福島第1原発の放射線災害。荒浜では長く広い浜から約13.7mの津波被害。松島は湾の中に島が沢山あるのでそれが防波堤になり津波は3mくらいで低い方でしたが、地面が陥没しました。女川は14.8mの津波で新築の鉄筋の交番が横倒しになりました。石巻の門脇小学校での津波は1.8mでしたが、その後に発生した火災の被害が大きかったそうです。

写真1:旧荒浜小学校跡

 2018年8月に、にいまーるの有志で、津波で被災した荒浜小学校に訪問しています(写真1)。以前は、その海岸縁に沢山の民家が建っていましたが、震災で全滅だったそうで、今は居住禁止地域となり、長い防波堤が築かれています。その内側に高さ14mの観音像が立っていますが、津波当日はその頭の位置まで水位が届いたそうです(写真2)。2018年に訪問した際は、周辺は雑草の生えた地でしたが、今は道路が舗装されて、観音様の前には駐車場と公衆トイレが設置されており、徐々に復興の兆しが見えました。

写真2:荒浜慈聖観音像

 松島では、「まつしま香村」という宿に泊まりました。ここは震災直後に宿を開始して、当初は支援者の宿坊としても役立ったそうです。非常にフレンドリーな宿主のご夫婦と話が弾みました。この宿のスタッフの一部は障害者の方々で、ご夫婦によると積極的に雇用をしているとの事でした(写真3)。頂いた名刺には視覚障害者向けの点字も打たれていました。皆様も松島などへ訪問する際は、どうぞ訪ねてみて下さい。

まつしま香村の宿のホームページ:http://matsushima-koumura.com/

写真3:左から細野、生年月日が全く同じ学友、宿主のご主人、女将さん

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文:理事 細野 直恒(工学博士)

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