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雨の月曜日

月曜日と聞くだけで心臓がバクバクする
あれから何度も月曜日を過ごしたけど
慣れない


前日の日曜日は、ほとんど食べず
シリンジで口の中にいれても
しばらくすると吐き出してしまう

背中を波打たせて吐く姿は
苦しそうで
無理に口に押し込んだことを悔やんだ

なんとか食べて、体力をつけてほしい
薬は飲ませて、少しでも呼吸を楽にさせてあげたい

私はそんな思いで必死だった

その時のハナコの気持ち 考えたことあった?
自分の思いを押し付けてただけじゃない?

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夜中ずっと呼吸が苦しそう
寝る体勢すら辛いのか、
何度も自分で顔の位置を変えたりしてた

朝日がではじめたな~ という頃に
やっと寝息が聞こえ始めた
そして、それを聞きながら隣で私も寝た


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起きてから、また薬とチュールをシリンジで
だが、また吐いてしまう

焦る私
その目の前で比較的楽になったかのように
伏せているハナコが私を見つめている


焦りを抑えようと9時を待って、獣医さんに電話
「シリンジで与えても、食事も薬も吐いてしまうんです
 どうしたらいいでしょう」

連れてくるのは負担になるから、
食欲が出る薬と吐き気止めを用意しておくので
取りに来て下さい

「お薬もらってくるからね
 すぐ帰ってくるからね」

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獣医さんは分かっていたんだと思う
 ハナコは長くはない
飼い主である私を落ち着かせるための処方だったはず

食べないのであれば、好物であるものなんでもいいからあげてみたら?
鼻先にちょっと付けてあげるとなめるので、やってみたら?
キャットフードだけど、あげるからこれ試してみたら?

薬は無理に飲ませようとしなくていいから
まずは呼吸が荒くなるようなことを控えてあげてね


帰り道 急ぎ足で歩いているつもりなんだけど
涙があふれて、前がよく見えない

家につくと、トイレにオシッコとうんちがしてある
オシッコは色が濃く、うんちはドロドロ

当の本人は、私がいつも座っている座椅子の上で
キョトンとしてる

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この数時間後にお別れがやってくるなんて
ハナコ自身も思ってなかったんじゃない?
それともわかっていたのかな

外出なんてしなければよかった
1時間であっても、もっと側にいられたのに
もしかしたら、出かけなければ
お別れの時はその日じゃなかったかもしれないのに


後悔は愛の証…
そうはいっても、やり直したいよ

月曜日の午後3時
ハナコは逝ってしまった

毎週訪れる月曜日
1日一回必ず通り過ぎなきゃいけない午後3時

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今週も難関をやり過ごしたよ

月曜日嫌いとか子供かっ!
ってハナコ笑ってるかな


今日も一日ありがとう

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